速くてカッコいいものが好き
以前、父親に「お前はどんなクルマが欲しいんだ」と聞かれて、答えられなかったことがある。
僕はそれから、「俺はクルマに興味がないんだなぁ」と思うようになった。
20代後半から、やたらと自動車事故の悪夢を見て苦しんでいたし、クルマは向いてないのだろう…とも思っていた。
◇◆◇
しかし、それはちがった。
僕は、昭和47年(1972年)生まれのスーパーカー世代である。
ランボルギーニ・カウンタックだのミウラだのに憧れて育った。
アニメ「マッハGo Go Go」を見て、いつか恐竜?の骨の中を走り抜ける夢を描いていた子どもだった。
クルマが嫌いなわけはないのだ。

「マッハGo Go Go」オープニング曲
◇◆◇
僕が欲しいクルマを答えられなかったのは、
「日本で、現実的に買えるような価格帯のなかでは、欲しいクルマがない」からであった。
その時だって、本当は、スカイラインGTRは大好きだった。
ただ、価格が777万円からだったので、言わなかっただけだ。

◇◆◇
最近、気晴らしにクルマの写真や動画を見始めた。
主に見ているのはアメリカの旧車だ。
とくにフォード・マスタングが好きだ。
あの美しいボディライン、効率なんか無視して、「速い、カッコいい」に振り切った存在感がたまらない。
ちなみに、僕は詳しいことはわからないので、ツッコミは遠慮していただけると助かる。

◇◆◇
僕ら男子は、子どもの頃から、速いもの、カッコいいものが好きだ。
シャア専用ザクが、なんであんなに人気があるかと言えば、シャア自身のカッコよさ、赤い機体もあるが、シャア専用ザクが通常の3倍のスピードだからだ。
僕もそれに痺れていたクチだ。

◇◆◇
小学校4年生の時には、自分をシャア専用ザクだと空想して、空から降る雪を機雷に見立て、横にすっ飛びながら走っていた。
シャア専用ザクのスピードがあれば、雪のように大量の機雷が降ってきても、すべて「シュッ!シュッ!」と避けられるというわけだ。
それをバス通りの歩道でやっていた。
大人が見たら、「あの子は何をやっているのだろう?」と思っただろう。
◇◆◇
しかし、小学生男子というのはそういうものなのだ。
令和8年(2026年)の現在でも、挙動不審な小学生男子がいるが、あれはなんらかの空想のなかで遊んでいるのだと思って、眺めている。
当人はいま、空想の中で、過酷な戦場にいるのかもしれないのだ。
◇◆◇
最近、クルマの写真や動画を見るためにFacebookのクルマのアカウントをいろいろフォローしているが、どうも世界各国、男子というのは大体同じものが好きらしい。
クルマ、バイク、飛行機、船、ロボット、メカ、そして可愛い女の子である(もちろん、そうでない人もいる)。
◇◆◇
男子の精神年齢は14歳でストップすると聞いたことがある。
まさか…と思ったが、年を追うごとにそれが現実味を帯びてきた。
たしかに、好きなものが14歳の時から変わらないのだ。
僕の場合はロック・ミュージック、アニメ、漫画、模型、そして可愛い女の子である。
◇◆◇
54歳になってもそうなのだから、たぶん死ぬまでそうなのだろう。
ちなみに、仲のいい友だちや仲間を見渡しても、だいたい事情は同じである。
いつまで経っても、僕の友だちや仲間は「ガンダム、ガンダム」と言っているし、クルマやバイクに目がない。
そして、そういう日々はとても楽しい。
◇◆◇
まさか、自分が精神年齢14歳のまま死ぬとは思わなかったが、これはこれで幸せである。
そして出来れば、死ぬまでにフォード・マスタングを一度でいいから、運転してみたいものである。
