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地図を持たずに走るすがすがしさ。ナビや計画を手放した「余白」から生まれる予想外の出会い|20年目の旅日記 #105

仕事でもプライベートでも、僕たちはつい効率を求め、分刻みのスケジュールやスマホのナビ通りに動いてしまいがちだ。

無駄なく目的地に着くことは確かに便利だけれど、たまには「事前のルート確認」を思い切って手放し、直感だけで動いてみるのも悪くない。

ちょうど20年前の2006年7月14日。

ギリシャのサントリーニ島にいた僕は、1台のレンタバイクを手に入れ、地図を持たずに気の向くまま島中を駆け巡っていた。

計画という枠組みを外したその「余白」には、道の先に突如として広がる海のような、予想外の美しい景色と体験が待っていた。

【旅の日記:2006年7月14日(金)】晴れ

今日は充実していたー。
とりあえず朝レンタバイク屋でバイクをGet!!

最初に行った店ではパスポートがいると言われ、宿の人にはパスポートはチェックアウトまで渡せんと言われ、何やねん!!って感じ。

2軒目はクレジットカードをデポするだけでOKだった。
しかも安い、よくやった!!

相棒のバイクに跨り、地図を持たずにサントリーニ島を駆け巡る

バイクで島中を気の向くままに走る。

地図も持たずに看板を見て、行きたいところに行く。

実にすがすがしい。

地図もナビも持たず、目の前の一本道をただ直感の赴くままに進んでいく

風をきって…というか強風に流されながら(笑)走り回って、ビーチに行ったり、フィラ、イアといった街へ行ってバイクを置いて歩いたり、バスケのコートを見つけて特訓してたり…。

久々にバイクに乗ったけど、やっぱ行きたいように行けるというのはいいわー。

途中の街で見かけた、自家製ワインを売る地元のおじさん。素朴な島の生活感が心地よい

“World Journey”を読んでいて、俺はまだまだ旅を楽しみ切れてないと思ったが、今日は本当に充実していた。

なんか旅を楽しめている感じだ。
…お金はかかるけど、まあそれなり。

青い空に溶け込む教会の青いドーム。これぞギリシャ、これぞサントリーニというコントラスト

それはそうと、イアの街だ。

とりあえず“絵になる”街。
あらゆる場面を写真に収めたくなる。

青と白のコントラストが光る教会はやっぱりいい。
特にイアの街ではいい位置にいてくれるから、いい写真がとれた。

あいかわらず観光客の姿しか見られないのが残念だが…。

断崖絶壁に広がるイアの街並み。フィラよりもさらにパステルカラーの調和が美しく、どこを見ても絵になる

イアの街はフィラよりもいい感じだった。

何がそうさせるのかは謎。
とりあえず絵になるトコが多い。

また、がけっぷちに立っているから、家々の間から海が見えるのも新鮮。

道の先に“空”というのはよくあるけど、道の先に“海”というのはよりキレイで神秘的だ。

白い壁に挟まれた階段の小道を下る。視線の先にはエーゲ海の深い青だけが広がっている

バスケは今日もドリブルとジャンプショットの特訓。
ドリブルもジャンプショットもうまく“決まる”とけっこう、いやかなり嬉しい。

小中学校の頃に味わった楽しさを、今再び感じている。
そしてドリブルが決まるときの快感は初めてかも。

もっと上手くなりたい…。
もっとバスケが楽しめる。

看板を頼りに走っていて偶然見つけたバスケットコート。こんな絶景をバックに一人でボールを突く贅沢

レッドビーチで泳いだりまでして“しめ”はビール。
今日は言うことなし!!

疲れているのだろう、ビールが旨い!!
そして酔うのも早い…。

やっぱビールを飲むと英語が上手くなる、というより恐れなくなるのだろう。
酒の力を借りたくはないが、このテンションはけっこう好き。

その足で向かったレッドビーチ。名前の通り、赤褐色の断崖がそびえ立つ独特な景観の海で思いきり泳いだ

まあいつもとギャップがあっていいかもねー。

あとはシャワーを浴びて寝るだけ。
今日はぐっすり眠れそう。

旅してるんだから、色々な遊びをしないと損だよね。
金は気にしても、気にしすぎてたら何しにここにいるのか分からないべ!!
うぃー。

「I LOVE LIFE. I DRIVE SAFELY」

ナビを手放し、直感だけで走る「余白」がもたらすもの

アテネでの物価高に怯え、出費を抑えることに必死になっていたここ数日。

でもこの日は思い切って、10ユーロでレンタバイクを借りた。

そして、あえて「地図」を持たなかった。

「地図も持たずに看板を見て行きたいところに行く。実にすがすがしい」

当時の日記にそう書き残している通り、事前のルート確認という「計画」を手放し、強風に流されながら気の向くままに走る爽快感は、息をのむほど素晴らしかった。

現代の僕たちは、どこへ行くにもスマホのナビに頼り、最短ルートで目的地に到達しようとする。

仕事でもプライベートでも、効率よく計画通りに進めることが「正解」だと信じている。

しかし、その「効率」を追求するあまり、道中にあるはずの偶然の出会いや、予想外の景色を味わう「余白」を失ってはいないだろうか。

地図を持たずに直感だけでバイクを走らせたからこそ、僕は思いがけない感動にいくつも出会うことができた。

がけっぷちの坂道を走っているとき、道の先に「空」ではなく、神秘的で美しいエーゲ海の「海」がパッと広がった瞬間の息をのむような美しさ。

偶然見つけたバスケのコートで、小中学校の頃の純粋な楽しさを思い出しながら、一人無心でドリブルやジャンプショットの特訓に熱中した時間。

そして、その足でたどり着いたレッドビーチで、本当に赤い砂の景色に驚きながら海で泳いだこと。

どれも、分刻みのスケジュールやナビ通りのルートに縛られていたら、決して出会えなかった体験だ。

「旅してるんだから、色々な遊びをしないと損だよね」

それは人生においても同じことが言える。

たまには計画やナビをオフにして、直感だけで動いてみる。

行き当たりばったりのその「余白」の中にこそ、想像をはるかに超える美しい景色と、本来の旅(人生)の楽しさが詰まっているのだ。

ビールを飲んで拙い英語への恐怖心が消えた自分を面白がりながら、僕はサントリーニの夜を心地よく眠りに落ちていった。


💰旅のお金ログ

Day 105(1€ = 約147円)
■ 宿代
YH Anna(ドミトリー):€9(1,323円)
■ 食費
昼(ギロピタ):€2(294円)
夕(ビール、クッキー、水):€1.8(265円)
その他(ファンタ、コーラ):€1 + €1 = €2(294円)
■ 交通費・移動費
レンタバイク代:€10(1,470円)
ガソリン代(super):€5(735円)

【Day 105 合計:約4,381円】
【旅の累計:約245,547円】


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