短編小説「夢見月が満ちる公園で、カラスは安らぎを知る」のご紹介
あらすじ
容姿端麗ではあるものの、就職しようともせずに煙たがられていた男性は、公園でビールを呑んでいました。
そして、女性に声をかけるのですが……。
不思議な公園で一日を過ごす、春の短編です。
現時点で、私のウェブサイトに掲載されている作品の中では、最も新しい作品です。
それまでに書いた物語とは、雰囲気が異なるのですが、もしよろしければ冒頭をご覧ください。
(※この作品を含めて、私の個人のサイトで全文をご覧いただけます。この記事では、冒頭だけを抜粋していますので、もしご興味を持っていただけましたら、どうぞお立ち寄りください)
【ここからが冒頭です】
「夢見月が満ちる公園で、カラスは安らぎを知る」
一
これは都会の片隅にある、忘れ去られたような小さな公園で起こった、不思議な一日の話です。
その公園は、そびえ立つ灰色のビルやマンションに囲まれていて、息をひそめるようにひっそりと隠れていました。
道端の傍には梅の木が佇んでいますが、カラスの鳴き声とともに枝葉が揺れては、花びらがこぼれていきます。
すでに地面に落ちていた花弁は、風雨に晒されてしまったせいか、真っ黒なアスファルトと白線の狭間に、萎びてひしゃげたまま、ぽつんと取り残されていました。
公園の真上からは日が照りつけていますが、隅にところ狭しと生えている花や雑草は、ビルの影によって、ベンチとともに日陰に追いやられています。
ブランコや木々は風で揺れることもないままに、青臭さばかりが立ち込めるばかりでした。
鉄棒や滑り台はつかわれず、遊具の周りは閑散としているのに、並び立つビルを挟んだ大通りからは、裂くような車のクラクションの音が流れ込んでくるのです。
渉がビールに口をつけると、浴びるようにあおりました。
コンビニを出てから、信号の手前の道を曲がった先に、この公園が右側に見えてきます。
公園にふらりと寄って、ベンチに座って呑んだくれている渉の頬には、ほんのりと赤みがさしていました。
渉は今までに、数えきれないほどの告白をされてきました。
それくらい容姿には恵まれていて、背がすらりと高く、何もしなくても程よく筋肉がつき、目鼻立ちも整っています。
そのおかげなのか、彼女が途切れた覚えがありません。
それなのに今は一人で、最後のビールを吞んでいます。昨日の晩とは、大違いでした。
いくつものビールを開けて、缶を傾けたついでに、渉が夜空を見上げると、ベランダからよく月が見えたのです。
しかし渉が感じたのは風流でもなんでもなくて、どうでもいい景色と変わらないということだけでした。
【ここまでが冒頭です】
読んでくださった皆様へ
冒頭をご覧いただき、ありがとうございました。
タイトルをつけるのに悩んだ末に、かなり長いタイトルになってしまいました。
この青年がどうなっていくのか、見守っていただけると嬉しいです。
続きは以下のサイトから、すべてご覧いただけます。お時間のあるときに、どうぞお越しください。
【追記:2025年12月21日に新サイトへ移転したので、URLを差し替えました】
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