【プロ直伝】そのシワ、乾きません!襖の「ダメな浮き」の見分け方と、重ね貼りの落とし穴(有料パートで直し方を解説)
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こんにちは。YouTubeなどでお世話になっております、前田畳店の前田です。
さて、戸襖の張り替えをDIY直後の画像、

上の画像1枚目のようなシワを見て「あれ、これって失敗?」と不安になったことはありませんか?
実は、張り替え直後に紙が波打って見えるこのシワは、ほとんどの場合
「張りジワ」と呼ばれる正常な現象です。
襖紙に塗った糊(のり)の水分で紙が一時的に伸びているだけで、糊が乾くにつれて紙が縮み、ピンと張っていきます。
夏の湿気が多い時期や、紙の種類によっては乾くのに1〜2日かかることもありますが、基本的には待っていれば綺麗になります。
しかし、です。
世の中には「乾いても消えないシワ」…いや、正確には
「シワではなく、ダメな浮き」が存在します。
それが、2枚目の画像であり、3枚目の画像の矢印や赤丸で示した端の部分です。


一見すると他のシワと同じように見えますが、これは乾燥しても絶対にピンと張りません。それどころか、下地から完全に剥離してしまっている
「浮き」なのです。
なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?
そして、もしこうなってしまったら、どうすればいいのでしょうか?
この記事では、まず無料パートで、この「ダメな浮き」が発生する最大の原因である「重ね貼り」の落とし穴と、それを防ぐためのプロのチェック術を徹底的に解説します。
そして有料パートでは、万が一浮いてしまった場合の具体的な補修テクニックと、プロが現場で下す「作業ストップ」の判断基準について詳しくお話しします。
DIYで襖張り替えに挑戦する方、あるいはリフォームを検討している方も、この知識は必ず役に立つはずです。
▼関連動画
【無料パート】目次
■ 襖張り替え直後の「乾くシワ」と「乾かない浮き」の決定的違い
・なぜ張り替え直後はシワだらけになるのか?
・画像で比較!これが「乾かない浮き」のサイン
・「ダメな浮き」を放置するとどうなる?
■ 重ね貼りの落とし穴と「浮き」の発生メカニズム
・なぜ「浮き」は起こるのか?最大の原因は「重ね貼り」
・古い紙が「浮き」を引き起こす理由
・特に注意が必要な戸襖(とぶすま)の状態
■ 失敗を防ぐ!重ね貼りをする前の「下地補修」プロのチェック術
・【最重要】縁周りの入念なチェック方法
・少しでも「剥がれそう」と感じたらどうするか?
・剥がした後の正しいスタートライン「茶チリ貼り」とは
■ 前田畳店の失敗談と、本襖の穴とは違う戸襖の難しさ
・私も経験した「まさか」の浮き
・戸襖の「浮き」と「本襖の穴」の違い
■ 襖張り替え直後の「乾くシワ」と「乾かない浮き」の決定的違い
・なぜ張り替え直後はシワだらけになるのか?
襖の張り替えは、襖紙に刷毛(はけ)で糊を均一に塗り、それを下地に貼り付ける作業です。紙は水分を含むと膨張し、伸びる性質があります。特に襖紙は、この「伸び」と「乾いた時の縮み」を計算して作られています。
張り付けた直後は、糊の水分によって紙が最大限に伸びている状態。そのため、全体が波打ったようにシワだらけに見えます。
これは「水ブクレ」や「張りジワ」と呼ばれるもので、施工が正しく行われていれば、糊が乾燥する過程(通常は半日〜2日)で紙が均一に縮んでいき、最終的には太鼓のようにピンと張った美しい仕上がりになります。
ですから、張り替え直後にシワがあっても、焦って触ったり、ドライヤーを当てたりしないでください。均一に乾くのを待つのが基本です。

・画像で比較!これが「乾かない浮き」のサイン
では、「乾くシワ」と「乾かない浮き」はどこで見分ければよいのでしょうか。
もう一度、3枚目の画像(赤丸の部分)を見てください。

