#12 トラベルコンパニオンに込めた願い — この旅に、どう関わるのか
「ぽんと、とぶ—— 静かな声と社会をつなぐPodcast」#12 配信より
こんにちは、ナビゲーターの杏奈です。
Toriiの「ぽんと、とぶ—— 静かな声と社会をつなぐPodcast」エピソード12の配信です。人身取引や難民の問題、若者支援の現場で、社会のなかで聞こえにくくなってしまった声に耳を澄まし、分断された関係性を紡ぎなおすことで、社会の仕組みそのものに働きかけていく、国際団体Toriiが制作しています。
この番組では、日々のめまぐるしい暮らしのなかで見落とされがちな声や問いに、少しだけ立ち止まって、耳を澄ませていきます。お茶を片手に過ごす夜のひとときや、夕食後の静かな時間に、そっと聞いていただけたら嬉しいです。
この番組のもう一人の話し手で、一般社団法人Toriiの代表でもある清水友美さんとお届けします。
今回のテーマは「トラベルコンパニオン」についてです。
「支援する/される」だけではない関係
トラベルコンパニオンという言葉は、もともとインドでの活動の中で出会った「co-traveler」という概念から生まれました。
直訳すれば、「共に旅をする人」。
それは、資金を出す人と受け取る人、支援する人とされる人、という関係だけでは捉えきれないものです。
かつて清水は、インドのNGOと関わる中で、資金を持つ側と受け取る側の間に、無意識のうちにヒエラルキーが生まれることに気づかされました。
「一緒にやろう」と思っていても、お金が介在することで、相手は本音を言いづらくなる。
失敗したら資金を引き上げられるのではないか、嫌われるのではないか、という恐れが生まれる。
その現実をなかったことにせず、それでも関係性を紡いでいくにはどうしたらいいのか。
その問いの中から、トラベルコンパニオンという感覚は少しずつ育っていきました。
本音を言っても、隣にいてくれる人
インドのパートナー団体から、清水はある言葉を受け取ります。
「co-travelerとして、ずっと一緒に歩み続けてくれてありがとう」
その言葉の奥には、これまでの痛みがありました。
本音を言ったら、資金を引き上げられるかもしれない。
問題が起きたら、離れていってしまうかもしれない。
そんな不安の中で、それでも本音を差し出すことには大きな勇気が必要です。
だからこそ、何かがうまくいかなかったときに、
「大丈夫。一緒に話そう」
「引き上げないから、一緒に考えよう」
とそこに居続けること。
相手が泣いているなら、泣き終わるまで待つこと。
問題が起きたときに、すぐに離れるのではなく、一緒に向き合うこと。
それが、共に旅をするということなのだと思います。
関係性は、取引だけでは終わらない
一方で、トラベルコンパニオンという概念は、簡単に伝わるものではありません。
お金を出す側とサービスを提供する側。
成果物を受け取り、対価を支払う関係。
そうした「取引」の言葉だけで世界を見ていると、共に旅をするという感覚は、とても曖昧でわかりにくいものに見えるかもしれません。
でも、Toriiが大切にしたいのは、その取引の奥にある関係性です。
それは、一生一緒にいるという約束ではありません。
川の流れのように、いくつもの流れが集まり、ある時期を共にし、また分かれていくこともある。
大切なのは、今この瞬間に、同じ旅の途中にいること。
その喜びを分かち合うことなのだと思います。
Toriiが引き継いでいくもの
かものはしプロジェクトがインドで育んできた関係性を、Toriiは引き継いでいます。
ただ、かものはしが担ってきた資金規模は大きく、まだ生まれたばかりのToriiには同じだけの財務体力はありません。
だからこそ、トラベルコンパニオンとして共に歩んでくださる方の存在が必要です。
それは単に「お金を支える」ということではなく、
Toriiがこれまで大切にしてきた関係性を、これからも続けていくための力になります。
一人ではない、と思えること
Toriiはまだ駆け出しの団体です。
日々の中で、心細くなることもあります。
この道で合っているのかと不安になることもあります。
そんなときに、
「この旅を一緒に歩むよ」
と言ってくださる人がいることは、本当に大きな力になります。
そして私たちは、その力を受け取りながら、今度は声が届きにくい場所にいる人たちのもとへ向かっていきたいと思っています。
誰も自分の声を聞いてくれない。
誰もそばにいてくれない。
そんなふうに取り残されている人たちの旅のコンパニオンに、今度は私たちがなっていく。
トラベルコンパニオンとは、そのための関係性でもあります。
このキャンペーンを機にトラベルコンパニオンへ登録してくださった皆さま、いつもPodcastを聞いてくださっている皆さま、そしてこれからどこかでToriiと出会ってくださるかもしれない皆さまへ。
心からの感謝を込めて。
私たちはこれからも、この旅を続けていきます。
おたよりをお待ちしています
番組へのご感想や、今回のテーマに関連して感じたこと、
ご自身の体験、ふと浮かんだ問いなど、どんなことでも構いません。
ぜひおたよりフォームよりお送りください。
あなたの声をきかせてください。
次回予告
📌 Podcast#13 「ぽんと、とぶ—— 静かな声と社会をつなぐPodcast」
タイトル:#13 「関係性を紡ぎなおす」ってどういうこと?— ギフトシードの旅から見えてきたこと
配信日:2026年3月21日(土)19:00
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