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バーチャル学会2025に参加した感想

皆さんはバーチャル学会を知っていますか?
この度、2025年12月13日(土)~14日(日)に開催された「バーチャル学会2025」を聴講してきたので、その感想をつらつらと書いていきたいと思います。
※ ガチでただの感想です!なので、あんまり中身は無いです!


1. バーチャル学会とは?

バーチャル学会は一言で表すと、「メタバース上で開催される学会」です。
ホームページを見た感じ、2019年から開催されているようですね。

主にはclusterとVRChatがプラットフォームとして活用されています。
2025年の今回はclusterでポスターセッションと基調講演などを行い、1日目の懇親会と2日目のデモセッションのみVRChatで行っていました。

一般的にイメージする学会は、(ジャンルの大小はあるものの)何かしらの専門分野に限定して発表・講演を行っているかと思います。例えば日本化学会では、広い意味での“化学”全般を分野として取り扱っていますし、化学工学会であれば“化学”という分野の中の“化学工学”という領域のみを軸として取り扱うことになります。
対してこのバーチャル学会は、情報科学系だけでなく人文系の科目もある“オールジャンル”な学会であるという事が特徴の一つですね。

2. ポスターセッション

幅広いジャンル!

2025年の学会は次の11カテゴリーでポスターセッションが行われました。

  • 感覚・知覚

  • ソーシャルVR

  • 健康・医療

  • 歴史・文化アーカイブ

  • 応用数理・自然科学

  • 教育

  • 情報科学

  • 福祉

  • エージェント

  • 社会

  • 可視化・サイエンスコミュニケーション

……これだけ見てもかなり自由ですねぇ。
メタバースで開催している関係上か、どうしてもバーチャルリアリティー絡みの発表が多い印象でしたが、文理両分野が共存する学会は珍しいんじゃないでしょうか? 参加団体についても多様で、大学だけでなく高専や高校、VRSNSでのグループなど多種多様な団体が参加していました。(海外勢も居ましたね…グローバル!)
大学生なんかはゼミ等など発表の機会がそこそこあるはずですけど、高校生などはあまりアウトプットの機会が少ないので、メタバース上とはいえ発表の機会を得られるのは貴重な経験になりそうですね。

発表の題目や要旨はJ-Stageで公開されてますので、是非そちらを覗いてみてください!J-Stageとか懐かしいな!

参考:バーチャル学会2025発表概要集
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/vconf/2025/0/_contents/-char/ja

ちなみに、バーチャル学会の事前説明動画では「要旨の書き方」についても触れられていました。研究室に所属したことのある学生なんかは慣れていると思いますが、様々なバックグラウンドの方を受け入れるバーチャル学会として、かなり丁寧な対応ですね。「こんなもの常識だよ…」と思われる方もいるかもしれませんが、どんな常識だって最初は誰かが教えてあげないといけません。高校生なんかは見ておくと勉強になるかも…?

ポスターセッションについてもう一つ感じた事がありまして、それはポスターサイズの違いについてです。
通常、リアルで行う学会では縦長A0サイズのポスターにまとめて発表を行う事が多いですが、今回のバーチャル学会では(おそらく16:9の?)横長レイアウトのポスターを使用していました。
この横長レイアウトって、いわゆる普通のパソコン画面やパワーポイント等のスライド資料に近いレイアウトになるんですよね。図やイラストを並べてポスターを構成しようとすると、横長レイアウトの方が作りやすいと思うので、その意味でも参加ハードルが下がっているのではないかな・・・と、個人的には感じました。

個人的に気になった発表

どの発表も興味深かったのですが、少しだけピックアップさせていただきます。
やはりメタバースでの開催という事もあり、メタバースと健康の関係に関する発表が多かったですね。
例えば、筆頭著者が三重大学大学院医学系研究科の方の発表でしたが、1日のメタバースプレイ時間が3時間以上の長時間群と3時間未満の短時間群で、運動量や睡眠の比較をおこなっていました。運動量の低下なんかは生活習慣病に結び付くリスクがあるので、メタバースとの関わり方を工夫すること(例えばHMDを着けても立ってプレイするとか)で健康的な生活習慣を取り戻せるのではないか?というお話がありました。
[参考文献] 白井祐佳 et al., メタバースプレイ時間と生活習慣の関連性, 2025年, バーチャル学会2025 発表概要集, pp100-102
https://www.jstage.jst.go.jp/article/vconf/2025/0/2025_100/_pdf/-char/ja

3. 貴重な基調講演

2日間の学会にて、各夜に基調講演がありました。内容については長くなるのであまり触れませんが、YouTubeにアーカイブが残っているのでそちらをご覧ください。(シンプルに、二人とも話が面白い!)

