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”過去を引きずる人、未来を切り開く人” 第1章ー1 人生は一本の線でつながっている

”過去を引きずる人、未来を切り開く人” 第1章ー1
第1章−1 すべての経験は現在につながっている

人生を振り返ると「あの経験は無駄だった」
と思いたくなる出来事がある。
失敗した仕事。
思うようにいかなかった受験。
うまくいかなかった恋愛。
人間関係で傷ついた日々。
できることなら、その時間だけを人生から
消してしまいたいと思うこともあるだろう。

しかし、本当に無駄な経験というものは
あるのだろうか。
私は、そうは思わない。
今の自分は、これまで経験してきた
一つ一つの出来事によって形創られている。
嬉しかったことだけではない。
苦しかったことも、悔しかったことも、
思いどおりにならなかった日々も、
そのすべてが今の自分につながっている。

人生は一本の線ではなく、
無数の点がつながってできている。
一つひとつの経験は、
その時には意味が分からないことも多い。
けれど、何年も経って振り返ったとき、
「あの出来事があったから今がある」と
思えることが少なくない。

平穏無事な日々であっても、
失敗が続く日々であっても、
成功が続く日々であっても、
翌日になれば、そのすべてが過去になる。
そして私たちは、その過去を携えながら
今日を生きている。

だからこそ、過去が今を創り出し、
今が未来を創り出していくのである。
人生とは、生まれてから最期の日を
迎えるまで続く一本の道のようなものだ。
その道は、ときに真っ直ぐ伸び、
ときに遠回りをし、
ときに上り坂や下り坂を繰り返す。
だが、その道が途中で途切れることはない。
昨日まで歩いてきた道が今日へと続き、
今日歩く一歩が未来へとつながっていく。
人生とは、その積み重ねなのである。

私自身も、若い頃には思うように
いかないことを何度も経験してきた。
研究が期待どおりに進まなかった事もある。
新しい挑戦が失敗に終わった事もある。
人との意見の違いに悩んだ事もある。
信頼していた相手との出来事に
深く落胆した事もある。

その当時は、
「なぜ自分だけがこんな思いをしなければ
ならないのか」と考えたこともあった。
しかし、年月が過ぎて振り返ると、
その一つひとつが今の仕事や考え方に
確かにつながっていることに気付く。
あの時の失敗があったから、
慎重に物事を考えるようになった。
思うようにいかなかった経験があったから、
人の努力を認められるようになった。
苦労したからこそ、
小さな成功にも感謝できるようになった。

もし人生が成功だけの連続だったなら、
今の私は全く違う人間になっていただろう。
経験には成功と失敗という区別はあっても、
価値のある経験と価値のない経験という
区別はない。
その経験をどう生かすかによって、
価値が生まれるのである。

人生は後ろ向きにしか振り返ることが
できない。
しかし、その経験は必ず前を向いて
生きる力になる。
今日の自分は、
昨日までの自分が積み重ねてきた結果だ。
そして、今日という経験もまた未来の自分を
支える大切な一日になっていく。
だからこそ、どんな一日も無意味ではない。
どんな経験も、
未来へ続く一本の道の一部なのである。

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