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【⚾️】「元気」があれば何でもできる│2026/4/11 千葉ロッテマリーンズ2軍現地観戦記

 2026年4月11日のファーム、千葉ロッテマリーンズ対北海道日本ハムファイターズ戦(ロッテ浦和球場)の観戦記録です。

この投稿は、日本プロ野球機構(NPB)の定める撮影・配信規定を一読、遵守の上作成しております。


異例の大抜擢

 期待の逸材がついにベールを脱いだ。昨オフにドラフト1位で入団した石垣元気選手。入団の際には、「マリーンズを優勝させ、MLBでも活躍し、将来はマリーンズのGMになりたい」と壮大な夢を口にしていた。そんな元気選手は、春季キャンプでも150km/hを超える力強いストレートを投げ込み首脳陣を唸らせた。そのキャンプ後はしばらく雲隠れをしていた元気選手。動向に注目が集まる中、4月11日に2軍戦ながら公式戦デビューを飾るというニュースを見つけた。

 近年のマリーンズは高卒投手の育成に長けていると言われている。1年目は体力強化に充て、最終盤に2軍でお試し登板。2年目に2軍で試合数を積み状態がよければ1軍デビュー。3年目以降に本格的に1軍定着を目指すといいう段階的ステップが功を奏しているからだ。実際に、海を渡った佐々木朗希選手をはじめ同期の横山陸人選手、侍ジャパン入りした種市篤暉選手、期待の若手の田中晴也選手や木村優人選手らが順調に成長を見せている。
 そんな中、まだ1年目序盤にも関わらず登板機会を与えられた元気選手への期待はかなりのもの。一生に一度の初登板を見ることにした。

ドラ1ルーキーの力

 2軍の本拠地は埼玉県、武蔵浦和にあるロッテ浦和球場。ロッテ本社の製菓工場に隣接しており、閑静な雰囲気が漂う。入場料こそかからないものの、太陽による灼熱が待っている。この日は4月ながら既に25℃の真夏日。行かれる方には、日焼け対策を入念にすることを強く推奨したい。そんな浦和で試合が行われるのも今年を入れて残り4シーズン。2030年からは千葉県君津市に立派なスタジアムが出来上がる。それまでに、どこかノスタルジーを感じるこのグラウンドに、あと何回訪れることができるだろうか。

 いつもは少ない客席がぴったりと埋まるくらいのグラウンドも、今日は席の外までたくさんの人々で溢れかえっていた。怪物ルーキーのお披露目とあらば思うことは皆同じなのだろう。さらに観客だけでなく、報道記者やカメラの数もとても多い。2軍のグラウンドとは思えない程の人だかりが食い入る様に見つめる先に、背番号18の姿があった。

 グラウンドでキャッチボールを行い、次は試合前のブルペンに直行。大量のファン、報道陣、コーチ、そして、同期の毛利海大選手が見守る中投げ込みを始めた。彼もまた、ルーキーながら開幕投手を任されたものすごい選手だ。凛々しく構え、大きく腕を振り、ボールが風を切り、キャッチャーミットにパチンと収まる。その一挙一動に誰もが釘付けとなった。これがドラフト1位ルーキーの存在感なのかもしれない。

スタメン

 スタメンはご覧の通り。今日の対戦相手はファイターズ。元気選手は同期入団の同級生、岡村了樹選手とバッテリーを組んで初の実戦登板に望む。最初の1イニングを投球予定と言われており、どんなパフォーマンスが出るかに注目だ。

