【文学フリマ東京42】エッセイ『すりーあいあとらす』について
川成灯です。
新刊が無事自分の手元に届いたので、製作の背景や過程、装丁についてもりもりと紹介させてください。
『すりーあいあとらす』基本情報

2025年12月19日、恒星間天体3I/ATLASは70億年の旅の途中、太陽系に突入してわたしたちに接近し、光る尾を伸ばして未来へと去っていった。ちかづく、はなれる、心の通い合いとすれ違い。あの時出会わなかったら?あの時出会っていたから。とるにたらずとも、たしかにそこにあったあの瞬間をわたしは彗星と呼びたい。ゆるやかにめぐる生活の、一度きりの邂逅を綴った16編のなんてことない生活エッセイ。
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著:川成 灯
仕様:B6変形(W111mm×H170mm)、本文122P
発売:2026年5月4日
すりーあいあとらすとは?
3I/ATLAS(読み:すりーあい・あとらす)とは、2025年に発見された実在する彗星の名前です。もっと詳しく言うと恒星間天体といって、太陽系の外から太陽系の内側にやってきた彗星です。これは意外と珍しいことらしくて、3I/ATLASは観測史上3番目の恒星間天体です。
観測場所にもよりますが10月29日に近日点通過(太陽に一番接近すること)、12月19日に地球に最接近して、去っていきました。彗星は地球みたいに閉じられた小さい円軌道をもたないので、ふたたび太陽系を訪れることはほぼ確実にありません。行ったら行きっぱなし。
天文に詳しくないのでここからはざっくりですが、3I/ATLASはどうも他の彗星と比べて光り方や構成物、飛び方などが変わっていたようで、学者の中でも真剣に「3I/ATLASは宇宙船」説がとなえられ、多くの天文ファンひいてはスピ界隈を賑わしました。
最終的にはその可能性は極めて低い、という結論に達したようですが、怪しいロマンを与えてこそ3I/ATLASもいっそう光り輝くんじゃないでしょうか。
エッセイを書いた経緯
と、ここまで長く紹介してきましたが、3I/ATLAS自体はエッセイに一切関与しません。
わたしは、2025年10月に『秒速5センチメートル』という映画を観た帰り道にこの彗星の存在を教えてもらいました。当時、エッセイ本をまた出したいけど何を書いていいのかわからないなあとふらふらしていた時期で、これだ!と思いました。一度きりの感情・風景を、彗星のように光っているね、光っていたねと眺めるような作品をつくろうと動き出しました。
使い古されたいい方にはなりますが、人生とは出会いと別れの繰り返しです。それをもう少し小さい単位で、あんなことがあった(それは同時に、今はもうないということでもありますね)という出来事の数々から、なるべくポップなものを選んでエッセイにしました。そう、本作は前作『ぼくら雨をきってきらきらはしる』と比べて、どうでもいいことも多く載せました。
軽快なエッセイをつくりたい、これは前作を作り終えた直後からずっとおもっていたことです。
生きていく中でさっと現れる出会い、なんでもない人、離れていかないでほしかった夜、いろいろあって、
それらについて考えを重ねても、忘れてもいいんじゃないか、とおもっています。
あんまり書くとネタバレしそうなのでこの辺にしておきますが、
とにかく自由に、肩ひじ張らず、あなたの内側や外側について想いを馳せていただける、そんな作品になりました。
タイトルは即決でした。だってかっこいいもの。
装丁について
エッセイを作る時にこだわりたかったのが、装丁です。
前作も多くの方にほめていただき、実際かわいくはあるのですが、さらに手の込んだことをやってみたくて試行錯誤しました。


サイズはW111mm×H170mm。新書より少しだけ大きい、細長いサイズですね。荷物になりたくないのと、片手で持てるサイズにしたいというのを意識しました。
本作の一番の魅力は、表紙が2枚あることです。
表紙(幅が少し短い)は新居の台所をイメージして、コズミックラテ色(クリーム色)です。


2枚目の表紙はいわゆる中表紙というやつですが、中表紙も表紙と同じくらい機能してほしくて表紙と同じ紙を使用し、これでもかと写真をいっぱいに載せました。

表紙には帯をつけています。こちらは取り外し可能。

帯と中表紙、どちらもわたしが新居で撮ったフィルム写真です。
印刷は天下の(憧れの)イニュニック様にお願いしました。
あ、この装丁かわいいな、とおもう自主製作本はたいてい、奥付にイニュニックと書いてあり、以前から気になっていたのです。

本製作が久しぶりだったため電話やメールでのやりとりのみでは不安で、今回はイニュニック本社にお伺いして直接使用する紙や印刷イメージ、料金などについて相談させていただきました。親切でわかりやすいご説明のおかげで懸念点がすべてクリアになったこと、ほんとうに感謝しています。

「うちでは大体のことはできます」とおっしゃっていた社長、頼もしすぎる。おすすめの印刷所です。
製作過程について
これから(ひとりで)本を作りたいとおもっている人に少しだけアドバイスですが、ZINE製作は文学ではない!という意識をもつと、より製作が楽しくなるとおもいます。
本を作って売る、という作業は大きく①文章を書く➁文章を良い感じに紙に載せる というふたつの作業からなります。
わたしは①文章を書く がほんとうに苦手なので(←何を言っているんだ)、エッセイを書き進めて、無理!となったらすぐ装丁や表紙、イベントの準備に切り替えていました。このふたつの作業は並行してできるのだとやっと気づきました。
おかげさまで今回は前作『ぼくら雨をきってきらきらはしる』製作時と比べて、メンタルを大きく崩すこともなく完成させることができました。
今回は紙の見本を見に行ったり、印刷所に足を運んだりしたことも良い思い出ですし、本を製作しているなあ!とうきうきしましたね。
文章を書くというのは孤独で殺傷能力の高い活動ですから、ほんとうにやばい、となる前に書を捨てよ、町へ出ようということです。


改めてイベントのお知らせ
①文学フリマ東京42
日時: 2026/05/04(月・祝)時間: 12:00〜17:00(最終入場16:55)
場所: 東京ビッグサイト 南1-4ホール(りんかい線国際展示場駅徒歩7分/ゆりかもめ東京ビッグサイト駅徒歩3分)
入場料: 1000円(前売) ※当日券あり
↓ 川成のページ
https://c.bunfree.net/c/tokyo42/4F/%E3%81%9F/20
言わずもがなですが、むちゃくちゃ広いです!お客さんは歩くだけでも疲れてしまうかもしれません。
「思ったより涼しい服装」「軽くて大きい空のカバン」「前日になんとなくSNSで行きたいブースをリサーチ」で文学フリマを100倍たのしめます。気をつけてお越しくださいませ!
➁ZINE FEST東京
日時: 2026/05/23(土) 時間: 12:00〜17:00場所: 東京都立産業貿易センター 台東館 6階・7階(浅草駅徒歩5分)
入場料: 500円
ZINEフェス初参戦です。ZINEフェスってなんですか?わたしもよくわかっていません。文学フリマが終わったら全力で考えます。
③オンラインストア
5/4にオープンしたい!もうしばらくお待ちください。

以上、長くなりましたが新刊『すりーあいあとらす』および他の新刊らをよろしくお願いします!
