AppleTV+『プルリブス』Season1感想文
まだ観ぬギリガン劇場で、新たな地平を開く=善を描く?
"我々"海外ドラマファンが一つになって楽しみにしていたシリーズが満を持して登場、遂にベールを脱ぐ傑作を宿命づけれているシリーズ!悪役が本来の役割を失い、憧れの対象になっている時代の危うさや現実世界の悪党たちへの警鐘を鳴らしていた彼が、今度は善人の話を描く?
「世界を救う話」との前情報もあったし、冒頭から時間のカウントダウンが始まって『ドニー・ダーコ』みたいな感じかと思ったら、"ジョーダン・ピールが『ボディ・スナッチャーズ』を撮ったら"みたいな終末世界じみたSFホラーな1話目だった…。謎が大きく面白いほど後が苦しくなることもあるけど、ヴィンス・ギリガンのことなら先ず間違いなく大丈夫だし、どれだけ高い期待を寄せてもきっと悠々と超えてきてくれるはず!
そう、オリジナル映画で昨今圧倒的な勢いを見せているAppleだけど、言わずもがなドラマシリーズも充実していて、でもヴィンス・ギリガンとなると別。ヴィンス・ギリガンの新作をするということは、映画で言えばノーランの新作をオリジナルで配信するようなものだ。きっと莫大な予算と絶対的なクリエイティブ面の自由や決定権を与えているのだろう。『ストレンジャー・シングス5』最終シーズンに配信時期をぶつけてきたのも自信の表れか(どっちが先に決めたのか分からないが)?
P.S. またしてもアルバカーキ!!後ろで展開されたり何か出てきたりしそうな画の空白やここワンカットで行くのかみたいなカットの新鮮さなど演出面も、無論冴え渡っていた。
アメリカ万歳(→タイトル「pluribus」も「多数から一つへ」と表現され、アメリカ合衆国の建国の理念として使われる言葉とのこと。また、個々の文脈によって、「多くのものから作られた一つ」といったニュアンスも持つ。)
YOUR LIFE IS YOUR OWN
WE'RE ONE
レイ・シーホーン新境地のキッレキレノリノリ好演で、謎めいた本作を観客の目となり耳となり引っ張る!!なぜ世界を救う?
すぐに酒(ウォッカ)を煽って、自分が制御できない口が悪く短気な主人公の悪態と芯を食った正論っぷり。対するは、そんな主人公と相性が悪すぎる、ネガティブな感情を向けられることに慣れていない"我々"。…という、主人公のキャラクターを描き、障壁を立てる上で、模範解答みたいな水と油的真逆の設定が生きていたし、なんならそれで既にもう主人公がまさかの業(というか大殺戮?!)を背負うことになろうとは。
(意味があるのだろうけど)アバンタイトルのリッチさ!今のところ観ていてシンプルに思うのは、世界中にそれだけしか同化されていない人がいないのに、ここからどうやって話広げて続けられるの?…ってことが気がかりで仕方ないけど、きっと、いや絶対に我らがヴィンス・ギリガンなら思いがけずも深い風呂敷の広げ方でやってくれるのだろうという絶対的信頼。今回のクリフハンガーは、女海賊と勃ちっぱなしクソ男。
溺れた人類を救うAI
合言葉は、「あなたが幸せになるなら」!ブレインウォッシュされることなく主体性や良識を損なうことなく、相手のためにどこまでできるか?原始的なつながりと現代の希薄さ?今のところ、とにかく不条理で奇天烈でヘンテコ極まりないユニークなドラマは、その不思議な魅力で観客を惹きつけはするものの、そろそろ「?」から一歩踏み出して、少し変化も欲しくなる頃?製作視点で見ると、めちゃくちゃお金のかかりそうな作品だよな、なんて思ったり。氷点下3度は寒すぎるって!ソウル・グッドマンもそうだけど、やっぱり過去がある…。ヘレンは忘れろ!代わりに手榴弾と原始爆弾を。
EVERY MEAL IS A CHOICE
司祭が言うにはお尻をペンペンしながら火山を登るって
You can go.