同期

 試合直前の投球練習を終えた元気選手。毛利選手からの激励を受けマウンドに駆けていった。ゴールデンルーキーの旅路が始まった。

大きな違和感

 いつもと同じ、毎日使っている浦和のマウンド。しかし、彼の置かれている状況はいわば非日常だ。2軍戦とはいえ「プロ野球選手として、試合でファンの前で投げる」こと自体が初なのだ。しかし、これからは仕事として何年も、何試合もこなさなければならない。そんなことは分かっていてもはじめての経験だ。ボールを握る手には自然と力が入った。
 「ボール!」「ボール!」「ボール!」。彼の生命線でもあるストレートは次々とストライクゾーンの外へと向かっていく。気がつけば3四死球で満塁の大ピンチ。タイムを取って内野陣がマウンドに集まる。ここから立ち直れると良いが…。
 一呼吸置いて、元気選手は次の打者を低めのボール球で三振に切って取る。これがはじめての奪三振。だが、経験のある選手達は隙を見逃さない。続く打者には初球をセンター前に運ばれ2失点。低めにフォークを多投したもののさらにフォアボールを出し再び満塁に。ここで美馬コーチがマウンドに向かい、投手交代を告げた。球数が30球近くになったからだろうか、予定の1イニングを投げきることなく降板となってしまった。

悔しい降板

 急遽繰り上げ登板となった2番手の秋山正雲選手も1点タイムリーを浴びたことで、初登板は1/3イニング、1奪三振、4四死球、自責点3となった。元気選手本人はコントロールが乱れたことを悔しがっていたが、首脳陣達はそれも承知の上。着目していたのはボールの質の良さだった。ゾーンにはまとまっていなかったもののストレートの最速は156km/hを記録しており、さらに投じたストレートは全て150km/hを超えていた。本調子でないにせよ、才能の片鱗を披露した右腕。再建を目指すチームの切り札となる日は、案外そう遠くないだろう。

乱打戦、のち大勝

 元気選手が1アウトを取って降板し、目的を果たした報道陣や観客達は去っていった。しかし、試合はその後も続きなんと18対7でマリーンズが大勝。18安打で18得点。元気選手の背番号18にぴったり合わせてくるとは…。

日照りの中3時間半 だいぶ焼けました(笑)

 元気選手からバトンをもらった2番手、秋山選手は1イニング目に1失点(自責点0)。2イニング目はファンブルも絡んだ4連打で4失点と大きく躓いてしまった。しかし、以降の3イニングは本来の投球を取り戻し、ストレートを中心に上手くボールを操り、無失点で切り抜けることができた。続く3番手・中森俊介選手、4番手・菊地吏玖選手は無安打に抑える圧倒的な投球を見せた。やはりボールの角度や強度が段違い。1軍で実績のある選手として、昇格に向けて準備は万全の様だ。9回表に登板した5番手・早坂響選手は3四死球と苦しみながらも打たせて取る投球で無失点で試合を締めた。

1イニング無失点の中森選手
2イニング無失点の菊地選手

 野手陣では、井上広大選手や石垣勝海選手をはじめ、マルチ安打以上が7名の乱れ打ち。中でも上記2選手は逆方向への鋭い打撃でそれぞれ4打点を記録した。井上選手は初回に右方向へ2ランホームランを放ち、石垣選手も右方向とセンター方向にタイムリーヒットを打っている。

一発を放った井上選手
攻守にアピールした石垣勝海選手

 そして、ショートを守っていた松石信八選手のプレーも目立った。打っては2つのフォアボールを選び、3安打猛打賞の大活躍だった。加えて、試合中に声で盛り上げる「ガヤーズ」としての役割もしっかりとこなしていた。この試合中、マリーンズの投手が1球投げるごとに「ナイスボール!」「その調子!」という大きな声がショートから必ず聞こえていた。声出しはベンチスターターだけの役割ではない。ただの賑やかしかもしれないが選手の気持ちを乗せる大切な役目。はじめてプロの試合を経験した元気選手からすれば多少気持ちがほぐれたのではないかと思っている。

本日絶好調だった松石選手 支配下もそう遠くないかも
ゲームセット!まりほー!!

今日を「はじまりの日」として

 未来のマリーンズ、そして日本球界を牽引していくであろう大投手の原点の日として、今日のことを私も目に焼き付けた。掴み取ったプロ野球人生でこれからどの様に道を歩んでいくのかが楽しみだ。再建を目指すチームの切り札となる日は、案外そう遠くないのかもしれない。

投手陣の反省会 元気選手は中心で投球を振り返る
練習場へ引き上げる元気選手(左)と坂井選手(中)、井上選手(右)

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