見出し画像

Magic Keyboardにはなぜカーソルキーがあるのか

カーソルキーがあることが当たり前だった頃

 iPadまたはiPhoneには当たり前のようにカーソルキーがなかった。この傾向は,Macで使っていたApple keyboardの昔からあった。つまり,Appleはカーソルキーの扱いが雑だった。それには理由があって,Macはキーボードはオプション品(有償)であったのに対して,マウスは付属品だった。マウスがあればカーソルキーがなくても困らなくなってしまった。

 カーソルは縦横のピクセルを渡って移動するが,マウスポインタ(画面上の矢印)はその最短距離(つまり斜めにも)移動できる。さらに画面をタッチして操作するiPadまたはiPhoneにどう受け継がれたかというと,カーソルキーは使わないということになったようだ。

 ところがMagic Keyboardには,ちゃっかりカーソルキーが用意されている。最初に思ったのは,これってMacへの回帰なのだろうか。

 思えば,私の10年以上におよぶiPadの歴史は,このカーソルキーに振り回されていたといえそう。とにかく,iPadで使ったさまざまなキーボードでは,カーソルキーが曲者だった。それがしれっとMagic Keyboardには装備されている。そうかぁ。iPad Proも登場して、今年は10年目になろうとしている。10年といえばひと昔。そんな今日この頃。

iPadとハードウェアキーボード雑感 という記事を以前書きました。これはその後の話ということになります。

 長らくロジクールのMX Keys Mini の #JIS配列キーボード を使ってますが,発売された2022年当初はiPadOSが #JIS配列 を認識しなかったので,せっかくMX Keys Mini の感じの良いタッチを楽しみながらも,キートップと違う文字がタイプされるという不完全さに少し悶々としながら使っていました。
 この悶々とした気分が,その後はどうなったかというと,MX Keys Mini を使い続けていくにつれて解消されたというか,すぐに慣れてしまいました。まあ,カギカッコとか@の位置とか,JIS配列と違って戸惑うところは何かとありますが,元々キーボードはブラインドタッチあっての道具ですから,ホームポジションさえ身につければ何とかなるもの,慣れるものでした。

 こんな手合いが今の時代どのくらいいるか,またはiPadを使っているのか,という疑問はありますが,これって昭和の昔にMacintosh IIやSE/30で,JIS配列のApple KeyboardをMacintoshに繋げて適当に使っていた私のような古参には日常の話でした。いえ。私がズボラなだけだったのかもしれません。

 ただし,iPadを使って十年選手な人たちは,この十年はただiPadに慣れて来たというのでなく,新しい道具の誕生を実体験して来た,と昨今はそれなりに思うようになっていて,仲間なような気もしています(でも,身近にはいない💦)。

 ありがたいことにAppleもがんばってくれて,iPadが売れなかったり陳腐化することなく,今日まで続いているというのは,最初にiPadを見たときに思ったこと感じたことが今は具現化しているのではないか。その現実になった理想と,あのときに思った理想の間にこそ,今の時代があるのでは,などと最近思ったりしています。

新型M4 iPad Proとスニーカーの頃

 昨年(2024年)は新型iPad Proの年だったので,iPad2台持ち主義の私としては,小さい方の11インチが,初代iPad Pro(第3世代)だったので,ここぞと思って買い換えました。できれば,2023年中にでも買い替えたかったのですが,なんと2023年は新しいiPad Proが1台も発表されないという稀有な年だったのです。

 それはApple社の気まぐれないのか,手書き入力が一向に進展しないから新ハードウェアを出しても仕方ないと思ったのか(そんなことはない💦,出せば売れる宇宙怪人みたいな企業ですから),それこそ神のみぞ知る,というところですが,何かこの辺の意思決定のなさがApple Intelligence の遅れにもつながっているような気がする昨今です。

 でも,AIを開発している企業とApple社ではやっていることが違う気がするので,仕方のないことかもしれません。ただ,故ジョブズ御大が存命していたら,また違う展開もあったかもしれない,と思いますが,それこそないものねだりということですし,けっこう人工知能とは一番遠いところに居た人かもしれませんし。

 そんなこんなで,わが家には早々にM4 iPad Proが到着しました。Airがどうとか整備品のiPad Proはどうかなんて私はあまり悩まないほうです。だって,新しいCPUを搭載した製品が出るならば,もうそれを選ばない理由はありませんか。
 たしかにWi-Fiモデルとセルラーモデルの価格差があまりに大きかったので,今回はWi-Fi版にしたという算盤勘定くらいはしましたが。

