TTG COLUMN 009|定山渓「休日ビルヂング」
——日常の一番はしっこで、整う。
北海道札幌、定山渓温泉。私のホームサウナのひとつがここにある。

この場所を選ぶ理由
サウナを好きになればなるほど、求めるものが変わっていく。いつの間にか、ただ汗をかくだけでは満足できなくなっていた。
整うための環境にこだわるようになってから、気づいたことがある。ストレスを解消しに行って、ストレスを持ち帰ることがあるという現実だ。
体が濡れたままサウナ室に入る方、汗を流さずに水風呂に浸かる方、大きな声で話し続ける方——サウナへの理解が異なる方が一人いるだけで、整いの空間は変わってしまう。
それを解決してくれたのが、定山渓にある「休日ビルヂング」だ。
ここは私のホームサウナのひとつ。休日だけの、個人的な特別な時間を過ごす場所だ。
サイレントという哲学



この施設の最大の特徴は完全サイレントを公言していることだ。
脱衣所から浴室、サウナ、露天風呂、外気浴スペース、そしてくつろぎの休憩エリアに至るまで、施設全体が静寂を守ることを前提に設計されている。
複数人での来店者にはサイレントであることへの同意署名を求めるという丁寧な運用も徹底されている。ルールとして課すのではなく、文化として育てる——その姿勢が来店客の質を自然と高めている。
料金は3,000円前後から。定山渓という立地もあり、気軽に立ち寄れる場所ではない。しかしその敷居が、結果としてサウナへの理解が深い方が集まる環境を生んでいる。7歳未満の入店不可というルールも、静かな時間を守るための配慮だ。
🔥 サウナ室——ヌシが守る静かな熱気
【画像挿入:ヌシのマスコット画像】

25平米・定員15名というゆったりした設計。大型ストーブを2台設置し、室内を満遍なく温める構造になっている。
ロウリュは2種類ある。
ひとつはゲリラオートロウリュ。予告なく始まるアドリブ感が、サウナ室に独特の緊張感と楽しさをもたらす。もうひとつはスタッフによる手動ロウリュ。約2時間に一度、スタッフが直接行う本格的なものだ。この2種類が混在することで、サウナ室の表情が常に変わり続ける。
アロマウォーターは近所のハーブ園で摘んだハーブを蒸留した自家製。定山渓の植物の香りが、静かに室内に広がっている。
5段の広い段差があり、好みの温度を自分でチョイスできる。上段ほど熱く、下段ほど穏やか——同じ空間で全く異なる体験ができる設計だ。
そしてサウナ室の中央には、このサウナのマスコット「ヌシ」が静かに鎮座している。ヌシをあしらったグッズも充実しており、浴槽で使うサウナタオルをはじめ、来店するたびに少しずつ集めたくなるラインナップだ。これらは館内通貨「休日コイン」と交換できる。来店の楽しみがひとつ増える、さりげない仕掛けだ。

初めて来店した時は、その熱さに少し驚いた。しかし通うほどに、この温度と湿度のバランスに魅了されていった。最初の感覚を超えた先に、深い整いがある。
♨️ 温泉——ほとんど源泉100%という贅沢
休日ビルヂングの温泉は、豊平川河畔の河床から自噴する複数の源泉をブレンドしている。泉質はナトリウム‐塩化物泉、源泉湧出温度は平均約69℃という高温だ。
施設はこれを「ほとんど源泉100%、ほとんど掛け流し」と正直に表現している。温度のムラをなくすために一部循環式を採用しているが、新しい源泉をずっと掛け流しているという事実に変わりはない。その誠実さが、この施設らしいと感じる。
浴室には複数の湯船が用意されている。
主浴槽・休日湯は複数の源泉をブレンドした濃厚な温泉。鉄分など含有成分が異なる源泉を合わせることで、より深みのある湯になっている。
露天風呂・三身浴乃湯は独特の形状が特徴的だ。全身浴、半身浴、半半身浴という3段階の湯浴みが楽しめる設計で、整い後の体を段階的に温めるのに心地よい。
浅湯は12.8度の傾斜をつけた寝湯。横たわることで水圧による圧迫が少なく、のぼせにくい設計だ。
電湯も完備。血行促進やむくみ改善に。
そして大浴場内には水に加えて**ポカリスエット(薄めとレギュラーの2種類)**が用意されている。必要な時に必要な分だけ補給できる、さりげない配慮だ。
💧 水風呂——深く、静かに冷える
北海道上ノ国町産のブラックシリカを使用した水風呂。深さは男湯で約130cm、肩まで静かに沈める本格的な深さだ。18歳以上限定というのも納得の設計だ。
天然鉱石から滴る水、天井から降りかかるミスト。水温は18度以下の設定で、季節によって微調整される。夏は冷たく、冬は少しだけ水温を上げる——細やかな配慮が心地よさを最大化している。
🌿 外気浴・山涼み——四季が整いを深める
【画像挿入:外気浴スペース・庭・季節の風景】
山の空気が静かに流れる外気浴スペース。前面には庭が広がり、整いと自然の癒しが同時に訪れる。
季節によって涼み方も変わる。夏は水風呂でクールダウンしてから山の風の中でゆっくり涼む。春秋は水風呂から山涼みへ。冬はサウナから外へ出て、北海道の冷たい空気の中で整う——その選択肢の豊かさもこの施設の魅力だ。
春の芽吹き、夏の深い緑、秋の色づき、冬の静寂——季節ごとに表情が変わる。植物の息吹を感じ、小さな動物たちの気配に気づく。道外から訪れる方には、北海道の自然の濃さをここで感じていただきたい。
🍝 休日洋麺店——整った後の、静かな食事



