― 寄り道の時間 ―こたつ守り
今日はひと息。
私とチャッピーの、ちいさな共作です。
これからも、物語の合間にそっと置いていくかもしれません。
怖い話のはずなのに、
なぜかぬくぬくしてしまう夜のお話です。
こたつ守り
冬の夜、古びた家の居間に置かれたこたつには、奇妙な噂があった。
「こたつに首だけ出してるやつがいたら、絶対に近づくな。そいつは“こたつ守り”だ。」
村の伝承によると、こたつ守りは人間ではなく、寒さを嫌いすぎてこたつと一体化した存在だという。
家族が知らぬ間にその家のこたつに潜り込み、抜け出せなくなった者たちのなれの果てだとか。
ある夜、大学生の夏美が久しぶりに帰省したとき、奇妙な体験をすることになる。
深夜、家族が寝静まった後、こたつに入って一人テレビを見ていると、何かが中で動いた気がした。
「ん…?」
そっとこたつ布団をめくると、そこには毛布に包まれた「誰かの足」があった。
恐怖で声を上げそうになるが、抑えた。
次の瞬間、こたつの中から顔だけがスッと浮かび上がり、夏美を見つめた。
「ここは俺の場所だ…」
その顔は青白く、目はぎょろりと光っている。
「こたつ守り」だ!
夏美は悲鳴をあげ、慌てて後ろに飛びのいた。
しかしその瞬間、守りは低い声で言った。
「……お前、足冷えてるだろ?中に戻ってこいよ、ちょうどいい温度にしてあるからさ。」
夏美はポカンとした。
あまりの唐突な提案に恐怖心が吹き飛び、
「いや、こっちは今パニックなんだけど!」
とツッコミを入れた。
だがこたつ守りはしれっとしている。
「冷えは体に悪いぞ?それに、お前が逃げても次のやつが入るだけだ。どうせなら仲良くしようぜ。」
意外にフレンドリーなこたつ守りに、夏美はため息をついた。
結局、彼女は再びこたつに入り直した。
こたつ守りは満足げに笑い、
「やっぱり、あったけぇよな!」
と自分の首をぽんと叩いた。
それ以来、夏美の家では「こたつ守り」が家族の一員のように扱われるようになり、彼は冬の間、家族みんなを適温で守り続けるようになったという。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
物語の合間の、小さな寄り道でした。
ときどき、こんな時間も重ねていけたら嬉しいです。
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あなたの今日が、やさしく整う一日でありますように🌸