ハードウェアキーボードのラブストーリーは突然に

 転機は突然にやって来ました。昨年わが家の MX Keys Miniがだいぶ傷んできたのに気づき,もう少し大切に使おう,外に持ち出すときのは別のキーボードにしようと思って, #メルルーサ丸岡 師匠が紹介していた #KeychronB1P -K1 というミニサイズのキーボードを購入しました。

 このキーボードは前述のキーボードと大きさ重さなどが似ているだけでなく,Bluetooth3系統を切り替えて使え(これはMX Keys Miniと同じ),それだけでなく2.4GHz帯でもう1系統使えるなど,キーアサインを変更できるなど至れり尽くせりな製品です。
 Bluetooth3系統を切り替えは,「fn」キーとのコンビネーションなので,少し操作がややこしかったりします。おまけに最初にBluetoothのペアリングをするときは、その「fn」キーとのコンビネーションを4秒押し続けろとか。多機能が響くオタク心ももありますが,やはり押すのはワンタッチで済むMX Keys Miniは優雅だなぁと気づくのはまた後の話でした。

JIS配列MX Keys MiniとKeychron B1P-K1のブルース

 単キーの MX Keys Miniは便利ですが,Keychron B1P-K1の2.4GHz帯接続は,切り替えスイッチ1つで,「fn」キーとのコンビネーションはなしなので便利です。M4 iPad Proに続いて,我が家に新しく加わったM4 Mac mini をいっしょに並べて使うときも,「fn」キーとのコンビネーションがややこしいので,一台のKeychron B1P-K1をBluetoothと2.4GHz帯を切り替えて使うという体たらくです。
 このMac miniは,今のところiPad Proのサブ機扱いなので,ディスプレイが大型液晶テレビになったり,iPad Proになったりするのですが,デスクトップが表示される前にパスワードを打ち込むときは,Bluetoothを切り替えをしなくても済む選択なしの2.4GHz帯は超便利です。

 また,MacとWindowsの切り替えスイッチもあるので(その実態はAppleのコマンドキーとMicrosoftのWindowsキーの切り替え),両方のパソコンの間でも利用できるということであり,まあ,2024年は新型iPad Proの年であると同時に,私にとって鬼門であったSurfaceProの年でもあったとだけいっておきましょう。実際の話,SurfaceProはキーボードが付属しているので,あまり切り替えてまで使うということはありませんが,Wordなどの改行コードが変わるのを何とかできた気もします。

Apple Pencil Proが齎したわが家の構造改革

 さて。話をハードウェアキーボードに戻すと,話はさらにM4 iPad Proにまで戻ります。
 M4 iPad Proは新型ゆえに, #MagicKeyboard もApple PencilもM4 iPad Pro用でないと使えないということが判明しました。いろいろ考えると,こいつはiPad2台持ち主義のわが家において,普通のiPadやM1 iPad Proらのヒエラルキーをぶち壊すような存在でした。まるで初代Apple Pencilのように,他機種で使えないApple Pencil Proでないといけないとか,今までの11インチで使っていたキーボードケースが使えないとか。

 新しい酒は新しい皮袋に盛れ,という諺もあるので,一概にM4 iPad Proの互換性のなさを否定ばかりもできません。

 実際に,これまでアンチMagic Keyboardの急先鋒であった私でしたが(重さの点です💦),今までのアクセサリが使えないならもう試すまでもないと,速攻で新しいMagic Keyboard(案外と軽かった‼️)とApple Pencil Pro(高くて多機能だがつ私の用途にはどんなものか😅)を調達しました。

 さすが数年ぶりのiPad Proだとは思い,私の財布の紐も緩んでいたのだと思います。

Magic Keyboardは砂に書いたラブレター

 結果的に,このM4 iPad Proアクセサリ新調作戦は功を奏し,新製品に慣れるまでの当面の間は,キーボードも手書きもできるようになり,日々の業務に投入され,新型でも仕事が滞ることがなかったのです(まあ,それでもようやく最近慣れて来た気がします。扱いがぞんざいになってからが本調子)。

