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天袋の襖は壁紙でここまで簡単に貼れる 最低限の道具で仕上げる方法と糊の考え方

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天袋の襖って、気になり始めると古さが目につくのに、普段はあまり見ない場所でもありますよね。


だからこそ、ちゃんと直したい気持ちはあるけれど、そこに大がかりな手間や道具をかけるのも少し違う。そんなふうに感じる方は多いと思います。



今回の記事では、天袋の襖を壁紙でできるだけ簡単に整える方法をまとめます。

使うのは、最低限の道具だけです。

刷毛も地ベラも使わない前提で進めるので、完璧な職人仕事というより、なるべくラクに、なるべく見た目よく仕上げたい方向けの内容です。


動画でお伝えした流れを土台にしつつ、記事では手順や考え方がわかりやすいように整理しました。


ただし、このやり方はすべての襖に向いているわけではありません。本襖ではなく、枠を外さない戸襖の天袋向けですし、長持ち最優先の施工でもありません。


半分はがれても困らないとは言わないまでも、最短で形にしたい、最低限の道具で整えたい、という人に向いた方法です。

その点を踏まえたうえで読んでいただければ、かなり役立つはずです。




【執筆者】前田畳店 代表 前田昌俊
・岩手県盛岡市で60年以上続き地元の皆様に愛され続けている 前田畳店の二代目店主
・畳、襖、障子、壁紙、網戸の張り替えと襖紙販売店『和紙屋』代表
・現在登録者10000人の襖系Youtuber
・畳技能士資格、畳職人指導員資格と壁装技能資格を保有
・『お客様への真心』が仕事の原点。これからもその信念を大切に貫く53歳





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■この方法はどんな人に向いているか


天袋の襖を張り替えたいと思っても、下の襖ほど目線がいく場所ではないので、そこまで大げさにやりたくないと感じることがあります。


天袋の襖は主に押入の上にある小さいやつです


そんな時に向いているのが、今回のような簡易的な貼り方です。

向いているのは、まず最低限の道具で済ませたい人です。専用の道具をいくつもそろえるのではなく、家にあるものやすぐ買えるものだけで進めたい人には相性がいいです。


さらに、短時間で終わらせたい人にも向いています。きっちりした施工ではなくても、古びた印象を和らげたい、見た目を少し整えたいという目的なら、十分実用的です。


逆に向いていないのは、仕上がりを完璧にしたい人です。


天袋とはいえ、細部まで職人仕事のように美しくしたいのであれば、もっと丁寧な工程が必要になります。


また、本襖に同じ感覚でやるのもおすすめしません。今回の方法は、枠を外さない戸襖の天袋だからこそ成立しやすいやり方だと思ってください。




■なぜ天袋の襖は壁紙のほうが簡単なのか

今回のやり方では、襖紙ではなく壁紙を使います。ここが大きなポイントです。

天袋は、古い紙の段差や下地の荒れが残っていることが少なくありません。


こういう場所に襖紙をそのまま貼ると、どうしても下地の凸凹を拾いやすくなります。せっかく貼り替えても、思ったほどきれいに見えないことがあるわけです。


その点、壁紙は素材によっては下地の粗をうまくごまかしてくれます。特におすすめしやすいのが、漆喰調のような少し表情のある壁紙です。


つるっとした薄い壁紙だと逆に下地を拾いやすいのですが、凹凸感のあるタイプなら目立ちにくくなります。

しかも、柄によっては上下を逆にしても違和感が出にくいので、天袋のような場所にはとても使いやすいです。


見た目を整えることを優先するなら、襖紙にこだわるより、壁紙のほうが現実的な場面はかなりあります。




■最低限そろえる道具



今回使う道具は多くありません。小さいカッター、のり、鉛筆、定規、濡れたタオル、そして壁紙です。

これに加えて、作業台代わりになる板や、切ってもいい雑誌などを下に敷ければ十分です。

本来なら、刷毛や地ベラがあるともっとやりやすくなります。ただ、今回はそこまでそろえなくても進められる方法として考えています。つまり、手軽さを優先したやり方です。


カッターはできれば切れ味のいいものを使いたいです。

ハサミでも不可能ではありませんが、どうしても切り口がギザギザになりやすいので、見た目を考えるとカッターのほうが無難です。定規も長いほうが便利ですが、最低でも30cm程度あると進めやすいです。


濡れたタオルは地味に重要です。のりが表に出た時の拭き取りにも使えますし、最後に端をなじませる時にも役立ちます。

簡単施工とはいえ、こういう小さな準備で仕上がりの印象は変わってきます。



■最初に壁紙を切る時の考え方


この方法では、先に襖の大きさに合わせて壁紙をカットします。貼ってから全部を切り合わせるのではなく、おおまかに形を作っておくやり方です。

やり方としては、壁紙の裏面を上にして襖に重ね、爪で位置の跡をつけていきます。これが意外と使える方法です。


しっかり押さえながら爪で跡をつけ、その場所に鉛筆で印を入れていきます。

端と端、真ん中、さらにその間というように3か所から5か所くらい印を取ると、線が狂いにくくなります。

最初のカットは、まずぴったりを意識してもかまいません。ただ、次のカットでは少しだけ余裕を持たせるのがコツです。


2mmから3mmくらい大きめに切っておくと、実際に載せた時にちょうどよく収まりやすくなります。最初からきっちり攻めすぎると、どこかが足りなくなって困ることがあります。


