サイコーに分かりやすく愛着もあった社名が、成長の足かせになった話
シリョサク株式会社は、2025年9月1日をもって社名を「うねり株式会社」に変更しました。
創業以来積み重ねて来た強みでありアイデンティティだった「資料作成」を乗り越えて、新たな領域にチャレンジするために必要だったからです。
今後は祖業である資料作成サービスをさらに磨きながら、AI時代に必要な、われわれだからこそできる人材育成・組織開発のサービス展開に力を入れてまいります。
「うねり」という会社を経営している、豊間根青地と申します。
このnoteを読んでくださっている方の多くは、シリョサクのことをその名の通り「資料作成」の会社として認識いただいているのではないかと思います。
もっというと「あ、会社でやってたの?個人でやってると思ってました」という方もいらっしゃるかもしれません。
何を隠そう、シリョサクは「資料作成の会社」です。これまで私たちは、日本を代表する企業を含む、累計300社を超えるクライアント企業に対してスライド資料の制作や研修のサービスを提供してきました。


社員も18人まで増え、運営するYouTubeチャンネルの登録者数は8万人を突破。有料コミュニティも300人近くのメンバーが活動しています。


特に研修事業が牽引し、おかげさまで売上高も4期連続でYoY200%以上で成長中です。

コアにあるのは、誰でも思考を整理してシンプルに伝えられるようになる独自の資料作成メソッド。


多くのビジネスパーソンが悩みを抱える「資料作成」という領域から、たくさんの組織と個人の成長を支援してきた結果、NewsPicksやPIVOTなどさまざまなメディアにも取り上げていただきました。


こうした活動をする上では、シリョサクって、めっちゃわかりやすい社名です。どこからどう見ても「資料作成」が由来ってことがわかりますし。
しかし、今回われわれは「うねり」というパッと見なんだかわかりづらい社名に変更します。

そもそもわれわれはどんな成り立ちの会社なのか。どんな背景で、今回のリブランディングに踏み切ったのか。そして、これから何をめざして走っていくのか。
サントリーで働きながらフォロワー12万人の副業インフルエンサーになり、起業家になったという少々めずらしい私自身のキャリアを交えながら、今回のリブランディングにかける想いをちょっと語ってみようと思います。
8千字ほどお付き合いください。
このnoteで得られる(かも知れない)学び
・人を育てる、組織を動かすためのヒント
・自分らしいキャリアを切り拓くための示唆
・仕事をおもしろがるための考え方
・あなたの人生がちょっとだけうねり始める気づき
うねりとはどんな会社なのか
まずは、そもそもうねりがどんな会社かを説明させてください。
うねりは、「わかおも」で「しごおも」をつくる会社です。
…意味がわからないですよね。少し説明させてください。
社名にもなっている「うねり」とは、人の集合体が構造的にグイグイ変化している状態を指す言葉です。
動きのない状態が、あるきっかけによって一気に動き出す。会議室、ライブ会場、世の中全体…さまざまな大きさのうねりが世の中には存在します。
人間の歴史の中でも、何かの状況が大きく変わるとき、うねりはつきものでした。私たちは、うねりを起こすことで世の中全体にポジティブなシフトをもたらすことをめざしています。

では、どうやって人にアクションを起こしてもらうか?
私たちは、「わかおも」が重要だと考えています。人間は正しいだけでは動きません。大事なのは共感すること、感情が動くことです。そのためには「わかりやすい」と「おもしろい」が大事です。
まずはシンプルで目的が即達成されること。しかし、その体験になんだかユーモアがあって、好感が持てること。この二つを両立した状態が「わかおも」です。

では、何を「わかおも」にして行くか?
われわれがこれから全力でわかおもにしていくもの。それは、「AI時代のイケてる仕事の進め方」です。
いま、私たちの働き方に大きな地殻変動が起きています。AI技術が今後ますます発達すると、私たちの仕事のあり方もガラッと変わるはずです。
さまざまな企業から大規模な人員削減・構造改革のニュースが出てくる中、このまま行くと、ワンチャン自分の仕事なくなっちゃうのでは…?という漠然とした不安を抱えている人も増えてきているはずです。
そんな時代だからこそ、「仕事をおもしろがる姿勢」略して『しごおも』のスタンスが重要であると私たちは考えます。