 ところが,Magic Keyboardでも何となく感じていたタイピングのいただけなさが,Keychron B1P-K1でも現れました。つまり,これまでのPCの画面では,テキストならば入力や変換されるのはカーソル位置の文字などであり,グラフィックなら選択された画像や図形になります。

 でも,iPadのようなタッチデバイスでは,カーソル位置を知らせないと,入力した文字や画像・図形などをデバイスに渡すことがすこぶる難しかったのです。タッチデバイスはいわば,これまでのPCなどでは前例のない新しいデバイスだったので,タッチ以外のキー操作などの機能は,その時々のiPadの新機能として追加されていきました。

 タッチデバイスの登場と共に出てきた新しい使い方に伴う機能は,使い方がまだ決まっていないこともあって仕様がかなり曖昧でした。それがもっとも顕著になるのが,英語環境にはない日本語の入力・変換の部分であり,変換候補の選択や文節区切りだったりしました。たぶん,この本格的な使い方が定まってきたのは、純正品のMagic Keyboardという製品が世に出てきてからだと思います。

カーソルキー傷心の日々を癒したのは生成AI

 最初にタッチ以外のキー操作の機能が決められたのが,初めてハードウェアキーボードに対応したiPad Proが登場した2015年で,もう10年も前になります。そのときはまだ OSの名前も「iPadOS」ではなく,iOS 9だったときでした。その後カーソルキーの機能はしばらくは改良されませんでした。
 私もiPad ProからはApple Pencilや手書きに興味が集中していたせいか,カーソルキーが改良されていた 新しいM4 iPad Proのカーソルキーをうまく使いこなせずにいました。いっそ,MX Keys Miniを持ち歩きたいと思ったりもして,キーボードケースにもなっていたMagic Keyboardを外して #PIKATA の超軽量ケースに切り替えたりしました。

 結局M4 iPad Proの何が問題だったのか。
 これまでのiOSでは,ひと言でいうならExcelのセル内の文字入力時に改行するにはどうするか。Googleスプレッドシートではどうするかなどと同じで,何のことはない,カーソルキーのルールが決まってなかったのです。
 それを,有難山の寒がらすってところで,最近のiOSでルールが決まったことを知らなかった,私のような古参ユーザーは,iOS 9の頃の知識のままのカーソルキーを使ったので,思い通りにいかなかったのです。


キーコンビネーション世界はそれを愛と呼ぶんだぜ

 具体的には,optionキーやshiftキーと組み合わせて使うというキーコンビネーションについて勉強不足だったのでした。まあ,それくらい日本語入力の変換や確定ってめんどくさいらしいです。この辺のルールが決まったのが,iPad・iPad Proでマウスやトラックパッドが使えるようになったiOS 13.4のようです。
 リリースは2020年3月だから,Magic Keyboardの登場と時を同じくしていて,私の情報が更新されていなかったのは,私がアンチMagic Keyboardだったこととも無関係とはいえません。おまけに手書きの方に関心がいっていました。先入観とは怖いですね。勉強不足もですが。
 カーソルキーが曲者だったとは。思えば,私の10年以上におよぶiPadの歴史は,このカーソルキーに振り回されていたといえそうです。

ハードウェアキーボード「テキスト選択のショートカット」
ハードウェアキーボード「テキスト入力と文節調整のショートカット」
iPadOS「テキスト入力と変換に関するショートカット」
iPadOS「文字確定・変換候補の選択のショートカット」

 何か複雑で,せっかくのiPad・iPad Proなのに使うのがめんどくさそうですね💦 でも2023年以降,そんなに勉強する必要はないかもしれません。私も今回の新しいiPadのキーコンビネーションについては,Apple製品のヘルプではなく,人工知能に質問しました。そのほうが手っ取り早かったし,わかりやすいです。一方,もうヘルプは,のらりくらりの名人級です。

 でも,これが皆がiPad・iPad ProをMacみたいに使いたいと思った10年間がもたらした結果ともいえます。

 そうなると,例のApple  Intelligenceも実は私たち利用者のためだけでなく,Apple社自身が必要としていることがわかりますし,それをメーカーとして整備しなければならないのが急務なのがわかります。
 まさか自社のヘルプに代わるAIを,他社任せにはできないということですね。当然,ヘルプ要員の人減らしにもなります😅

(いつか,十年後のiPad・iPad Pro[2 ]へ続きます、たぶん。)

いいなと思ったら応援しよう!