一体化を元に戻す方法はあるのか?
嘘をつけない"我々"相手に、"主体"キャロルの彼女らしいやり方での捜査網が始まる。プリーズ、キャロル。正直、前話数までで少し展開に疲れてきていたけど、また面白くなってきた!
諸事情から少し距離を置いた結果の、ドローン回?
みんなが声を上げない中で、たとえ一人でもグイグイと正しいと思うことを主張するキャロル捜査が前話に続き展開されるのが面白い回。ChatGPTやCopilot相手の感じだけでなく、今度は「人は一人で生きているのだろうか?」みたいなコロナ禍の隔離も少し頭をよぎったり…。音楽で言えば、まさかのクルアンビンも流れた!
鋭意努力します
今度は、食糧難?
大多数から目の上のたんこぶや除け者、邪険にされても、(めげずにやっていれば)一人には刺さるかも。そして、そこから小さな波を起こして、いずれ世界を変えられるほどの大波を起こせるかもしれない。世界を変えることを諦めてはいけない!食人
我々はジョン・シナ
動いても止まっても何をしていても孤独な時間(には、AIや嘘偽りの作り物すら必要で恋しくなる?)
相変わらずマイカーはパトカーなキャロル・スターカが、愛車を乗り換えて行く先々あちこちでヤケクソに楽しむカラオケ(ピッタリすぎるR.E.Mの名曲It's The End Of The Worldなど)?いつでもどこでも歌える♪ノリノリレイ・シーホーンのキャロル劇場ショータイム!
一方で、彼らに頼らずその恩恵を受けないで一人アナログに過酷な道を進むマヌッソス・オビエド。その猫は灰色、その犬は黄色。その黄色い犬は、灰色の猫を追います。世界は広い、俺は世界を救いたい。キャロルとの異端者同士のコミュニケーションのために英語まで勉強しながらサバイバル。気持ちと目的意識だけが彼を突き進める。人間が利便性の追求の代わりに失ったもの?
好き勝手、街ゴルフ楽しそう。花火に囲まれながら虚しい顔の横スレスレを飛んでいくのすごいカットだった。あくまで"ガワ"だけなのに、慣れしたんだ顔に救われること…。孤独は人を殺す。いや、マジでこれは言わずもがな実績のあるヴィンス・ギリガンだからこそ"GO"が出た、創造上の自由度が高い企画や脚本だと思う。「何見せられているんだろう?」から、最後には沁みるのだから凄く巧い。作品として象徴的過ぎるきらいはあるが。
JUST MARRIED
EL FLITZ
come back
♪Aquarius/Maro & NASAYA & Ana Moura
遂に本シリーズの核心に迫ってきた…?
シーズン最終話を前に、何がヴィンス・ギリガンを本シリーズの制作に向かわせたかを、とりわけ強く感じるエピソードのように思った。
"我々"でなく"私"、他人事でなく自分事として他国や世界規模で起こっている問題と向き合う。つらいけど、何が起こっているかは分かる。知識を分け合って、みんなシェアしては、顔の見えない誰かにも手を差し伸べる。
心許せる"知った顔"と交流を深めていく" お近づき"回で知る、燃費など限られた資源を無駄にしないために皆一つ屋根の下で集まって寝泊まり。
「何事にも対価がある」マヌッソス、キャラ出ているし、エピソードの最初にテーマを打ち出しているようでもあった。この調子だと2人が会って終わり?
世界を救う
マヌッソス到着!あなたは私の付き添い。嫉妬するキャロル。思い入れや愛情、そしてガッツリ好意・恋?幹細胞、周波、卵子凍結。「何か起こりそう」つかの間のイチャイチャモンタージュからの…まさかの原子爆弾伏線回収かよ。
あなたの勝ち。世界を救うわよ