「乾くシワ(張りジワ)」は、紙が水分で伸びて波打っている状態です。指で軽く押してみると、フワフワとはしていますが、下地との間に「空間」があるというよりは、紙自体が「たるんでいる」感覚です。
一方、「乾かない浮き(ダメな浮き)」は、赤丸の部分のように、襖の縁(ふち)に近い部分で発生することが多いのが特徴です。ここは、紙の端をしっかり接着させなければならない重要な箇所です。
この「浮き」は、指で押すと「カパカパ」「フカフカ」と、明らかに下地と紙が分離している感覚があります。
紙がたるんでいるのではなく、下地ごと剥がれて空間ができてしまっている状態です。
この状態は、糊が乾いても絶対に元には戻りません。なぜなら、接着すべき下地そのものが、新しい紙の張力に負けて剥がれてしまっているからです。
・「ダメな浮き」を放置するとどうなる?
この「ダメな浮き」を放置すると、見た目が悪いだけでは済みません。
襖は日々、開け閉めされます。その振動や、部屋の湿度の変化によって、一度浮いた場所からさらに剥がれが広がっていく可能性が非常に高いです。
最初は縁の数センチだった浮きが、数ヶ月後には10センチ、20センチと広がり、最終的には襖紙がベロンと剥がれてしまうことにもなりかねません。また、浮いた部分に手や物が引っかかり、そこから破れてしまうリスクも高まります。
こうなっては、張り替えた意味がありません。
■ 重ね貼りの落とし穴と「浮き」の発生メカニズム

・なぜ「浮き」は起こるのか?最大の原因は「重ね貼り」
では、なぜこのような「ダメな浮き」が発生するのでしょうか。
その原因のほとんどは、古い襖紙を剥がさずに、その上から新しい襖紙を貼る「重ね貼り」工法にあります。
襖の張り替えには、大きく分けて2つの方法があります。
剥がし貼り(本来の工法): 古い紙をすべて剥がし、下地(場合によっては下地の骨組み)を補修してから、新しい紙を貼る方法。
重ね貼り(簡易工法): 古い紙の上から、そのまま新しい紙を貼る方法。
DIYや、安価なリフォーム業者の場合、手間とコストを削減するために「重ね貼り」を選択することがよくあります。しかし、これには大きなリスクが伴います。
・古い紙が「浮き」を引き起こす理由
「重ね貼り」で「浮き」が発生するメカニズムはこうです。
古い襖紙が、長年の使用や湿気の影響で、下地(ベニヤ板や発泡スチロールなど)からの接着が弱くなっている。(特に縁周り)
その上から、水分をたっぷり含んだ新しい糊と襖紙を貼る。
新しい襖紙が乾いて縮もうとする時、非常に強い力(張力)が発生する。
この時、下地となっている「古い紙」の接着力が、新しい紙が縮もうとする力に耐えられない。
結果、新しい紙が古い紙ごと下地から引き剥がしてしまい、「浮き」となる。
つまり、
新しい紙と糊には何の問題がなくても、その土台である古い紙が弱っていたために起こる失敗です。
これは、どれだけ丁寧に新しい紙を貼っても防ぎようがありません。土台がダメなら、その上に何を塗ってもダメ、というわけです。
・特に注意が必要な戸襖(とぶすま)の状態
今回の画像のような「戸襖(とぶすま)」(片面が襖紙、もう片面が板になっている、和室と廊下の間などに使われる襖)は、特にこの現象が起きやすいです。
戸襖は下地がベニヤ板であることが多く、縁周りの紙が湿気などで浮きやすい傾向にあります。
「ちょっとくらい浮いてても、上から貼れば押さえつけられるだろう」
この油断が、最大の失敗を招くのです。
■ 失敗を防ぐ!重ね貼りをする前の「下地補修」プロのチェック術

