大人の関係ってこういうことか、と思った出会い
これは僕自身が無事に初体験を終えて、マッチングアプリに慣れ始めてきた頃に初めてセフレが出来た時の話。
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マッチングアプリで初めて出会った彼女は、どこか落ち着いた雰囲気をまとっていて、話し方もゆっくり。
2人とも同世代。
結婚に焦るというよりも、“ちゃんと向き合える人がいればいいな”という感じのスタンス。
待ち合わせたのは小さなレストラン。
会ってすぐ、「写真より優しそう」と言われて、俺はちょっと照れながら「実物のほうがいいってこと?」と返した。
彼女は笑って、「まあまあ、ってとこかな」と。
話は自然と弾んで、仕事のこと、休日の過ごし方、好きな映画──。
2軒目のバーで少し酔いがまわってきた頃、彼女がふと「このあと、どうする?」と聞いてきた。
そんな経験がまだ少なかった俺はホテルの入り口で、一瞬だけ躊躇った。
でも、彼女が小さくうなずいたから、そのまま手を取って中へ入った。
部屋に入ってからも、すぐにどうこうってわけじゃなくて、しばらく音楽を流しながら喋ってた。
急がなくていいよって言うと、彼女は「うん、でも、したくなったらするから」って笑ってた。
多分俺が経験が少ないことを見抜いてたんだと思う。
キスのタイミングも、服を脱がす瞬間も、どこか静かで、それが逆にすごくエロかった。
体を重ねながら、ただの“勢い”じゃない、ちゃんと繋がってる感覚があった。
その夜、彼女と何度も交わって、朝まで一緒にいた。
あの夜から、俺たちの関係ははじまった。
付き合うとか、彼氏彼女とか、そんなはっきりした言葉はなかった。
でも、定期的に会って、連絡を取り合って、時には朝まで一緒にいたり、どちらかが落ち込んだ時はそっとそばにいたり。
会うペースは月に2回くらい。
平日の夜、どちらかが早く終わった日。
お互い仕事の合間を縫うように会って、ホテルに行って、少しの会話と少しの愛撫、静かなキスと、体を重ねる時間。
エッチの相性が良かった。
経験が少ないながらそれだけは確信していた。
でも、実は体の相性だけじゃなかった。
今思い返すと、終わった後にベッドで並んで話す時間がなんだかんだ一番好きだったのかもしれない。
彼女がある日、「こういう関係、周りには言えないけど、私には必要なんだよね」って言ったことがあって。
俺も「わかるよ」って返したけど、本当はそれだけじゃなかった。
彼女の笑い方、髪をかき上げる仕草、首筋に残る香水の匂い。
会えば会うほど、惹かれていっていた。
でも、お互いが“それ以上”を望んでなかったからこそ、関係は続いた。
しかしそんな関係も長く続くわけもなく、終わりは突然訪れる。
ある日、彼女から「職場の人と付き合うことになった」とだけLINEが来た。
俺は少し悲しくなりながら、「よかったね」と返した。
会うのは、その日が最後だった。
最後の夜、彼女はいつも通り俺の胸の中で眠って、「これで最後だと思うと、ちょっと寂しいね」って。
俺も、「うん。でも、ありがとう」って、素直に言えた。
振り返ると、彼女との2年間は、恋人よりも深くて、でも恋人ではない不思議な関係だった。
求め合って、癒されて、少しだけ寂しさを埋めてた。
名前がないからこそ、壊れずに続いた。
けれど、名前がなかったからこそ、ちゃんと終わったのかもしれない。
今はもう連絡も取ってないけど、ふと夜の街を歩いていると、あの頃の彼女の香りがするような気がする時がある。
たぶん、俺は一生あの関係を忘れない。
「大人の関係って、こういうことか」って思ったあの夜のことや経験は、これからもずっと俺の中に残り続ける。