AIを使いこなしながら、自ら問いを立て、人を巻き込み、腹を決めて未来を切り拓いていく。目の前の人を喜ばせ、成果を出して爆裂に成長する。
これができると、仕事って実はめちゃくちゃおもしろくなります。逆に、これができないといよいよ人間の立場がヤバい時代になってきました。
では、どうやってそのような仕事の取り組み方を身につけてもらえばいいか?少し目線を上げて整理し直してみましょう。
私たちオフィスワーカー、すなわち「パソコンで仕事をする人」の仕事は、抽象化すると業界・職種を問わず「論点整理・情報収集・分析・可視化・合意形成」の5つのステップに整理することができます。

しかし、この5ステップを認識してうまくできている人はまれ。だから、今日も世の中では「打ち手思考」や「単なる現状報告」「手段の目的化」など、イケてない仕事があふれています。
でも、複雑で堅苦しい伝え方でどれだけ危機感を煽っても、多くの人は自分ごととして捉えてくれません。
コンサルの人が語るような「問題解決」とか「ロジカルシンキング」「論点思考」みたいな概念って、なんかイマイチ抽象的で難しくて、わかりづらいもの。
だから「わかおも」が大事なのです。

・必ずそのまま持ち帰って使えるフレームワークに落とし込む
・難しい概念を難しいまま伝えるのではなく、ビジュアル化する
・具体的で共感できるシーンに基づくワークで繰り返し練習する
・ポイントを可視化してチームで競う、ゲーム化する
・YouTuberのような、テンポの良いエンタメ化として作る
・思わずクスっと笑ってしまうようなちょっとした小ボケを差しはさむ
こうしたポイントを押さえ、誰もが「自分に関係ある」と前のめりになるコンテンツと体験を作り、社会人の学びに「うねり」を起こしていくことが、私たちの使命です。

まとめると、
・私たちは、人のアクションの集合体である「うねり」を起こす会社
・アクションを起こすためには、「わかおも」が重要
・われわれは「仕事の進め方」をわかおもにする
・それによって、仕事をおもしろがる人を増やしていく
なのです。
あらためて。私たちは、「わかおもで、しごおもをつくる」ことをめざす会社です。

…なんだかずいぶん「資料」から遠いところに来ました。
ここからは、なぜわれわれがこうした思想に至ったのか、どうやって具現化していくつもりなのか。私自身のキャリアに紐づけながら、ゆるっとお話したいと思います。
文化祭と都市工学で鍛えたエンタメ思考
私のこの「わかりやすく、おもしろく」略して「わかおも」という概念の原点は、振り返ると高校生活にありました。
私が入学したのは、文化祭がやたらと盛んなことで有名な都立国立高校。バスケ部に所属して練習に打ち込むかたわら、体育祭では応援団長を務めたり、新入生歓迎会で司会や漫才をしたり、いろいろなことをやっていました。

特に監督を務めた3年生の演劇ではとれる賞を総なめにし、そのくせに現役で東大に行ったので、後輩たちの間で伝説のポケモンみたいな存在になるように。なぜか7個下の全く面識のない高校の後輩が僕の名前を知っていて驚いたこともありました。
そして大学では一転、体育会のボート部に入部し副将を務めました。
毎日のように朝4時半に起きてボートを漕ぐ合宿生活の日々。こう見えてガチガチの体育会系です。ボート部、マジでハードです。
30人いた同期は4年で半分になりました。今思うと、このボート部生活で体力と精神力が鍛えられたことは今の仕事にもめちゃくちゃ生きています。

しかし一方で、あまりにキツい「エルゴ」というトレーニングマシンに耐えかねて、「エルゴはクソbot」というボート部あるあるを投稿するTwitterアカウントを作ったら、うっかりフォロワー3,000人の超ニッチな人気アカウントになってしまったり。

4年生の追い出しコンパで、巨大な「リアルボート部人生ゲーム」を企画・制作したりと、ハードな環境のなかでもコンテンツ作りへの情熱は尽きませんでした。
ちなみに大学での専攻は都市工学で、デザインやプレゼンの基礎、そして「場づくり」の考え方を学びました。

実はこの頃から一部では「パワポ芸人」と呼ばれていました。発表の場で教授から鋭い質問が飛んできてもたじろぐどころか、「いい質問ですね」なんて生意気に切り返して、一笑いとったりしていました。
実は卒業制作がレモン展という展示会に選出されたりなんかもして、勉学にもそれなりにまじめに取り組んでいた優等生でもあります。