バーチャルYouTuber 北白川かかぽ 氏

1日目の基調講演は、バーチャルYouTuberの北白川かかぽ氏。物理学分野で博士号を取得しているというヤバい学術系VTuberとして有名な方です。サイエンスコミュニケータとして科学の楽しさをよく配信で語っていますね。
サイエンスコミュニケータとして、これまで科学に興味を持ってなかった人にどのようにして科学の楽しさを広めていくか、その悩みや考え方について講演されていました。
講演自体は科学についてでしたが、「自分の事業・活動・趣味について、これまでそのジャンルに興味を持たなかった人達へリーチするためにはどうすれば良いか?」という点では、似たような悩みを持つ人は多いんじゃないでしょうか?

東京大学 入江英嗣 教授

2日目の基調講演は、東京大学 大学院情報理工学研究科の入江英嗣 教授。可愛いアバターですが本物の大学教授であり、実際に取り組まれているバーチャル教室の事例を紹介されていました。
コロナ禍、社会人がリモートワークになったように学生たちはリモート授業を受けていたようです。
VRChatを活用し、VR側での参加とZOOM配信を駆使して授業をされている様子は、技術の進歩を強く感じさせる内容でした。特にゲート回路のギミックを使いながらの授業は興味深くて、VR上のギミックとして直接触れながら触れながら動かせるようになっています。通常の授業では紙面上で学ぶので生徒側の想像力に依存したり、事前に用意された挙動を動画で見るのが普通でしょう。それが、パズルのように自分たちで動かしながら理解できるというのは革命的ですね…。

4. デモセッションやエクスカーション

デモセッション:実際にVR上で体験!

今回のポスターセッションに参加された方の一部は、clusterまたはVRChatでワールドを作っての紹介もされていました。
口頭では伝わりにくい動作の部分や、ポスターだけでは触れられなかった詳細や追加の説明をされている形ですね。
時間内に回り切れなかったのですが、こちらもありがたい事にアーカイブがあります!1日目はレオン・ゼロミアさんのチャンネル、2日目はおきゅたんさんのチャンネルで配信されていたので、そちらをご覧ください。定期的にグループ開催しているようなワールドもあるので、気になる方は行ってみるのもありかも?

エクスカーション:みんなで座談会

エクスカーション。あまり聞き覚えのない単語ですが、ざっくり言うと「意見交換会」の事のようです。
1日目は「Youはどうしてバーチャル学会に?」と題して、発表者としてのモチベーションの話をされてました。途中からは会場を巻き込んで「発表するならどんな事をやってみたい?」という内容で参加型のディスカッション!僕が学生の頃に参加したことのある学会ではあんまりないパターンだけど…これはこれで楽しいですね。

2日目のエクスカーションは、大学関係の方々による「研究者と生活者のあいだで ― メタバースをともに育てるための関わり方を考える」というお話でした。メタバースとアカデミックの関わりについて、研究倫理まで含んだ話が展開されていました。研究畑の人たちの会話なのでまたテイストが違う感じはあるものの、「これ、無料で聴いて良いんだ…」って内容ですよ!
研究活動をする人以外でも、これからメタバース上で事業を展開したいビジネスマン等にも重要な内容になっているのかなと思います。

5. まとめ

思ったより長々と書いてしまいましたが、最後に軽くまとめていこうと思います。

① 幅広いジャンル!

上の方でも書きましたが、理系に限らず人文系まで領域が広いですね。
一時期、「学際」という言葉がはやった覚えがあります(最近はどうだろう…?)。異なる学術分野を横断して研究や学習を行う概念の事ですね。領域が広いという事は、それだけ異なる専門家たちの意見が集まるので、かなり「学際的な環境」だなと思いました。

② この内容が無料で…?

通常の学会は、数千円~数万円の学会費を払って参加するものがほとんどかと思います(すくなくとも僕が居た領域はそんな感じ)。それが、バーチャル学会はなんと………無料です!
基調講演やデモセッション、エクスカーションのアーカイブを観ていただくと分かると思いますが、アカデミックの現役の人も多く、内容の質はハッキリ言って高いと思います。

最後に

社会人としては、ここ数年でテレワーク・在宅勤務といった「リモートで仕事を行う事」の環境や認知度が急激に変化してきたと思います。おそらく学術の現場も近い流れがあるのかなと想像はしていました。
そんな中で出会ったバーチャル学会。家に居ながらこれほどの学びが可能な環境があるというのは、今の学生が羨ましいですね…。
プラットフォームとしてもcluster、VRChat、YouTubeともに無料です(諸説ありますが、無料です)。
是非皆さんも、聴講だけでも参加してみては如何でしょうか?

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