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トロント近郊で巡るモンゴメリーが暮らした村リースクデール日帰り旅

赤毛のアンと聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのはプリンスエドワード島だと思います。緑の屋根、海、赤土の道。あの世界観は、カナダ旅行の中でも特別な存在です。

でも、実はオンタリオにも、作者L.M.モンゴメリーの人生を感じられる場所があります。それが、トロント北東部のUxbridge近くにあるLeaskdaleです。

リースクデールは、観光地として大きく派手に整えられた場所というより、静かな田園風景の中に、作家の暮らしの痕跡が残っている村です。モンゴメリーは結婚後、この地で牧師の妻として暮らし、母となり、そして作家として多くの作品を書き続けました。

この記事では、赤毛のアンが好きな方はもちろん、カナダ文学、オンタリオの小さな町、トロントからの日帰り旅に興味がある方に向けて、リースクデールの魅力をまとめます。


赤毛のアンはPEIだけでは終わらない

モンゴメリーが使用していたタイプライター

モンゴメリーの人生を知ると、旅の見え方が変わる

L.M.モンゴメリーというと、プリンスエドワード島の作家という印象がとても強いです。実際、彼女の代表作である赤毛のアンの世界は、PEIの風景と深く結びついています。

ただ、作家の人生をたどっていくと、オンタリオで過ごした年月もとても大切だったことがわかります。

モンゴメリーは1911年に結婚し、夫のEwan Macdonaldが牧師を務めるリースクデールへ移り住みました。そこから1926年までの約15年間、彼女はこの小さな村で暮らします。

この期間は、結婚、出産、家庭、地域との関わり、そして創作が重なった時期です。作品だけを見ると明るく想像力豊かな作家という印象が先に立ちますが、実際の人生には喜びだけでなく、悩みや責任もありました。

リースクデールを訪れる面白さは、まさにそこにあります。物語の夢の部分だけではなく、作者が日々の生活の中で書き続けた現実の場所を歩けること。文学が、急に遠い世界ではなくなる感じがします。

トロントから行ける文学の小旅行

モンゴメリーのおうち

トロントに住んでいると、週末のお出かけ先はナイアガラ、ブルーマウンテン、ナイアガラ・オン・ザ・レイクなどに集中しがちです。もちろんどこも良い場所ですが、少し落ち着いたテーマで出かけたい日もありますよね。

リースクデールは、そんな日に向いています。

大型観光地のように半日で名所を次々回るというより、静かな道を走り、古い建物を見て、作家の暮らしを想像しながら過ごす旅です。赤毛のアンが好きな方なら、PEIまで行かなくても、オンタリオでモンゴメリーの足跡に触れられるのはかなりうれしいポイントだと思います。

旅行者だけでなく、在住者にもおすすめです。特にトロント生活が少し慣れてきた頃に行くと、カナダの広さや、オンタリオの田舎の表情が見えてきます。

リースクデールで見たい場所

Leaskdale Manse National Historic Site

モンゴメリーが嫌いだったダイニング

リースクデールでまず訪れたいのが、Leaskdale Manse National Historic Siteです。

Manseは牧師館という意味で、モンゴメリーが夫と家族と暮らした家です。黄色みのあるレンガ造りの外観は、派手さはありません。でも、そこがいいんです。

この家で、彼女は家庭を切り盛りしながら執筆を続けました。公式の説明では、彼女が生涯に発表した作品のうち11冊がこの時期に書かれたとされています。数字だけで見るとさらっとしていますが、生活しながら、子育てをしながら、それでも書き続けた場所だと考えると、建物の前に立った時の感じ方が変わります。

アンの明るさ、エミリーの内面、登場人物たちの観察眼。そういうものが、机の上だけではなく、日々の暮らしの中から生まれてきたのかもしれない。そんなふうに考えながら見ると、静かな家がとても大きな意味を持って見えてきます。

Historic Leaskdale Church

モンゴメリーの旦那さんが牧師さんだった教会

近くには、Historic Leaskdale Churchもあります。

ここは、モンゴメリーの夫が牧師として関わっていた教会です。モンゴメリーは作家である前に、地域社会の中で牧師の妻として暮らしていました。今の感覚で考えると、その立場には人付き合いや期待、役割の重さもあったはずです。

赤毛のアンの世界が好きで訪れると、どうしても明るくかわいい部分を探したくなります。でも、教会や牧師館を見ていると、モンゴメリーが過ごした日々は、物語のように自由で軽やかなものばかりではなかったことも伝わってきます。

そこが、リースクデールの旅を少し大人向けにしている気がします。かわいい文学旅でありながら、女性の人生、家庭、創作、地域との関係まで考えさせてくれる場所です。

庭やブロンズ像で、少しゆっくり過ごす

庭に咲いていた花が綺麗〜✨

リースクデール周辺では、モンゴメリーゆかりの庭や像も見どころのひとつです。

等身大のアンのベンチ


写真でよく見るベンチに座るモンゴメリー像は、文学ファンにはうれしい場所だと思います。大きな美術館のように展示が多いわけではありませんが、外の空気を吸いながら、彼女が見ていたかもしれない田園の景色を想像する時間があります。