もう1つ大事なのは、カッターの刃を途中で何度も離さないことです。


一度入れたら、そのままずらしながら切ったほうが切り口はきれいに出ます。細かいことのようですが、こういうところが簡単施工でも見た目を左右します。



■のり付けはざっくりでもいいが、端は気を抜かない


動画では今回、100円ショップの障子糊を使っています


壁紙の裏にのりをつける時は、最初から神経質になりすぎなくても大丈夫です。全体に適度に広げれば十分ですし、今回は手で広げるやり方でも進められます。

ただし、端だけは別です。端はどうしてもはがれやすいので、少し意識してのりを入れておいたほうが安心です。


真ん中ばかりしっかり塗って、端が薄いと、見た目以上に後で浮いてきやすくなります。


壁紙の良いところは、表面に少しのりがついても、拭けばわりと取れる点です。

襖紙だとそうはいかない場面も多いので、この気楽さはかなり助かります。簡単施工に壁紙が向いている理由は、こういう扱いやすさにもあります。



■実際に貼る時のコツ

貼る時は、折り目をつけないように気をつけながら、位置を合わせてそっと載せていきます。

いきなり全部を押さえつけるより、片側を合わせてから少しずつなじませていくほうが失敗しにくいです。


そして貼った後は、濡れたタオルで端を軽く押さえるようにしてなじませます。爪で軽く押さえていくのも効果的です。専用道具がなくても、このひと手間で端の収まりがかなり良く見えます。


ここで覚えておきたいのは、簡単施工でも端の処理が仕上がりを左右するということです。

遠目にはきれいでも、端が浮いていると一気に雑に見えてしまいます。逆に、端さえ整っていれば、天袋なら十分見られる仕上がりになります。




■本当はやったほうがいいひと手間

今回は簡単にやる前提ですが、本来であればオープンタイムは取ったほうがいいです。

のりをつけてすぐ貼るより、少し休ませたほうがなじみ方が安定します。袋に入れて乾かないようにしておくだけでも違いが出ます。


ゴミ袋などに入れてオープンタイムをとりましょう


さらに、捨て糊もやはり効果があります。周囲に少しだけ追加でのりを入れておくと、端の持ちが変わってきます。

特に引き手まわりははがれやすいので、ここも少し意識しておくと安心です。


簡単に済ませたいからこそ、全部を丁寧にやるのではなく、効く場所だけ押さえる。この考え方が大切です。

時間をかけるなら全面的に丁寧にやればいいのですが、今回はそうではありません。だからこそ、要所だけはきっちり押さえておきたいところです。



■引き手まわりは焦らず切る


引き手まわりは、今回の作業でいちばん緊張しやすい部分かもしれません。ここはバッテンを入れてから処理すると進めやすいです。

十字や対角線で切り込みを入れ、爪で型を取りながら少しずつ切っていきます。


もし引き手に傷をつけたくない場合は、先にマスキングテープで保護しておくと安心です。


カッターは紙側ではなく、引き手側に意識を向けて当てたほうが失敗しにくいです。紙側に無理に刃を入れると、周囲が浮きやすくなります。


完璧を目指して一気に切ろうとすると失敗しやすいので、ここはゆっくりで大丈夫です。天袋全体の印象は、この引き手まわりが意外と左右します。




■簡単施工だからこそ知っておきたい限界

この方法は便利ですが、万能ではありません。乾くまでに時間がかかることもありますし、下地が悪ければ、どうしてもきれいに見えないこともあります。

貼った直後に少し気になっても、乾いて落ち着く場合もあるので、少し様子を見るのも大切です。


それでもどうしてもダメなら、1回全部はがして下地を出し、ベニヤ面を整えてからやり直したほうが早いこともあります。

簡単に済ませる方法が合う場合もあれば、最初から下地を触ったほうが結果的に楽な場合もあります。


つまり、今回の方法はあくまで天袋のような場所で、できるだけ簡単に整えたい時に生きるやり方です。そこを理解して使えば、とても実用的です。



糊の話になると、この世界はなかなか一筋縄ではいかないものであります。


表具屋さんの中には、独自に熟成させた秘密の古糊を使っているところもありますし、一般的に襖屋さんなども、糊の配合をそう簡単には教えてくれないものです。


やはり仕上がりを左右する大事な部分なので、そこはそれぞれの職人が長年の経験の中で積み上げてきたものがあるのだなと思います。


今回は100円ショップの糊を紹介しましたが、私も動画では毎度、
ルーアマイルドを紹介しております。


これは襖にも、障子にも、壁紙にも使えて、とても優秀でありますし、しかも手に入りやすい。


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使いやすさの面でも非常に優れているので、まず最初に知っておく糊としては本当に便利です。


動画で紹介するには、こういう誰でも扱いやすいもののほうが親切だなと思っております。


ただ、もちろん現場ではルーアマイルドだけで全部を済ませているわけではありません。私どもも実際には、別の糊を使うこともありますし、場合によっては独自の配合で使うこともあります。


紙の種類、下地の状態、その時の気温や湿度、どのくらいの初期接着をほしいか。そのあたりで使い分けることは普通にあります。


今回は、その中の1つとして、私自身も使っている考え方を少しだけ書いてみたいと思います。


ここから先は、動画ではあまり踏み込まなかった糊の話を、少しだけ実務寄りに書いていきます。


また、noteマガジンもやっております。月3から4話を目安に有料記事を公開しており、マガジンを購読していただくと、それらをすべて読めるので単体で読むよりお得です。

襖や障子、壁紙、糊の話など、動画ではあまり触れない実務寄りの内容も少しずつ書いておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。


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