「本ってなんだろうね」
昨夜読み終えた小説は、宮藤官九郎脚本で最近映画化された「サンセット・サンライズ」。その前はポール・オースターの「ガラスの街」を読んでいた。
ミステリー作家のニューヨークの自宅にかかってきた間違い電話から始まる「ガラスの街」。探偵事務所と勘違いした電話相談に乗り、作家はにわか探偵となって老人の尾行を続ける。変化のない日常、可笑しな会話。脈絡も結末も有るような無いような。感覚的な物語。
「サンセット・サンライズ」は、東北三陸の町に移住した都内大手勤務の男性が主人公。コロナパンデミックでリモートワークが推奨されたのを機に、趣味の釣りが楽しめる場所に越した男性。震災復興中でコロナ禍の地方都市での群像劇。
相変わらず乱読スタイル。
朝食中に妻が、「本ってなんだろうね」と独り言ともなく言った。
最近読書量が増えている彼女だから、いろいろ感ずるところがあるのかなと、僕なりに応えてみた。
「本ってさ、映画や音楽と違って自分のペースで読み進めるからさ…」
「そういう難しいこと言っているんじゃないのよ。本って何かやりながら読めないじゃん。ドラマなら別のことをしながらでも観られるけど、本は本を読むだけになるってこと」
僕がまるで哲学的な話に展開しようするのを制するように言われた。
そういうつもりじゃなかったんだけどな。
で僕は言った。
「そうだね。本はついでで読めないね。本ってなんだろうね」
妻は意見や解釈を求めていない。
これでいい。