こういう場所は、急いで回るともったいないです。滞在時間としては長くなくても、写真を撮って終わりではなく、少し座って、周りの音を聞いてみる。車が通る音、風、木の葉の動き。そういう静けさが、リースクデールらしさだと思います。

赤毛のアン好きにとってのリースクデール

ステンドグラスが素敵

物語の背景ではなく、作者の生活に近づく旅

PEIが赤毛のアンの舞台を感じる旅だとしたら、リースクデールは作者の生活に近づく旅です。

アンの世界に入り込みたいなら、もちろんPEIは特別です。でも、モンゴメリーという一人の作家を知りたいなら、オンタリオのリースクデールはとても意味があります。

ここで彼女は、すでに有名作家でした。けれど同時に、家庭を持ち、地域の人たちと関わり、日記を書き、作品を書き続けた一人の女性でもありました。

赤毛のアンを子どもの頃に読んだ人が、大人になってリースクデールを訪れると、感じ方が変わるかもしれません。昔はアンの想像力や元気さに惹かれていたけれど、今は作者自身の強さや孤独、暮らしの中で書き続ける姿に目が向く。そういう再読のような旅になります。

英語学習や親子旅にも向いている

直筆のサインだよ

リースクデールは、英語学習中の方にも面白いテーマです。

赤毛のアンを日本語で読んだことがある方なら、現地で英語の説明を読む時にも、知っている名前や場所が出てきて入りやすいです。いきなり難しい歴史資料を読むより、好きな物語を入口にしたほうが、英語のハードルが下がることがあります。

親子旅にも向いています。大きなアトラクションは少ないですが、文学、歴史、昔の暮らしをゆっくり話すきっかけになります。小学生以上なら、なぜこの家が残されているのか、なぜ作家の暮らした場所が大切にされているのかを一緒に考えられます。

ただし、小さなお子さん連れの場合は、見学時間やトイレ、周辺で休憩できる場所を先に確認しておくと安心です。静かなエリアなので、思いつきで行くより、少し下調べしてから向かうほうが楽しみやすいです。

行く前に知っておきたいこと

アンにまつわる資料が沢山あります

開館日やツアーは事前確認がおすすめ

リースクデール・マンスは歴史的な建物なので、いつでも自由に入れる観光施設というより、ツアーやイベントに合わせて訪れる場所と考えたほうがよさそうです。

季節によって公開状況が変わることもあり、イベントやランチョンティーなどが行われる時期もあります。現時点の情報だけで予定を立てきらず、行く前には公式サイトや最新の案内を確認してください。

特にトロントから車で行く場合、到着してから閉まっていたとなると少し残念です。歴史スポットは、開いている日を合わせるだけで満足度がかなり変わります。

車があると動きやすい

等身大のアンがいます笑

リースクデールは、トロントの地下鉄やストリートカーで気軽に行くタイプの場所ではありません。基本的には車があると動きやすいです。

トロント周辺に住んでいる方なら、日帰りドライブとして組み立てるのが現実的だと思います。Uxbridge周辺のカフェや本屋、ファーム系の立ち寄りスポットを組み合わせると、文学だけでなく、オンタリオの小さな町の雰囲気も楽しめます。

無理に全部回るより、マンスと教会を中心にして、あとはその日の天気や体力で調整するくらいがちょうどいいです。

作品を少し読んでから行くと深まる

日本語の本もちゃんと飾ってありました

リースクデールを訪れる前に、赤毛のアンを読み返しておくのもおすすめです。全部読む必要はありません。好きな章だけでも、登場人物の言葉や風景が頭に残っていると、現地での感じ方が変わります。

もう少し深く知りたい方は、モンゴメリーの日記や伝記的な本に触れておくのもよいと思います。彼女の人生は、明るい物語の裏側に、かなり複雑な感情や社会的な役割が重なっています。

その背景を少し知ってから行くと、リースクデールはただのかわいい文学スポットではなく、作家が生きた場所として見えてきます。

まとめ

入り口

リースクデールは、派手な観光地ではありません。
でも、赤毛のアンが好きな人、カナダ文学に興味がある人、トロントから少し違う日帰り旅をしたい人には、とても印象に残る場所だと思います。

PEIが物語の風景を訪ねる旅なら、リースクデールはモンゴメリー本人の人生に近づく旅。牧師館、教会、庭、静かな田園風景。その一つひとつが、彼女が作家であり、妻であり、母であり、一人の女性として生きた時間を今に伝えています。

トロント滞在中に、少し落ち着いた文学旅を入れてみたい方は、リースクデールを候補にしてみてもよいかもしれません。赤毛のアンを読んだ記憶が、カナダの風景の中で少し違って見えてくるはずです。

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