絵本感想&レビュー『ことばコレクター』
『人に寄り添い、揺さぶり、動かす
言葉とともに生きていきたい』
と感じた作品
🌻こんな人におすすめ🌻
👉言葉に興味がある子どもや大人、すべての方
👉お子様への読み聞かせを考えている方
👉教育関係者の方
👉創造的な活動に携わる方
🌼あらすじ🌼
この絵本は、美しい言葉、面白い言葉、珍しい言葉など、あらゆる言葉を集めるのが大好きな男の子の物語です。
主人公のジェロームは、耳に飛び込んでくる言葉、目についた言葉、本の中に書かれている言葉、ことりが歌っているような言葉など、様々な場所から言葉を集めます。
集めた言葉は、スクラップブックに丁寧に貼り付け、整理していきます。
ジェロームのコレクションは、どんどん増えていき、部屋中が言葉でいっぱいになります。
ある日、ジェロームは、部屋の中で転んでスクラップしていた言葉が全部ぐちゃぐちゃになってしまいました。
そうしてジェロームは、だれも聞いたことがない詩を書き、歌をうたいはじめます。
一人の少年の言葉あつめを通して、「ことば」の持つ力をえがいた壮大な物語です。
🌸感想🌸
タイトルを見た瞬間に、すぐに読みたいと思いました。
「ことばコレクター」という言葉をはじめて見た時に、まさに小さい頃の私のようだと感じたからです。
1枚ページをめくると、たくさんの言葉が書かれた紙がタイトルの周りを囲むように敷き詰められています。
言葉を集めることが好きなジェロームの目線で世界を見つめ直すと、こんなに世界には面白いものであふれているのか!と感動しました。
私はこの絵本を読んで、言葉一つ一つがもつ響きやイメージ、意味合いの面白さに気づき、主人公のジェロームのように言葉の魅力に改めてはまってしまいました。
また、この絵本は海外の絵本であるため、翻訳をされています。
イラストの中にたくさんの言葉があることから、翻訳がとても難しそうだなと感じました。
原文の絵本との違いも気になるので、原文も近いうちに読んで、感想を追記したいと思います。
また、この絵本を読んで北原照久さんの「人間の体は食べ物で作られる。 心は聞いた言葉で作られる。 未来は話した言葉で作られる。」という言葉を思い出しました。
みんなが心の中に素敵な言葉をもって、そんな言葉をたくさん使っていけばこの世界はもっと素敵になるのではないかと感じ、私自身が使っている言葉をもっともっと磨いていきたいと思う作品でした。
何度も読み返して、心にとどめておきたいです。
🌹レビュー🌹
この絵本は、ニューヨークタイムズ・ベストセラーでもあり、オバマ元大統領夫妻が推薦しています。
作者のピーター・レイノルズは、アリスン・マギー作の「ちいさなあなたへ」の絵をはじめ、数えきれないほどの絵本を手掛けられた絵本作家です。
また、翻訳をされたなかがわちひろさんは、作家であるとともに、数多くの絵本の翻訳を手掛けられている翻訳家です。
そんなお二人が中心となってできあがったこの絵本を別の角度からとらえ直すために、今回はこの本を翻訳されたなかがわちひろさんのサイト(注1)を見ると、以下のように書かれていました。(一部抜粋しています。)
「主人公のジェロームくんは、おきにいりの言葉をあつめる「ことばコレクター」です。
でも、あたりまえだけど、彼が集めたのは英語だったのです。
翻訳者としては、原文と離れた訳語を考え出さなければならない箇所が多くありました。
だって「音節がふたつで、特別感のある」英単語や「音節がたくさんあって小鳥の歌声のような」英単語を直訳したところで意味はありません。そんな印象をうける日本語単語を探さなくては。
とにかく、この本の目的は、日本語で読む子どもたちに、言葉のおもしろさに気づいてもらうことなのです。」
言葉にかかわるお二人の言葉に対する熱い想いが伝わってくる作品です。
「ことばコレクター」印刷中です。, 2025年3月14日
🌷まとめ🌷
この絵本を読んで、私は、言葉との向き合い方を変えると自分が変わり、やがて見える世界が変わるといっても過言ではないと私は感じました。
たとえ、その言葉の意味がわからなくても、好きなものは好きだと感じる子ども心を育てて、言葉に触れて集めていく。
すると、言葉の芽が自分の中で育ち、いつか自分の言葉として表現できるようになる。
そう信じて、わたしもジェロームのようにたくさんの言葉を集めていきたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました🍃✨
🌲作者🌲
作:Peter H. Reynolds / (ピーター・レイノルズ)
訳:なかがわちひろ
Peter H. Reynolds / (ピーター・レイノルズ)
1961年カナダ・トロント生まれの絵本作家、イラストレーター。『てん』(あすなろ書房)、イラストを担当した『ジュディ・モード』シリーズ(小峰書店)『ちいさなあなたへ』『っぽい』(共に主婦の友社)など、作品は多数。米国マサチューセッツ州在住。
なかがわちひろ
1958年生まれ。東京藝術大学卒業。子どもの本を中心に翻訳家として活躍するとともに作家・画家として絵本や童話作品を数多く手がけている。『どうぶつがすき』(あすなろ書房)で日本絵本賞翻訳絵本賞、『天使のかいかた』(理論社)で日本絵本賞読者賞、『かりんちゃんと十五人のおひなさま』(偕成社)で野間児童文芸賞を受賞。翻訳作品に『ふしぎをのせたアリエル号』(徳間書店)『ちいさなあなたへ』(主婦の友社)『せかいでいちばんつよい国』(光村教育図書)など、絵本や童話に『のはらひめ』(徳間書店)『めいちゃんの500円玉』『ハンカチともだち』(ともにアリス館)『すてきなひとりぼっち』(のら書店)「おたすけこびと」シリーズ(徳間書店)「プリンちゃん」シリーズ(理論社)「まほろ姫」シリーズ(偕成社)など。そのほかに『おえかきウォッチング 子どもの絵を10倍たのしむ方法』(理論社)、カモを育てた体験をもとにした『カモのきょうだい クリとゴマ』(アリス館)がある。
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