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『グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション』映画感想文

どんなトリック?使い古されたトリック


目指すは、マジシャン版『ワイスピ』化


前2作品(とりわけ前作)の魅力だったハリウッド大作らしくポップコーンの捗る景気の良いケレン味や、記憶に残るようなアイコニックなシーンは、本作では雑な脚本に取って代わっていた。見せ場となるはずの冒頭と(肝心の!!)最後のマジック(ネタ)が、まさかの前2作品の使い回しというやる気のなさには、逆の意味で驚いた。全編通して雑かつ強引おまけに地味で、まるでカタルシスがなかった。

元々、本シリーズに本格的なマジック映画としての側面も、奥行き・深みのある「名作」になることも求めていないけど、本作のベールの奥にはとりわけ何もなかった、最後まで大したタネ明かしも待っていなかった。新メンバーが加わることで一人ひとりに割かれる時間は少なくなり、従来からの思い入れのあるホースメンのメンバーに大した見せ場もなく、魅力的に描かれていなかったのが残念だった。鑑賞前にはロザムンド・パイクの悪役にも期待していたけど、蓋を開けてみると、作品自体が悪役を魅力的に描いていなかった。内容も直ぐに忘れてしまいそうだ。

作品終盤に従来ホースメンが文字通りピンチになるわけだけど、それがタネも仕掛けもなく、本当にピンチと知ったときにはガッカリさせられた。本シリーズにおいては力技も御愛嬌だから、最後の「実は…」なネタバラシに繋げてほしかった。挙句、「人生でどんなカードを配られても、自分だけのマジックを作り出せる」という、作品本編から全くと言っていいほど伝わってこない、強引なメッセージ。

これじゃまだ『ワイスピ』にも、無論『オーシャンズ』シリーズにもなれない。正直、本シリーズ3本の中で、本作が一番ハマらなかったかも。香ばしい映画枠にもならないかもと思った。3作目にして既にもう全員集合"ナツカシベリー"案件な、同窓会映画になった?そりゃ前作から10年間も空いた分、年も取るよ、と。ただ、続編(4本目)も製作する気らしいので、こうご期待。本作も「何だかんだ好き」という枠から引きずり落ちるほどではなかったので、また何だかんだ観てしまうのだろうな。

だからこそ、映像の魔術師ジョン・М・チュウ監督による前作『見破られたトリック』の映像マジックを今こそ再評価すべきだ(個人的には今日までの本シリーズ3本で一番好き)!!雨を止めるアイコニックなシーンはもちろん、セキュリティの目を掻い潜ってトランプをホースメン内でパスしまくる伝説のシーンには、「オ〜〜〜!!!!」と心底魅せられ何度も見返すほど夢中にハマったものだ。そういうのが欲しかったのに!

本作にも、長回し風で各キャラがマジックを披露していくワンカットがあって、いつにも増してマジック映画っぽかった。ただ、アイゼンバーグ&ハレルソンとは『ゾンビランド』(・『ピザボーイ』)で気心知れた旧知の仲であろうルーベン・フライシャー監督の抜擢も、彼の個性や持ち味をあまり生かせているようには思えなかった。


勝手に関連作品『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』『オーシャンズ8』


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