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襖張り替えで失敗しないために|見本帖だけでは分からない本当の話

襖を張り替えたあとに、「あれ?見本で見た感じと少し違うな」と感じた経験はありませんか。

実はこれ、珍しいことではありません。クレームというほどではないけれど、どこか引っかかる。現場ではかなりの頻度で起きている出来事です。

多くの場合、原因は襖紙そのものではありません。見本帖で選ぶことが悪いわけでもなく、問題は「見本帖の見方」と「確認の仕方」にあります。

小さな見本と、実際に部屋一面に貼られた襖では印象が変わります。光の当たり方、畳や壁とのバランス、部屋全体の空気感。そうした要素が重なることで、想像以上に見え方が変わるのです。


この記事の前半では、見本帖しかない時に失敗しにくくする考え方や、実際に現場で行っている確認方法、実物を見られる場合のメリットなどを、できるだけ分かりやすくお伝えします。

そして後半の有料パートでは、普段はあまり語られることのない「襖張り替えの価格がどう決まっているのか」という仕組みについて、職人目線で正直に書いていきます。

これから襖の張り替えを考えている方も、価格に少し疑問を感じたことがある方も、知っておくと後悔しにくくなる内容です。


【執筆者】前田畳店 代表 前田昌俊 ・岩手県盛岡市で60年以上続き地元の皆様に愛され続けている 前田畳店の二代目店主 ・畳、襖、障子、壁紙、網戸の張り替えと襖紙販売店『和紙屋』代表 ・現在登録者10000人の襖系Youtuber ・畳技能士資格、畳職人指導員資格と壁装技能資格を保有 ・『お客様への真心』が仕事の原点。これからもその信念を大切に貫く52歳




■ 襖張り替えで起きがちな「違和感」の正体

前田畳店・和紙屋の店内


・「見本と違う」と感じるのはよくある話


襖を張り替えたあとに、「思っていたのと少し違うな」と感じるケースは、決して珍しいことではありません。現場で仕事をしていると、この手の声は本当によく耳にします。

ただ、その多くは「失敗した」「やり直したい」といった強い不満ではなく、「何となくしっくりこない」「言葉にしづらい違和感がある」といった、非常に曖昧な感覚です。

仕上がり自体は綺麗で、施工に問題があるわけでもない。それでも、毎日目に入るものだからこそ、ふとした瞬間に違和感が残る。

こうしたケースは、クレームとして表に出ることは少ないですが、実際にはかなりの頻度で起きています。


・見本帖と実際の襖紙が違って見える理由


この違和感の大きな原因が、「見本帖」と「実際に貼られた襖」とのギャップです。見本帖は、数センチ角の小さな紙を束ねたものですが、それが部屋一面、しかも複数枚の襖として並んだとき、印象は大きく変わります。

光の当たり方ひとつ取っても、見本帖を室内灯の下で見るのと、自然光が入る部屋で見るのとでは見え方が変わります。

さらに、畳の色、壁や天井の色、柱の木目など、周囲の要素と組み合わさることで、「白さ」や「落ち着き」の感じ方が想像以上に変化します。

見本帖では良く見えたものが、部屋全体では少し強く感じたり、逆にぼやけて見えたりすることもあるのです。


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■ 襖紙の見本帖しかない時に必ずやってほしい確認方法


・見本帖は「部屋に持っていく」


実際のところ、「実物は見られない」「見本帖だけで選ぶしかない」という状況は決して少なくありません。その場合でも、確認の仕方を少し工夫するだけで、失敗の確率は大きく下げることができます。

見本帖は、テーブルの上で眺めるだけでは不十分です。必ず、現在の襖の前に持っていき、実際に貼られる位置で照らし合わせてみてください。

襖単体で見るのではなく、畳、壁、柱と一緒に見ることで、部屋全体との相性が見えてきます。


・時間帯を変えて見る


できれば、時間帯を変えて確認することもおすすめします。昼と夕方では、光の入り方が大きく変わります。

特に白系や淡色の襖紙は、光の影響を受けやすく、昼は明るく見えても、夕方になると少し沈んだ印象になることがあります。

一度しか見ないより、複数の時間帯で見ることで、貼り替え後のイメージがより現実に近づきます。


・その場で即決しない


「これが一番無難そう」「前と同じ感じだから大丈夫だろう」と、その場で即決してしまうのも、よくある失敗の原因です。少し時間を置いたり、家族の意見を聞いたりするだけでも、見え方は変わってきます。

また、「白っぽい」「落ち着いている」といった曖昧な表現ではなく、「少し黄みがある白」「影が出にくい白」など、言葉にして考えると判断しやすくなります。


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■ 襖紙の実物を見られるなら、それが一番安心


・実物確認ができるメリット


可能であれば、実際に貼る襖紙そのものを見て確認するのが、やはり一番安心です。実物を見ることで、紙の質感や厚み、ハリ感といった、見本帖では分かりにくい部分まで確認できます。

糸入り襖紙であれば、糸の見え方や立体感も実際に目で確認できるため、貼り上がりのイメージがしやすくなります。

完成後の姿を具体的に想像できるかどうかは、満足度に直結します。「思っていたのと違う」というズレを防ぐ意味でも、実物確認は非常に効果的です。


・前田畳店では襖紙の実物確認が可能


前田畳店では、別店舗として「和紙屋」を営業しており、在庫に限りはありますが襖紙の実物をご覧いただけます。新鳥の子の襖紙「しずか」、糸入り襖紙「宝泉」を中心に取り扱っています。

実物を見た上で選べるという点は、初めて襖を張り替える方にとっても、大きな安心材料になると思います。



■ 有料パートについて

・この先で書く内容について
ここから先は、noteの有料パートになります。襖紙の下代や粗利の考え方、なぜ糸入り襖紙が職人に選ばれやすいのかなど、同業者からはあまり好まれない内容も含まれます。

これから襖張り替えを考えている方はもちろん、価格の理由をきちんと理解した上で依頼したい方に向けた内容です。


【ここから先は有料パート】↓

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