見出し画像

ツーリングマップルって何?「今どき紙の地図なんて…?」

こんにちは。ツーリングマップル編集部のマスキです。

もう10年近く前でしょうか。ラジオを聴いていたら、パーソナリティの男女がこんな会話をしていました。

「こないだ地図見ながらドライブしてたら、道に迷っちゃってさあ」
「え、なんで迷うんですか?ナビ使ってるのに?」
「いやナビじゃなくて。紙の地図で…」
「かみ!?今どき紙の地図使ってるんですかww!?」
「そりゃ使うよ。え?おかしい?え?」
「なんでww?意味わかんないww要らなくないですかww?」

とまあこんな調子で、よっぽど面白かったのか、その女性はしばらく笑っていました。まあでも実際、紙の地図ってすでに「そういうもの」だよな。と改めて感じたものです。10年前でそうなんだから、今はもっとこの傾向は強まっていることでしょう。

「紙地図」は過去の遺物?

カーナビやスマホが普及して以来、紙の地図を使う場面なんて、学校の授業で帝国書院の地図帳を開くときくらい。「道路地図」なんてもってのほか、地図が書店で売っていることすら知らない。そういう人が今や多数派になりつつあります。

我らが「ツーリングマップル」も、かつては「ライダーのバイブル」なんて呼ばれていたものの、そんな時代はとうに過ぎ去り・・。バイクに乗る人ですら使ったことがない、名前も知らないという声をよく聞きます。

これを読んでいる方の中にも、「そもそもツーリングマップルってナニ?」という方が多いはず。そこで今回は、「ツーリングマップル」とは何か?

というお話をしたいと思います。

よく見るあの地図と比較してみよう

何はともあれ、分かりやすく実物を見てもらいましょう。富士山周辺の地図を、ツーリングマップルとGoogleマップで比較してみます。

ツーリングマップル関東甲信越 17「富士山」のページ
Googleマップでほぼ同じ範囲を同じ縮尺で表示

ツーリングマップルに比べ、Googleマップはだいぶあっさりめ。というか、文字がほぼない・・。だから悪いって意味じゃないです。そこでマウントを取っても仕方ない。

なんせGoogleマップは「拡大」・「検索」をかければいくらでも情報は出てきます。例えば「ガソリンスタンドに行きたい」、「近くで評判のパン屋さんに行きたい」。そういう目的があらかじめ決まっているときにはめっぽう強い。そして、そこへ至る最短経路も一発で出してくれる。だからみんな使ってる。僕らだって、よく使います。

でも、旅とかツーリングの楽しみって、寄り道の積み重ねだと思うんです。単に「A地点とB地点を最短経路で結ぶ」ってのとはちょっと違う。

「旅を考える」ための道具

ツーリングマップルは、平たく言うと「景色の良い道」や「気持ち良く走れる道」「グルメ」「温泉」「キャンプ場」「歴史スポット」など「バイク旅にあるとうれしい情報」を満載した道路地図です。(バイク向けだけどドライバーやサイクリストにも使えます)

それも、ただスポット名が記載されているのではなく、取材ライダーの目線でどう感じたか、どうおすすめなのかというコメントが載っています。

先ほどの誌面の一部を拡大。取材者の「コメント」があちこちに。

たとえば『海沿いを走る快適2車線。潮風が気持ちイイ!』とか、逆に『廃道同然。ほぼ通行不可』というようなマイナス情報も含め、様々なコメントが所狭しと詰まっています。

「でも結局紙じゃん。検索も拡大もできないんでしょ?」

はい、検索も拡大もできません。最短ルートを案内してくれることもない。リアルタイムの渋滞情報も出ない、到着時刻もわからない。クチコミ評価もない。

スマホやナビより圧倒的に不便に見えます。じゃあなんで、そんな不便なものを2026年の今も作り続けているのか。それはツーリングマップルが「目的地へ行くための道具」ではなく、「どこへ行こうか考えるための道具」だからなのです。

