このNOTEを少し育てることにしました。─「人には希望がある」と思えるようになるまで
実は私は、ファシリテーターになって10年ほど経っても、人が集まる場に立つたびに、どこか不安を抱えていました。
「今日はうまくいくだろうか。」
「協力的でない人がいたらどうしよう。」
「場がまとまらなかったらどうしよう。」
今思えば、私は参加者ではなく、自分の不安を見ていたのです。
そんな頃、一冊の本に出会いました。
Bob Stilgerの『After Now(原題)』(邦題:『未来が見えなくなったとき、僕たちは何を語ればいいのだろう〜震災後日本の「コミュニティ再生」への挑戦、英治出版、2015年)です。
東日本大震災のあと、アメリカから日本を訪れ、被災地で対話の場をつくってきた彼は、本の中で、こんな言葉を書いていました。
「世界は心ある普通の人々で満ちている。」
その一文を読んでから、私は場を見る目が変わりました。そして十年以上、その言葉を確かめるように場をつくり続けてきました。
その中で、私自身の言葉になった一文があります。
それが、
「人には希望がある。」
です。
私は、世界の見方を間違えていたのです。
危険な人や、対立する人ばかりを無意識に想定していた。
だから、場が怖かった。
だから、初めての人と会うことも、海外へ行くことも、どこか緊張していました。
でも違ったのです。
世界には、誰かの役に立ちたいと思う人がいる。
より良くしたいと願う人がいる。
静かに誰かを思いやる、普通の人たちがいる。
そのことを信じるところから、場づくりは始められるのではないか。
そう思ったのです。
それ以来10年間、私のファシリテーションは少しずつ変わりました。
「どうすれば場をうまく運営できるか。」
ではなく、
「この人たちの中には、どんな可能性があるだろう。」
そんな問いを持って場に立つようになりました。
もちろん、いつも理想どおりに進むわけではありません。
激しく意見がぶつかることもありました。
沈黙が続くこともありました。
場が荒れることもありました。
それでも私は、人が集まるところには希望があると信じていました。
今も、そう信じています。
それは、楽観的だからではありません。
人は、お互いの声に耳を傾け、新しい一歩を選ぶ力を持っている。
その姿を、私は何度も見てきたからです。
だから今、私はこう思っています。

人には希望がある。
そして、その希望は、一人で生まれるのではなく、人と人との間で育っていくものなのだと。
この一冊の本との出会いから、私の場づくりは変わりました。
でも、それ以上に変わったのは、世界の見方でした。
以前の私は、「どうすればうまくできるか」を考えていました。
今の私は、「人の中には、どんな可能性があるだろう」と問いかけるようになりました。
そして、その問いは、場づくりだけではなく、私自身の生き方にも広がっていきました。
・本を読むことも。
・人前で話すことも。
・誰かと対話することも。
・そして、毎日を生きることも。
すべてが、「人には希望がある」という一つの問いにつながっていることに気づいたのです。
だから、このNOTEでは、単にワールド・カフェやファシリテーションの技術を書くだけではありません。
私自身が学び、迷い、育ち続けるプロセスを、そのまま書いていきたいと思っています。
なぜなら、そこが私の原点だとはっきり意識したからです。これまでNOTEは、いろんなことを書いていましたが、ばらけていました。それは私が原点に気づかなかったからです。
こうして振り返ると、私が書きたいことは、いつも同じでした。
でも、その入口はいくつもあります。
ある日は本から始まり、
ある日はスピーチから始まり、
ある日は日々の暮らしから始まる。
だから、このNOTEを五つの旅に分けることにしました。
🌏 生きる
日々の出来事、旅、健康、人生の節目。
何気ない毎日の中にある、小さな気づきを綴ります。
🌱 育つ
対話や読書、日常の出来事から生まれた問いを育てる場所です。
完成した答えではなく、「育っていく考え」を書いていきます。
📚 読む
人生を変えてくれた本との出会い。
読書を通して見えてきた世界や、自分自身の変化を紹介します。
🎤 話す
パブリックスピーチや即興スピーチ、英語で話す挑戦。
「話す力」を通して、「生きる力」を育てていきます。
☕ 対話する
ワールド・カフェやファシリテーション、コミュニティづくり。
人と人との間に希望が育つ場について考えていきます。
どの記事から読んでいただいても構いません。
でも、もし読み続けていただけたなら、きっと一つの共通したテーマに出会うと思います。
それは、
「人には希望がある。」
ということです。
私は、そのことをこれからも確かめ続けたいと思っています。
そして、この新しいNOTEが、あなた自身の希望や、誰かを信じる気持ちを育てる小さな場所になれば、これほど嬉しいことはありません。
このNOTEで書きたいのは、何かを教えることでも、正しい答えを伝えることでもありません。
私自身が学び、迷い、育っていく、その過程です。
その歩みを記録することで、読んでくださる方も、自分自身の問いや希望を育てていける。そんな場所になればと思っています。
私にとって、このNOTEもまた、一つのワークショップなのです。
そして、いつかどこかで、実際にご一緒に場をつくることができたら、それほど嬉しいことはありません。

