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挨拶ができない上司は、なぜ部下に舐められるのか。武士道が教える「礼」の本質

エレベーターで会っても目を逸らす上司がいる。

朝の挨拶をこちらからしても、スマホを見たまま「うす」しか返さない上司もいる。

こういう人間に限って、部下には「もっと気を利かせろ」と言う。

不思議なことに、こういう上司ほど部下から静かに見限られている。

本人だけが気づいていない。

なぜこんなことが起きるのか?

その答えは、武士道が大切にした「礼」という考え方の中にある。

礼は誰のためのものか


礼儀作法というと、堅苦しいマナー講座を思い浮かべる人が多い。

お辞儀の角度、名刺の渡し方、席次のルール。

だが武士道でいう「礼」は、そういう表面的な作法とは少し違う。

新渡戸稲造が著した『武士道』では、礼の本質についてこう述べられている。

礼とは、相手への思いやりを目に見える形で表したものである。

つまり礼儀作法とは、相手を尊重しているという「証拠」だ。

形だけを真似しても意味がない。 心が伴わない礼は、武士道の世界でも軽蔑された。

逆に言えば、心のこもった礼儀は、言葉より雄弁に「あなたを大切に思っている」ということを伝える。

なぜ挨拶をしない上司が舐められるのか


ここで最初の問いに戻る。

挨拶をしない上司がなぜ部下に舐められるのか。

理由はシンプルだ。

挨拶をしないという行為が「お前を尊重していない」という無言のメッセージになっているからだ。

部下は敏感だ。

言葉で何を言われるかより、日々の些細な態度から「この人は自分をどう見ているか」を読み取っている。

挨拶を返さない。
目を合わせない。
名前を覚えない。

これらは全て、相手を「重要な存在ではない」と扱っていることのサインになる。

そして人間は、自分を軽んじる相手には忠誠を持たない。

これはビジネス書に書かれた新しい発見ではない。

戦国時代の武将たちも、同じことを知っていた。

上杉謙信が家臣への礼を欠かさなかった理由


上杉謙信は越後の龍と呼ばれた最強の武将だ。

その謙信が、身分の低い足軽にまで礼を尽くしたという逸話が複数残っている。

もちろんこれは謙信一代記としての伝承であり、細部まで史実として確定しているわけではない。

だが少なくとも、謙信の統率のもとで越後の家臣団が高い忠誠心を持っていたことは多くの記録から読み取れる。

強い武将ほど、部下への礼を欠かさなかった。

これは偶然ではない。

礼を尽くす人間だけが本当の意味で人を動かせる。

命令だけで人を動かすことはできる。 だがそれは、恐怖による一時的な服従にすぎない。

礼をもって接した相手は、命令されなくても自ら動く。

謙信が家臣から絶大な信頼を得ていたのは、強さだけが理由ではなかったはずだ。

「忙しいから」は言い訳にならない


「挨拶くらいで、そんな大げさな」

そう思う人もいるだろう。

正直に言えば俺も昔はそう思っていた。

だが考えてみてほしい。

挨拶にかかる時間はたった数秒だ。

その数秒すら惜しむ人間が、部下のために本当に時間を割けるだろうか。

忙しさを理由に礼を欠く人間は、忙しくなくても礼を欠く。

これは経験則だが、当たっている確率は高い。

礼儀は、時間がある時にやるものではない。
どんな状況でも欠かさないからこそ、礼儀としての価値がある。

今日からできる3つのこと


理屈はここまでにする。

具体的に何をすればいいか、3つだけ挙げる。

1つ目。先に挨拶する。

部下から挨拶されるのを待つな。 自分から声をかけろ。 それだけで「この人は自分を見てくれている」という印象が生まれる。

2つ目。名前を呼ぶ。

「おい」「あの」ではなく、名前で呼びかけろ。 名前を呼ばれることは、人間にとって「認識されている」という証明になる。

3つ目。目を見て返事をする。

スマホやパソコンを見ながらの「うん」は、相手に届かない。 一瞬でいい。手を止めて、目を見て返せ。

たった数秒の行動が、部下との信頼関係を変える。

これは精神論ではない。

礼を尽くす者だけが最終的に人の心を動かす。

武士道が何百年も前から言い続けてきたことだ。

明日の朝、まず一つ試してみてほしい。

— とろろいも将軍


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次回は「言葉」について書く。「お世話になっております」が形骸化した理由と、言葉に魂を込める武士の作法。


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とろろいも将軍 理不尽な現場で今日も戦う戦友へ。この記事が明日の火の粉を躱し、貴殿の現場を守る「武器」となったなら、共に戦う同志に一杯の酒をおごるつもりで援護射撃を頼みたい。いただいた軍資金は、次なる生存戦略を練り上げ、再び最前線へ届けるための強力な糧とする。共に生き残ろう。