「偶然の出会い」が地図にはある

「A地点からB地点へ行く」が目的なら、あるいは「パン屋に行きたい」という目的が決まっているなら、ほぼ間違いなくGoogleマップの方が便利です。

でもさっきも言った通り「ツーリング」という遊びは、AからBへ最短で移動することが目的じゃない。

むしろ、「この道、なんか良さそうだな」「ここに秘湯っぽい温泉あるじゃん」「なにこの峠?展望台もある」「この集落はどんなところなんだろう」

そんな予感に従った寄り道や、移動している時間そのものが面白さだったりします。

ツーリングマップルを眺めていると、次から次へそういう情報が目に飛び込んできます。だから「飲食店を探していたのに、気づけばまったく違う場所の歴史スポットに心を奪われていた」。そんなことがよく起こります。

これはネット検索ではなかなか起こりません。検索は、知っているものを探すのは得意。でも、知らないものと偶然出会うのはあまり得意ではない。

ツーリングマップルは、その「偶然の出会い」を作るための道具なんです。

ページをめくるたびに寄り道候補が増えていき、気がつくと計画が膨らむ。こういう時間が妙に楽しい。旅に出ている時間より、地図を眺めている時間の方が長い人もいるくらい。地図を酒の肴にする人もいるし、「ツーリングマップルは読みものだ」と言う人もいます。

夜な夜なウイスキーを飲みつつ、空想ツーリングに耽るのもカッコいいよね

地図だからできる「選択」

ツーリングマップルのメリットはほかにもたくさんあります。それは「選択」ができること。

【広範囲を見られるから「想像し」「気付き」「選べる」】

GoogleマップをはじめとしたWEBやアプリの地図は、先述した通り、拡大しないと情報が出てきません。だからどうしたって拡大して見ざるをえない。すると、見える範囲は狭くなります。

となると、例えばA地点からB地点へ行くたくさんのルートの中に、海沿いを行く絶景道があっても見落としてしまうことが多い。紙地図だと、ある程度の広さ、全体が見渡せるので「ちょっと遠回りだけど、こっちの方が景色が良さそう」と想像して気づき、選ぶことができるんです。

【あらかじめプロが選んだものが掲載されている】

Googleマップには情報がほぼ無限といえるほどにあります。情報が多いということは、選ぶのも大変ということ。沼にはまると一つの目的地を探すだけで思わぬ時間を費やしてしまうことも・・。旅先でそれをしてる人を最近はよく見かけます。せっかく旅に出てるのに、行き先選びのためにスマホと長時間にらめっこしてるなんて、本末転倒ですよね。

その点「ツーリングマップル」に掲載されている情報は、経験うん10年の信頼できる取材ライダーが選んでいます。もちろん時には趣味に合わないこともあるとは思いますが、選択肢があらかじめ絞られていることで、僕らはその中から選択すればいい。これはとても大事な点です。

【みんなで共有できる】

あと最後にこれは、個人的に一番推したいくらいの魅力なんですが、紙の地図があると、他の人と一緒に見て、行先を選べるんです。「ここをこう行ったらよくない?」「ああ!確かに」「いや、でもこっちの方が・・」とか言いながらね。それってなんだかすごく旅って感じ、しませんか?

旅先で「次どこ行くー?」が楽しい

とにかく使ってみてほしい

ここまで読んで、「なるほど、そういう地図なのか」と思っていただけたならうれしいです。

昨今の物価上昇もあって、ツーリングマップルも決して安い買い物ではなくなってしまいました。それでも僕らは、この本にはその価値があると思って作っています。

旅の途中で開くのも楽しいし、旅に出る前、旅から帰ってからも楽しい。

もし機会があれば、本屋さんで手に取ってみてください。パラパラとページをめくるだけでも、「あれ?ちょっと面白いかも」と思ってもらえるんじゃないかと思います。

まずは手軽に使えるアプリのRoute!から試してみるのもアリです。

どちらにしても、皆さんの次の旅のきっかけになれたら、編集部としてこれ以上うれしいことはありません。

いいなと思ったら応援しよう!