サントリーで叩き込まれた徹底したお客様視点
院に進む同期を横目にさっさと大学を卒業した私は、2017年に新卒でサントリーに入社します。
伊右衛門やプレミアムモルツのような、誰もが知る商品のマーケティングみたいな仕事に携われるのかな…なんていうふわっとした期待を胸にしていた私を待っていたのは、まさかのサプリメントを扱うコールセンターの企画部署への配属でした。
正直に言うと、「東大まで出て、サプリのコールセンターか…」という気持ちが、全くなかったわけではありません。

実はサントリーは、サプリメント業界で圧倒的No.1のリーディングカンパニー。コールセンターの「おもてなし」の品質も業界トップレベルです。なので、オペレーターさんがお客様に向き合う姿勢も、当然それを統括する社員の姿勢も、質の高いものが求められます。

サプリメントという説明が難しい商品の魅力をいかにお客様に伝え、購入いただくか。景品表示法や薬機法といったややこしい法律や、配合成分の体内での働きをいかにわかりやすく説明するか。さらには、いかにお客様に向き合うスタンスやマインドを理解し、実践いただくか。
そして、いかに事業成果につなげるか。そういった仕事に日々取り組んでいました。
そこで徹底的に叩き込まれたのが、「お客様視点」です。「目の前の人を喜ばせろ」「自分の介在価値を作れ」何度も何度も言われたこういった言葉が、今でも私の仕事の礎になっています。

ありがたいことに、若手にもどんどんチャンスを与えてくれる環境で、もちろんプレゼンも含め、仕事のイロハをみっちりと学ばせてもらいました。
同時に、当初の「サプリメントのコールセンターの仕事はおもしろくなさそう」という浅はかな思い込みは、上司や先輩、取引先の皆さんのおかげですっかりなくなっていきました。
「バズ」から始まった起業家としてのキャリア
そんな会社員生活と並行して、私はライフワークとしてある活動に熱中していました。
それは、X(旧Twitter)でのネタ投稿です。「おもろいものを作っていろんな人に見てもらいたい!」という一心で、日々ライフワーク的にパワポで作ったネタを投稿しているうちに、徐々にバズる投稿が増加。
何百万人という人に見られるネタがいくつか生まれました。
「うまい」と感じるハードルは低い方が幸せかもしれない。 pic.twitter.com/OnNj5NrjUa
— トヨマネ|パワポ社長 (@toyomane) September 6, 2021
よくわかるAmazonレビュー pic.twitter.com/j1XJ0OfBmN
— トヨマネ|パワポ社長 (@toyomane) December 14, 2021
めちゃくちゃ当たり前なことを言っている架空のビジネス書をパワポでデザインしました。(増補改訂版) pic.twitter.com/74AeMfb47A
— トヨマネ|パワポ社長 (@toyomane) October 10, 2021
特にターニングポイントになったのは「桃太郎パワポ」でした。昔話の桃太郎をテーマにした架空のプレゼンテーションです。
もし桃太郎がイヌ・サル・キジにお供になってくれるようプレゼンしたら pic.twitter.com/AnB4jsnw4t
— トヨマネ|パワポ社長 (@toyomane) August 20, 2020
このネタを作ったときの考え方をまとめたnoteが2,000以上のいいねを集める人気記事に。これがきっかけで、出版のお話をいただくことになったことは、「自分の【わかりやすく、おもしろく伝える】というノウハウが人の役に立つんだな」と実感したきっかけでした。
やがて、ただの趣味だった発信活動が、副業になっていきました。最初は、セミナーに呼んでいただいたり、スライド制作の依頼をいただいたり。徐々に、書籍を出版したり、メディアに出演する機会もいただけるようになりました。
27歳でサントリーを退職。資料作成の会社を起業
個人での活動に手応えを感じていた私に、一つターニングポイントが訪れます。現・取締役である木下との出会いです。知人がつないでくれた彼は、資金調達やIRなどファイナンス領域でのプレゼン資料のコンサルティングやデザインで実績を持っていました。

彼の仕事をそばで見ている中で、ビジネスの世界には自分にはまだまだ知らない領域が死ぬほど広がっていること、いくらでも挑戦のチャンスがあることを知りました。
そして2022年1月、ついにサントリーを退職し、起業に至ります。
創業当初は、自分の得意領域であるスライドの制作代行をメインに事業を組み立てようと考えていました。ただ、私たちがずっと事業の軸に置いていたのは、「資料作成はスキルの総合格闘技である」という概念です。

