2025年 10月28日 火曜日 徒然日記 真っ白…

真っ白


(三浦しをん 「風が強く吹いている」)




走ること…

速くではなく、強く走ること…

心臓の音が聴こえる…

まだ大丈夫だと言っている…

足のきしむ音を聴く…

もう少し頑張れると…

身体の細胞が、すべての細胞が、脳までもが…

真っ白くなる…

頭の中はからっぽになる…

血流もどこかへ行ってしまう…

もう一人の自分が、俯瞰的に見ている…

走る自分を見ている…

身体は置き去りにされる…

吹きすさぶ雨風も心地よい…

強く走る姿は美しい…

見ている者も置き去りにされる…

自分にはああいう走りはできないと…

生まれ持った才能という言葉が陳腐に聞こえる…

走るのってこんなに楽しかったっけ…

そんな単純なことも忘れてしまう…

風になる…

吹きすさぶ風になる…

なにもいらない…

走るための腕があれば…

走るための脚があれば…

思考なんて邪魔なだけだ…

敵は自分…

こえるべきは自分…

置き去りにされるのは自分…

心さえここにあらず…

風に乱されず…

風と共に…

雨は強く降っている…

自分を抑えられない…

飛び出したい自分を…

走るってなんだろう…

もう一度問う…

強く走るってなんだろう…

乱れない呼吸が伝えてくれる…

もつれない足取りが教えてくれる…

強くあることは美しいと、伝えてくれる…

速くではなく強く…

もっと強く走れたなら…


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