・【最重要】縁周りの入念なチェック方法
もし、あなたがDIYや現場で「重ね貼り」を選択せざるを得ない場合、作業を始める前に必ず以下のチェックを行ってください。これが失敗を防ぐ唯一の方法です。
チェックすべきは、「襖の四方の縁(ふち)周り、すべて」です。
チェック方法:
指先で、縁に沿って全体重をかけるように強く押していきます。「トントントン」と叩いてみるのも良いでしょう。
OKな状態: 押しても叩いても、紙が下地にしっかり密着しており、硬い感触がする。
NGな状態: 押した時に「フカフカ」「カパカパ」と音がしたり、紙が沈み込むような感触がある。
この「フカフカ」した感触が少しでもあったら、そこは下地から古い紙が浮いている証拠です。
その上から新しい紙を貼れば、ほぼ100%の確率で、乾いた時に同じ場所が「ダメな浮き」として再生されます。
・少しでも「剥がれそう」と感じたらどうするか?
もし、縁周りの一箇所でも「フカフカ」する場所を見つけたら、どうすべきか。
答えは一つです。
「思い切って、古い紙をすべて剥がす」
中途半端に浮いた部分だけボンドで補修して…といった手当は、根本的な解決になりません。一箇所が浮いているということは、目に見えない他の部分も接着が弱っている可能性が非常に高いからです。
「手間がかかる…」「剥がすのが面倒…」
その気持ちは痛いほどわかります。しかし、ここで横着(おうちゃく)をすると、張り替えた後で必ず後悔します。結局、すべてやり直すことになり、倍以上の手間と材料費がかかることになるのです。
・剥がした後の正しいスタートライン「茶チリ貼り」とは
古い紙をすべて剥がしたら、下地のベニヤ板が剥き出しになります。
ここにいきなり新しい襖紙を貼ってはいけません。
新しい襖紙が綺麗に仕上がるようにするため、「茶チリ(ちゃちり)」や「下貼り紙」と呼ばれる専用の紙を一層貼ります。
この「下地処理」をしっかり行ってから、ようやく新しい襖紙を貼る。
これが、本来の正しい張り替えのスタートラインです。
茶チリはネットで購入できますし、貼り方は私の動画をぜひご参考ください。
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■ 前田畳店の失敗談と、本襖の穴とは違う戸襖の難しさ
・私も経験した「まさか」の浮き
偉そうに解説していますが、何を隠そう、私も職人になってまだ日が浅い頃、この「重ね貼り」で手痛い失敗をした経験があります。
あれは、あるアパートの退去後の現状回復工事でした。工期が短く、何十枚もの襖を急いで張り替える必要がありました。
「全部剥がしていたら間に合わない」
そう判断した私は、数枚の戸襖を「重ね貼り」で進めることにしました。
一応、縁周りのチェックはしました。一箇所、ほんの少しだけ「フカフカ」する箇所がありましたが、「まあ、この程度なら糊で押さえつけられるだろう」と、甘い判断をしてしまったのです。
結果は、ご想像の通りです。
翌日、現場を確認しに行くと、見事にその「フカフカ」していた箇所が、新しい紙ごと浮き上がっていました。まさに今回の画像3枚目(赤丸)と同じ状態です。
結局、その襖は持ち帰り、すべて剥がして下地からやり直し。
お客様(管理会社)からの信頼を失いかけましたし、何より自分の時間も手間も無駄にしてしまいました。
「急がば回れ」。あの時の「大丈夫だろう」という油断が、職人として一番やってはいけないことだったと、今でも猛省しています。
・戸襖の「浮き」と「本襖の穴」の違い
ここで、襖のトラブルとしてよくある「本襖の穴」と、今回の「戸襖の浮き」の違いについて触れておきます。
(※本襖=昔ながらの、木の骨組み(組子)に紙を何層にも貼って仕上げる襖)
「本襖の穴」というのは、物がぶつかるなどして、表面の紙が破れ、中の骨組みが見えてしまう状態です。
これは、
穴が開いた部分に「厚めの紙」を貼り、その上から「下貼り紙、茶チリ紙」を貼るという、「下地補修」の手順が明確に決まっています。部分的な補修で対応できることが多いのです。
しかし、今回の戸襖の「重ね貼りの浮き」は、まったく性質が異なります。
これは「部分的な穴」ではなく、「下地(古い紙)全体の接着不良」が原因です。
そのため、小手先の補修では解決せず、最悪の場合「全剥がし」という根本的な判断が求められます。
どちらも「襖張り替え」におけるトラブルですが、原因と対処法がまったく違うのです。
ここまでのパートでは、「ダメな浮き」の原因と、それを未然に防ぐための「予防策」について徹底的に解説しました。
しかし、
もしあなたがこの「予防策」を知らずに、すでに「重ね貼り」をしてしまい、画像のような「ダメな浮き」が実際に発生してしまったら…?
もう諦めて全部剥がすしかないのでしょうか?
いいえ、
軽度の「浮き」であれば、まだリカバリーできる可能性があります。
ここから先の有料パートでは、前田畳店が現場で実際に行う「緊急補修テクニック」を、道具から手順まで、包み隠さずご紹介します。
さらに、プロが「この現場は補修で続行する」か、「ここで全剥がしに切り替える」か、その「最善の判断基準」についても踏み込んで解説します。
【有料パート】目次
■ 緊急対処!発生した「浮き」を最小限に抑える補修テクニック
・補修に必要な「ある道具」とは?
・【秘伝】浮きを完璧に補修する「プロの3ステップ」を全公開
■ 襖張り替えのプロ判断!補修後の仕上げと「全剥がし」の分岐点
・(補足)万が一、紙の表面を汚してしまった時のリカバリー法
・補修を完璧に仕上げる「最後の一手間」
・【超重要】クレームを防ぐ「全剥がし」の現場判断基準
・【プロ直伝】そのシワ、乾きません!……(記事タイトル)の総括
・(この記事の要点15個のチェックリスト)
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