重力探偵:少女#1 【重力制御シリーズ】
「人類は重力の制御に成功した。
それが何を解決したのか。
誰もよく分かっていない」
彼は私立探偵だ。
「重力探偵」と名乗っている。
理由は、特にない。
朝、コーヒーを淹れようとした。
愛用のコーヒーカップが見当たらなかった。
依頼の電話が鳴った。
「娘の様子がおかしいんです」
「はい」
「急に聞いたこともない言葉で罵り始めて」
「……言葉?」
自宅を見上げる階段下のベンチで落ち合った。
「それで……娘さんは首が回りますか?」
「……いいえ?」
「吐いたりとかは?」
「吐く?」
「ええ。緑色の吐瀉物のようなものです」
「……何をおっしゃってるんですか?」
「……お邪魔してもよろしいですか」
不貞腐れた十代の少女だった。
壁にはK-POPアイドルのポスター。
韓国語入門の本が一冊あった。
「お嬢さん、反抗期ですか?」
「まぁ、年頃ですから」
苦笑した。
「お母様が聞かれた言葉というのは、」
少女が叫んだ。
聞いたことのない言語だった。
自宅に戻った。
グリーンピース・ポタージュが湯気を立てていた。
教会に連絡をした。
(続く)
着想:エクソシスト(1973)
いいなと思ったら応援しよう!
【重力制御システム維持費援助のご依頼】
精密なインフラなので、想定以上の運用コストが掛かってます。
ご支援お願いします😊