3階にある「休日洋麺店」は、定山渓の老舗旅館・翠山亭が手がける和の洋麺(パスタ)の店だ。北海道の海の幸、野菜、出汁を使った、ここでしか味わえないメニューが揃っている。
パスタメニュー
🍝 休日たらこ|1,980円
🍝 休日明太子|1,980円
🍝 白出汁ほたてペペロン|2,310円
🍝 白出汁ほたて激辛ペペロン|2,420円
🍝 北の海老クリーム|2,310円
🍝 北の海老と丸ごとトマトクリーム|2,530円
※パスタには野菜小鉢3点と生姜ごはんが付きます。

ドリンク
🥤 コーヒー・各種ソフトドリンク|440円
🍋 無農薬檸檬スカッシュ・大葉緑茶スカッシュ・梅黒豆茶スカッシュなど「休日スカッシュ」|660円
🍺 ビール・ハイボール・無農薬檸檬サワー|660円
🍷 ナチュラルワイン各種|3,300円〜
整った後に、ガラス張りの景色を眺めながら食事をとる時間。喧騒から離れた静かな食卓が、ここにある。
営業時間:11:30〜20:00(ドリンク・おつまみは22:00まで)
📋 プランと料金

道外からの旅行者や初めての方向けにプランを整理しておく。
🕙 まるっと一日楽しむなら 休日券|2,850円(10:00〜24:00) 入浴+ラウンジ利用。迷ったらまずこれ。
🥂 フリードリンクで贅沢に過ごすなら 休日券 Unlimited|5,600円(10:00〜24:00) 滞在中ずっとアルコール・ソフトドリンクが飲み放題。
🌙 朝まで過ごすなら 休日券 &night|5,050円(10:00〜翌9:00) ラウンジで朝までゆっくり。ブランケット付き。
🕓 遅めの到着なら 遅割15|2,520円(15:00〜24:00) 遅割18|2,300円(18:00〜24:00)
⏱️ ひとっ風呂だけなら 18時・20時・22時からの「ひとっ風呂」|各1,420円 早朝風呂(6:00〜9:00)|1,420円
※料金はすべて消費税・入湯税込み ※最終入場22:00・翌9:00完全退館
🚗 アクセス
【画像挿入:外観・周辺の定山渓風景】


休日ビルヂング 📍 札幌市南区定山渓温泉西3丁目101番地
🚗 札幌市街から車で約40〜50分
✈️ 新千歳空港から車で約60〜70分
🕙 最終入場22:00/翌9:00完全退館
👉 公式サイト:https://www.kyuujitsu.com
道外から北海道を訪れる際、新千歳空港からレンタカーで直接向かうことも十分可能な距離だ。定山渓温泉街には宿泊施設も充実しており、1泊2日の旅程に組み込むのも自然な選択だ。
トレーラーマンにとってのサウナ
コラム008に書いたように、50代で現役を続けるためには自律神経の管理が欠かせない。
サウナは単なる趣味ではない。体と心を丁寧にリセットするための、ルーティンの核心だ。
早朝からの出勤、長距離の緊張、荷役の疲労——それらを週に数回、この静かな空間で洗い流す。3セット、60〜90分。それだけで翌朝の体の状態が明らかに変わる。
整うとはそういうことだと思っている。疲れを取るだけでなく、また全力で動ける状態に戻すこと——それがこの場所に通い続ける理由のひとつだ。
もうひとつの理由は、家族と過ごす時間だ。
この施設は一人で訪れても最高だが、家族と来ても同じように心地よい。サイレントという環境が、家族それぞれが自分のペースで過ごすことを自然に許してくれる。
妻や子どもたちがそれぞれの場所でくつろぎ、食事を楽しみ、温泉に浸かる。その姿を横目に眺めながら、ゆっくりとサウナに入る時間が好きだ。
家族4人で訪れると、食事も含めて2〜3万円ほどになる。決して安くはない。しかし、喜ぶ顔を見る方が先決だと思っている。
その笑顔が、翌朝また仕事に向かうモチベーションになる。
トレーラーの仕事は孤独な時間が多い。しかしその孤独な時間を支えているのは、休日のこういう時間だと感じている。仕事と休日、緊張と弛緩——その両方があって初めて、長く現役でいられるのだと思う。
👉【TTG COLUMN 008】現役50代トレーラーマンの全ルーティン——
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