見出し画像

2026年カナダ移民最新情報 Express Entry優先カテゴリー変更をやさしく解説

カナダ移民の話題は、名前が難しくて、結局何が変わったのか分かりにくいと感じる方も多いと思います。特に今回の発表は、単なる制度紹介ではなく、カナダが今どんな人材を優先したいのかがかなりはっきり見えた内容でした。

2026年2月18日、IRCCはLena Metlege Diab移民相のもとで、Express Entryの2026年優先カテゴリーを公表しました。さらにその翌日の2月19日には、新設された医師カテゴリーで実際に選考が行われています。この記事では、その流れを日本語でできるだけわかりやすく整理しつつ、これが日本人申請者にとってどう見えるのかを落ち着いてまとめます。


International Talent Attraction Strategyとは何か

今回の話の土台になっているのが、International Talent Attraction Strategyです。IRCCの背景説明では、この戦略はカナダの経済や地域社会を支える仕事と産業を強くしつつ、移民制度全体のバランスと持続性も立て直していく方針として説明されています。つまり、ただ受け入れ人数を増やすというより、今のカナダに必要な人材をより明確に選びにいく流れだと見ると分かりやすいです。

ここで大事なのは、今回のカテゴリ追加が、そのまま受け入れ枠の大幅拡大を意味するわけではないという点です。IRCCは、2026年から2028年の移民レベル計画の枠内でITAを出すとしており、追加カテゴリーができても全体の招待数そのものが別枠で増えるわけではないと説明しています。2026年から2028年の永住権受け入れ目標は38万人で安定させつつ、その中で経済移民の比重を高める方向です。

2026年のExpress Entryで何が変わったのか

継続された優先カテゴリー

2026年も引き続き重視されるのは、フランス語、医療・社会福祉、STEM、技能職、教育の5分野です。2025年から続くカテゴリがそのまま残り、カナダが中長期で不足しやすい分野を継続して押さえにいく姿勢が見えます。

この中で少し注意したいのが、フランス語カテゴリーだけは仕組みが少し違うことです。職種経験ではなく、フランス語試験で4技能すべてNCLC 7以上が必要になります。職種ベースのカテゴリと一緒に考えてしまうと混乱しやすいので、ここは分けて覚えておくと便利です。

2026年に追加されたカテゴリー

新しく加わったのは、カナダ就労経験のある医師、研究者、上級管理職、運輸職、そしてカナダ軍からオファーを受けた熟練軍人志願者です。特に医師、研究者、上級管理職は、カナダ国内で実際に経験を積んでいる人を永住権につなげたいというメッセージがかなり強く出ています。運輸職では、パイロットや航空機整備士なども例として挙げられています。

今年いちばん気を付けたい条件変更

今回かなり大きいのが、更新された職種カテゴリーの実務経験要件です。医療・社会福祉、STEM、技能職、教育、運輸などの職種ベースカテゴリでは、直近3年以内に、対象職種で通算12か月のフルタイム経験が必要になりました。しかもこの1年分は、1つの対象職種で積み上げる必要があり、連続していなくてもよいものの、昨年の6か月基準より明らかにハードルは上がっています。

一方で、医師、研究者、上級管理職の新カテゴリーは、カナダ国内での経験が前提です。たとえば医師カテゴリーでは、直近3年のうち少なくとも1年、カナダでフルタイムの医師経験があることが条件になっています。つまり、同じカテゴリ選考でも、海外経験で届く分野と、カナダ経験が前提の分野がはっきり分かれている点は見落としにくいポイントです。

医師カテゴリー初回選考が示したこと

エクスプレスエントリー抽選第395回:州推薦候補者に279通の招待状が発行されました

発表の翌日に実施された初回ドロー

今回もっとも注目を集めたのは、やはり医師カテゴリーです。IRCCは2月18日の発表時点で、カナダ就労経験のある医師向けの初回選考を数日以内に行うとしていましたが、実際には翌日の2月19日に選考が行われました。発表から実施までが非常に早く、政府がこの分野を強く優先していることが伝わる流れでした。

その初回選考では、医師カテゴリーで391件のITAが発行され、最低CRSは169点でした。これは、ふだん多くの人がイメージするExpress Entryの点数帯とはかなり違います。実際、その2日前の2月17日に行われたCanadian Experience Classの選考では、6,000件のITAに対して最低CRSは508点でした。医師カテゴリーの169点は、あくまで医師に絞ったカテゴリ選考だからこそ出た数字と見たほうが自然です。

169点だけを見て安心しすぎないほうがいい理由

この数字だけを見ると、Express Entry全体が急にやさしくなったように感じるかもしれません。でも、そこは少し慎重に見たほうがよさそうです。IRCCは2026年もフランス語やCanadian Experience Classの選考を続けており、カテゴリ選考はあくまで必要人材を狙って呼ぶ仕組みです。つまり、全体の競争が一気に緩んだというより、特定分野への優先度が強く表れた結果と理解するのが現実的です。

日本人申請者にとってどう見ればいいか

今回の発表を日本人目線で見ると、まずは医療、教育、STEM、技能職など、もともと専門性が分かりやすい分野の人には追い風になりやすいと感じます。特にすでにカナダで働いていて、対象職種で経験を積んでいる人にとっては、制度が自分の実務歴をより評価しやすい形に寄ってきたとも言えそうです。研究者や上級管理職の新設も、学歴や肩書きだけではなく、カナダ国内での実務実績を持つ人に道を作ろうとしているように見えます。

その一方で、誰にでも広く門が開いたという話ではありません。更新カテゴリでは経験要件が6か月から1年に引き上げられましたし、医師など一部の新カテゴリはカナダ国内経験が前提です。さらに、全体のITA数は移民レベル計画の範囲内で運用されるので、あるカテゴリーが増えた分、別の層には相対的に厳しさが残る可能性もあります。制度変更を前向きに見ることは大切ですが、楽観だけで動くには少し危ない時期でもあると思います。

今後考えるときに押さえておきたいこと

制度のニュースは見出しだけ追うと、チャンスが広がったのか、逆に厳しくなったのかが分かりにくいものです。今回の2026年方針をひとことで言うなら、カナダは今後も人を受け入れるけれど、より必要性が高い分野に寄せて選ぶ姿勢をはっきりさせた、ということだと思います。

なので、これから申請を考える方は、自分の職種がカテゴリ対象かどうかだけでなく、必要経験が昨年より伸びていないか、経験場所がカナダ限定なのか海外でもよいのか、Express Entry本体の要件を満たしているかまで、分けて確認しておくのがおすすめです。移民制度は個別事情で結論が変わりやすいので、最終的にはIRCCの原文や専門家への確認も大切になってきます。

まとめ

2026年のIRCC発表で見えてきたのは、カナダがこれからの移民で何を重視するのかが、かなり具体的になったということです。フランス語、医療、STEM、技能職、教育に加えて、医師、研究者、上級管理職、運輸、軍関連まで優先対象が広がりました。ただし、広がったというより、より狙いが明確になったと見るほうが実感に近いかもしれません。

特に医師カテゴリーの初回選考は、カナダが今どれだけ医療人材を必要としているかを象徴する動きでした。医療系や専門職でカナダ経験を積んでいる方、これから経験を作ろうとしている方にとっては、今後の制度の読み方がかなり重要になりそうです。

<参考情報源>

参考情報は、IRCC(カナダ移民・難民・市民権省)の公式発表およびCanada.ca掲載情報をもとに確認しています。


いいなと思ったら応援しよう!

トロントkiki この記事が役に立ったら、チップで応援してもらえると嬉しいです。取材・検証費に使い、さらに良い記事にします!