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【第6回/全8回】ドロップ?レストポーズ?|筋トレ応用テクニックの使いどころ

より効果的に成果を得るための、トレーニングの「5つの応用テクニック」を扱います。どのような課題に対して、どのテクニックを用いるかを理解でき、トレーニングの幅が広がります。

今回は、ドロップセットやレストポーズといった、トレーニングの「応用テクニック」について書きます。第2回・第4回でお伝えした基本を前提に、身体をもう一段、進化させるための手段です。

応用テクニックは、「使うほど良い」ものではありません。むしろ、目的を持たずに使うと、逆効果に終わることもあります。

この記事では、代表的な5つのテクニックを「どんな課題に、どう使うか」で整理します。トレーニングを頑張っているのに、伸び悩みを感じている方にこそ、読んでいただきたい内容です。

まず、「基本で出し切れているか」

「もっと効かせたい」
そう思って、ドロップセットやスーパーセットに手を出す方は、少なくありません。

でもその前に、ひとつ確認させてください。
通常のストレートセットで、本当に力を出し切れていますか?

第3回と第5回で、食事を「設計」と「運用」に分けたように、トレーニングにも、土台となる「基本」とその上に乗る「応用」があります。基本とは、第2回・第4回で扱った、正しいフォームで、限界近くまで行い、少しずつ重量と回数を伸ばしていくこと。これが基本スタンスです。

ここで、2つの前提を確認します。

1)応用テクニックは、"魔法"ではありません。 まずは通常のストレートセットで力を出し切れるようになりましょう。

2)限界を超える系は、マシンや単関節種目で。 高重量のコンパウンド系種目(スクワットやデッドリフト等)で限界を繰り返すと、フォームが崩れ、怪我につながります。

価値は、「時間的効率の向上」と「更なる刺激の負荷」にあります。
トレーニングの応用テクニックも、第5回で解説した食べ方のテクニックと同じで、「とりあえず使う」のではなく、「課題があるときに、選んで使う」ことが大切です。

代表的な5つのテクニックを、2つの系統に分けて見ていきましょう。ひとつは「1種目を延長する」系、もうひとつは「複数種目を連結する」系です。

「1種目を延長する」テクニック

① ドロップセット

ある重量で限界まで行ったら、すぐに重量を20〜30%下げて、休まず続ける。これを1〜数回くり返します。

目的は、限界まで追い込み、刺激(代謝的ストレス)を稼ぐこと。

代表的な使いどころは、時間が限られているときや、最後の1セットで、もうひと押ししたいとき。 マシンや単関節種目(アイソレーション)なら、フォームを保ったまま安全に限界を超えやすく、相性がよいです。

疲労は大きいので、コンテスト出場者などを除き、全種目全セットではなく、「ここぞ」という種目の最後に、ひとつ加えるくらいがよいです。

② レストポーズ

限界まで行ったあと、10〜20秒の短い休憩をはさみ、同じ重量で、もう数レップ。これをくり返します。

目的は、重い負荷を保ったまま、限界を超えて回数を積めること。 ドロップセットが「重量を落として続ける」のに対し、レストポーズは「重量を落とさずに続ける」のが違いです。

使いどころは、高重量のまま追い込みたいとき。 こちらも、マシンなど安定した種目で安全に行います。

レストポーズの後にドロップする、という更なる高強度テクニックもありますが、まずは各々のテクニックで追い込む経験を積みましょう。

「複数の種目を連結する」テクニック

ここからは、2つ以上の種目をつなげる系統のテクニックです。種目選択によって、目的がまったく変わります。 ここを混同すると、ねらいとズレてしまうので、整理しておきましょう。

③ スーパーセット(拮抗筋)

対になる筋肉——上腕二頭筋と三頭筋、胸と背中など——の2種目を、休まず連続して行います。例えば、バーベルカールのあとに、すぐプレスダウン。

目的は、時間の短縮です。 片方を鍛えている間、もう片方は休めるので、パフォーマンスが保たれやすいです。

使いどころは、時間効率を上げたいときです。

拮抗筋のスーパーセットは、トレーニング時間を短くしながら、筋肥大や筋力を損なわなかったという趣旨の、メタ解析結果があります。また、上述したドロップセットやレストポーズも、同等の成果をねらいながら時短を可能とする趣旨の研究報告があります。 

④ コンパウンドセット(同じ対象筋)

スーパーセットとは逆に、同じ筋肉を狙う2種目を連続します。例えば、サイドレイズのあとに、すぐショルダープレス。

目的は、ひとつの対象筋を集中的に強く刺激すること。

使いどころは、特定の対象筋にフォーカスして徹底的に追い込みたいとき。

ただし、注意点もあります。同じ筋肉を続けて使うため、2種目めは疲労でフォームが崩れがちです。他のテクニックにも言えることですが、安定したフォームで、ストレートセットで力を出し切れるようになってから試すのが無難です。

⑤ 事前疲労法

同じ筋肉を、単関節種目で先に疲れさせてから、すぐに多関節種目を行います。例えば、ダンベルフライのあとに、すぐにチェストプレスへ。

目的は、2種目めの多関節種目で対象筋に効かせきること。 多関節種目において、補助的な筋肉が先に限界を迎え、本命の対象筋の余力が残っている状態で実施できなくなってしまうことがあります。

事前に本命の対象筋を疲労させておくことで、余力を残すことなく追い込める、という考え方です。

使いどころは、「狙った部位より先に、別の場所が疲れてしまう」と感じるとき。

ただ、事前疲労法が、再現性を以て確からしく有効だという確かなエビデンスは、今のところありません。実際に試してみて、「対象筋の追い込みに有益」と実際に感じらる部位に用いるという位置づけがよいでしょう。

課題から、テクニックを選ぶ

ここまでの5つを、課題起点でまとめます。

・時短したい:スーパーセット、ドロップセット、レストポーズ
最後のひと押しで追い込みたい:ドロップセット
高重量を保ったまま追い込みたい:レストポーズ
特定の筋肉を集中的にアプローチしたい:コンパウンドセット
対象筋以外が先に疲れるのを防ぎたい:事前疲労法

大切なのは、多くの応用テクニックを実施することではありません。今の課題は何かを先に特定することです。

さいごに

5つの応用テクニックを見てきました。いづれも便利な手段です。

ただ、くり返しになりますが、これらは「使うほどよい」ものではありません。課題があるときに、対応するものを選んで使うものです

基本スタンスは、通常のストレートセットで出し切る。足りないところを、課題に応じて、応用で補う。 そのスタンスさえ間違えなければ、テクニックは強い味方になります。

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次の第7回では、多くの方がぶつかる「停滞」——なぜ、身体は変わらなくなるのか。その理由を掘り下げます。

あなたの身体は、思っているより早く変わる。

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