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カナダ人宇宙飛行士が月へ向かう10日間

カナダ人宇宙飛行士が月へ向かった。そう聞くと、世界規模の大きなニュースに見えますが、今回の話題はオンタリオにいる人ほど少し身近に感じやすいかもしれません。

今回Artemis IIに搭乗しているジェレミー・ハンセン宇宙飛行士は、ロンドン、オンタリオ生まれ。南オンタリオの農場で育ち、高校時代をオンタリオ州内で過ごしてきた人物です。つまりこれは、遠い宇宙の話であると同時に、オンタリオ出身の一人がカナダ史に残る挑戦をしているローカルニュースでもあります。

しかも今回のミッションは、ただ話題性が大きいだけではありません。Artemis IIは、1972年以来となる有人の月ミッションであり、ハンセン宇宙飛行士は月に向かう最初のカナダ人です。日本語でこのニュースを見かけても、何がそんなに特別なのか、月面着陸なのか、どこまで行くのかが少し分かりにくい方も多いと思います。この記事では、そのあたりをやさしく整理していきます。


ハンセン宇宙飛行士はどんな人か

ジェレミー・ハンセン宇宙飛行士

ジェレミー・ハンセン宇宙飛行士は、1976年生まれのカナダ人宇宙飛行士で、もともとのバックグラウンドは戦闘機パイロットです。CSAの公式プロフィールでは、ロンドン、オンタリオ出身で、宇宙科学の学士号と物理学の修士号を持つことが紹介されています。華やかな肩書きだけを見るより、理系の基礎と航空の現場経験の両方を積んできた人物、と捉えると分かりやすいです。

さらに今回が、彼にとって初めての実飛行ミッションでもあります。長く宇宙飛行士として訓練や地上支援に関わってきた人が、ついにこの歴史的な便で月へ向かう。その積み重ねを知ると、今回の打ち上げが単なる一度きりのニュースではなく、かなり長い準備期間の先にある出来事だと見えてきます。

オンタリオの読者目線で見ると、この点がいちばん大きいかもしれません。世界のどこかの宇宙飛行士ではなく、南オンタリオで育った人が、いま月に向かっている。そう聞くと、ニュースの距離感が少し変わります。

なぜ今回がカナダ史に残るのか

オンタイムで見れた〜♪

先に結論から言うと、今回が特別なのは、カナダ人初というだけではないからです。CSAは、ハンセン宇宙飛行士が初のカナダ人、そして初の非アメリカ人として有人月ミッションに参加すると説明しています。さらにCSAの節目年表では、彼の参加によってカナダは人類史上2番目に月周辺へ宇宙飛行士を送る国になると整理されています。

この歴史性は、宇宙に詳しい人だけの話ではありません。カナダはこれまで国際宇宙ステーションやロボット技術で強い存在感を出してきましたが、月探査の有人ミッションで前面に出る機会は限られてきました。だからこそ今回のArtemis IIは、カナダにとって宇宙開発の存在感が一段階変わる瞬間として受け止めやすい出来事です。

トロントやオンタリオで暮らしていると、日々の生活情報の中で宇宙開発を考える機会はあまり多くないかもしれません。でも、こういう話題は、カナダが何を強みに国際協力に入っているのかを知る入り口にもなります。

Artemis IIは何をするミッションなのか

月面着陸することなく、月を周回して地球に帰還させることが目的

Artemis IIは、Artemis計画で初めて宇宙飛行士が乗り込む有人試験飛行です。NASAとCSAはともに、今回の目的を、Orion宇宙船の各システムが有人環境で正しく機能するか確かめることだと説明しています。生活支援システム、操縦、通信、運用手順などを、実際に人が乗った状態で検証する段階です。

飛行の流れも、知っておくとイメージしやすいです。Orionはまず地球を2周して機体の状態を確認し、その後、月へ向かう軌道に入ります。月の裏側のさらに約1万400キロ先まで飛び、月の重力を使って地球へ戻る計画で、総飛行距離は200万キロ超、期間はおよそ10日間とされています。

4月1日の打ち上げはフロリダ州ケネディ宇宙センターから行われ、NASAは18時35分 EDT の打ち上げ成功を発表しました。現在は飛行の進行に合わせて、NASAとCSAの両方がライブやデイリーログ形式で情報を更新しています。

月面着陸ではない点をどう理解すればいいか

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ここは誤解しやすいポイントです。Artemis IIは月面着陸ミッションではありません。厳密には、月の近くまで行って回り込み、帰還する有人の月フライバイ試験飛行です。NASAの公式ページでもミッション種別は Crewed Lunar Flyby とされています。

ただ、着陸しないから価値が小さい、という話ではありません。むしろ今回の役割は、その次の段階へ進むための確認です。Artemis Iが無人で行ったことを、今度は人が乗った状態で確かめる。宇宙船の中で人がどう過ごすか、運用がどう回るか、地球から遠く離れた環境で安全に往復できるか。そうした土台づくりとして、かなり重要な位置づけにあります。

日本語でニュースだけ追うと、月へ行くのに着陸しないのは中途半端に見えることもあります。でも実際には、この一段ずつ確かめる進め方こそが、次の有人月面ミッションの現実味を支える部分です。ここを理解しておくと、今回のニュースがぐっと面白くなります。

カナダにとって宇宙開発の意味は何か

https://www.youtube.com/watch?v=m3kR2KK8TEs

今回のArtemis IIは、カナダが単に参加しているだけのプロジェクトではありません。CSAは、カナダのロボット技術への貢献、とくにCanadarm3への関与を通じて、月探査における科学、技術実証、商業機会、そして将来の有人飛行の機会を確保していると説明しています。

つまり今回の歴史的な一席は、象徴的な意味だけでなく、カナダが長年積み上げてきた宇宙技術の延長線上にあります。カナダらしい強みで国際計画に入り、その結果として有人月ミッションにもつながっている。この流れは、宇宙ニュースにあまり馴染みがない人でも覚えておくと、今後の関連ニュースがかなり読みやすくなるはずです。

オンタリオのローカルニュースとして見るなら、ここがいちばん希望のある部分かもしれません。南オンタリオ出身の宇宙飛行士が歴史をつくるだけでなく、カナダの技術と国際協力の積み重ねがきちんと形になっている。そう考えると、この話題は単発の感動エピソードでは終わりません。

まとめ

月が下の方に見える

ジェレミー・ハンセン宇宙飛行士のArtemis IIは、月面着陸のニュースではありません。けれど、初のカナダ人として月へ向かい、しかもオンタリオ出身の人物がその役割を担っている点で、十分に歴史的です。Artemis IIは約10日間の有人月フライバイ試験飛行で、今後の月面ミッションへ進むための大事な一歩でもあります。


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