アスペルガー的マネジメント
サリーとアンの誤信念課題が解けないのは、「人には心がある」ということを理解できないからでした。
つまり、自分以外の他人にもいろいろな考えがあるということが理解できないのです。
自閉症の人も同じです。
相手がどう思うかということを推測できないのです。
ですので、他人とコミュニケーションをとるのが非常に苦手です。
ただし、この問題は私たちにも当てはまるのではないでしょうか。
相手の気持ちや考えを推し量るのが苦手で、自分の都合だけで決めてしまう強引な人って結構いますよね。
自閉症のように知能障害が伴うものは別として、程度の軽いものは「アスペルガー症候群」という名前が付けられています。
しかしこれも、自閉症との線引きが難しいので、最近「自閉症スペクトラム」という名前に改称されました。
歴史に名を残すような発明家や芸術家、またノーベル賞をもらうような研究者に、自閉症スペクトラムの人が多いことはよく知られています。
他人とのコミュニケーションは苦手でも、自分の得意分野においては偉大な成果を残す、俗に「天才」と呼ばれる人たちです。
でも、「自閉症スペクトラム」かどうかはどうやって判断するのでしょう。
「AQ(Autism Spectrum Quotient)」というチェックシートがあります。
あくまで目安でしかないのですが、自閉症スペクトラムかどうかを判定するものです。
50点満点なのですが、自閉症の人でも50点になる人はいません。
自閉症スペクトラムの人の平均は、32点だそうです。
一般の人でも、平均はなんと16点もあるそうです。
24点以上で境界域、27点以上で自閉症スペクトラムの疑いありと診断されるのですが、どこから自閉症か、どこからアスペルガー症候群か、といった判断は専門家でも非常に難しいそうです。
なぜなら、普段はスコアの低い人でも、時と場合によっては高いスコアになることがあるからです。
つまり、私たちも状況によっては、アスペルガー的な振る舞いをしているのです。
私は最近思うのです。
企業に成果主義が導入されて以来、管理職の多くが、部下の心がわからない「アスペルガー的マネジメント」をするようになったのではないかと。
上司の多くは、日々の数字に追われるあまり、部下の心を推し量る余裕を失くしているように思えてなりません。
そういえば、職場が急にギスギスしメンタル不全者が増え出したのも、成果主義が普及し始めた頃。
成果主義導入を契機に、管理職は「人には心がある」ことを忘れてしまったのではないでしょうか。
ちなみにこのAQですが、ネット検索したらチェックシートが見つかりした。
早速、私もやってみまることにします。
でも、一抹の不安もありました。
もしバカ高いスコアが出て、私が天才だってことがバレてしまったらどうしよう。
ドキドキしながら回答しましたが、結果はなんと11点。
えっ?
これってもしかして、凡人以下ってことですか?
