8月、腫れ物に触れる
一昨年2023年の夏、僕は最悪だった。
自分でもはっきりとわかるくらい、とにかくイライラしている。
昼間は、商店街を通行止めにした地域のお祭りだった。
家族全員で行っているにも関わらず、1人だけ距離を置いてゆっくりと歩き不貞腐れていた。途中で「やることがあるから」とさっさと先に帰った。
どっちが子どもだかわからない。
夜は、地元のラグビーチーム主催の交流イベント+花火。
駅からの送迎バスの中、輩のように肩を怒らせてシートに浅く腰掛ける。
周りに迷惑をかけるような奴がいようものなら、本気でけしかけるくらいの気持ちでいた。イキったヤンキーと対して変わらない。
花火は確かに綺麗だったが、打ちあがるまでの時間が長い。打ち上げ全体のスケジュール感がわからない。
広い運動場を開放し、イベントステージには芸人まで上がっていたが、僕にとってはPCに触っているほうが有意義だ。
とにかく周りをとりまくものすべてが不愉快だ。
思春期にでも戻ったのだろうか。
🎐🎐🎐
翌年の夏、景色は一変していた。
商店街のお祭りでは、地元の人たちによる全国レベルのよさこいダンスに心を揺さぶられていた(末娘の同級生もメンバーの一人だったが、大人も子どもも、とにかく”ガチ”だった)。
末娘とお揃いのマスキングテープを買った。フリーマーケットで売られているもので一つ50円。スイーツの絵柄がかわいい。

次の年は花火には行かなかったが、東武ワールドスクウェアに行き、一泊二日で鬼怒川の家族旅行を楽しんでいた。

それでも絶景でした
気づいてしまった。
僕は、お金がないことで品物を選ぶこともできない。
選択肢がない=「お金がない現実をまざまざと見せられること」に精神的なダメージを負っていた。
子どもたちにカッコ悪い姿を見せたくないとかではない。
そんな瞬間は何度もあったはずだ。
ただ、多少は何かを買ってあげたかった。
「なんでも」じゃなくても、限られた予算の中で色々と考えを巡らせて、自分なりの買い物体験と思い出を作ってほしかった。
そして、今ならわかる。
あの時は、まだまだ本気じゃなかった。お金を稼ごうという気持ちも、案件の取り方も。いくら欲しくて、そのために何をするのかも。
今度は、あの花火からも、たくさんのことを感じ取れるかもしれない。

この写真だけはお気に入りの一枚
(920文字|絵文字や写真への文字も含めると986文字)
凛花さんの「月刊tote」への寄稿記事でした!
最近は、月の中旬になると「そろそろtote記事の募集時期かな」と大分習慣化されてきています。
少しだけ先の季節に想いを巡らしながら、noteを書いている瞬間が結構スキです!
プロフィール
・花邑 灯火(はなむら ともしび)
適応障害から復職したベンチャー会社員&パラレルワーカー。アートや捉え方の視点などを発信中。

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