資料を作るという行為は、単なる見た目を整える作業ではありません。本質は、課題を解決し、人を動かし、成果を生み出すための「知的生産」そのものです。
この「知的生産」や「成果創出」のプロセスを、「資料」という誰もが目に見える道具からアプローチするからこそ、スキルとして分かりやすく、再現性も高く、組織全体に広げていくことができる。
はなから狙ってやっていたわけではないのですが、われわれのサービスは結果的にそこが特徴になっていまた。
そうした背景もあり、制作代行に加えて研修事業が徐々に軌道に乗り始めます。小さいながらもオフィスを構え、仲間も増えていきました。



すると、研修に参加してくださったお客様から、徐々にこんな声をいただくようになりました。
「こんな有用な研修もめずらしい」
「資料作成の手前の考え方が非常に参考になるので、資料を作成する場面の多い人のみならず、課題対応を実施する人や問いを立てることがある人にお勧め」
「資料作成に限らず仕事の効率的な進め方や考え方としての重要なポイントが詰まっているので万人におすすめしたい」
「コンサルタントの思考フレームワークにとても近いなと思った。 場での実戦的機会をいただけて楽しく学ぶことができた」
「実際の起案でこの研修で学んだ流れに沿って資料作成をすることで、承認をいただくことができました」
資料がわかりやすくなったとか、効率的に作れるようになったということだけでなく、もっと抽象的な仕事における「考え方」や「伝え方」、さらには「マインド・スタンス」にまでわれわれの提供価値がおよんでいることを実感するようになってきました。
かつ、「3時間があっという間だった」「これなら眠くならない」などといった体験に対するフィードバックが多かったことも重要なポイントでした。
本質は「資料作成」より「わかおも」だと気づく
こうしたお客様からの声をいただきながら、一つひとつのご要望に応え続けていると、私たちの事業は「資料作成」という領域を大きくはみ出していきました。次世代幹部育成研修や新人向けの一斉研修といった、企業の人材育成の根幹に関わるプロジェクトまで任せていただけるようになったのです。
そうなると、今度は「シリョサク」という社名が、かえって私たちの足かせになってしまいました。
「シリョサクさんって、資料作成の会社ってことですよね?」
この言葉をいただくたびに、「ええ、そうなんですが、実はそれだけではなくて…」と説明から入らなければならない。自分たちが何者であるかを伝える上で、分かりやすかったはずの社名が、逆に事業の広がりを説明しづらいものに変わってしまっていました。
そこで、改めて考えてみました。「そもそも、われわれが提供している本質的な価値って、いったい何なんだ…?」
思えば高校時代からずっと変わらない自分の軸は、「目の前の人の期待に応えたい、喜んでほしい」すなわち「ウケたい」という考えです。
いかに目の前の人に考えをわかりやすく伝え、リアクションをとってもらうか。そればかりを考えてがむしゃらにやってきたように思います。

そのために自分が知らず知らず突き詰めていたこと、それが「わかおも」です。
複雑でわかりづらい物事を、とことん「わかりやすく、おもしろく」翻訳することで、人の心を動かし、行動のきっかけをつくること。
そして、その小さな行動の連鎖を、やがてチームや組織を巻き込む大きな「ムーブメント」にしていくこと。
これでした。これを組織的にもっと極めていきたい。そう考えるようになりました。
そんなこんなで、私たちは「資料作成」というアイデンティティを乗り越えて社名を変えるという、今回の意思決定に至ったわけです。パチパチ~

おそらく何の会社かがパッとわかりづらくなることによる痛みもあると思っていますが、いずれにせよどこかで乗り越えねばならなかったハードルです。メンバー一丸となって超えていきます。
誰もが仕事をおもしろがれる世界を作りたい
最後に、私たちがこれから目指す世界について、少しだけお話しさせてください。
私たちは、仕事とは本来、最高にエキサイティングな行為であると信じて疑いません。
しかし、世の中にはその「おもしろがり方」を学ぶ機会がないせいで、仕事の本当の楽しさを知ることができていない人が、あまりにも多いです。
ここで言う「おもしろがる」とは、決して楽をすることや、ただふざけることではありません。
自ら問いを立て、人を巻き込み、成果を出して爆裂に成長する。そしてその過程を、当事者としてじっくり味わうことです。
まずは、私たちが得意とする研修や公開講座を通じて、「仕事をおもしろがる(しごおも)」のマインド・スタンスを一人でも多くの人に伝染させていきます。まさにうねりのように、組織に、世の中に、どんどこ広がっていくムーブメントにしていきます。

そして、私たちのやりたいことはそれだけではありません。
ゆくゆくは、「仕事」という枠組みを越えて、一人ひとりの「人生」をもっとおもしろくする。うねりは、そんな「ライフスタイル創造企業」になることを、本気で目指しています。

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