現代の世話焼き人トミセンス〜愛を勝たせて売上を3倍にした男〜(前編)
私の営業所は業界内でも女性比率が高かったため、代理店の商社さんから合コンのセッティングを頼まれることが日常茶飯事だった。
しかし、過去にさまざまな揉め事(痴話喧嘩、二股騒動など)があった為、先輩方は、この依頼に消極的だった。
そこで私、トミセンスが立ち上がった。「揉め事ゼロ」はもちろん、明確な「ゴール(成婚)のある合コン」をプロデュースしようと決意したのだ。
その戦略は、徹底していた。
徹底したスクリーニング: 恋人がいる人はメンバーから除外
事前リサーチ: 参加者全員のプロフィールを作成し、好みを徹底ヒアリング
マッチング予測: 開催前にあらかじめ「勝てるペア」を想定
現場視察: 会場は慎重に選定し、事前に必ずロケハンを行う
戦略的配置: 事前ヒアリングを基に、完璧な席順を計算
エンタメの仕込み: 場を盛り上げるためのゲームをあらかじめ構築
この完璧なリサーチと戦略が功を奏し、なんと1年間で10組のカップルが誕生。そのうち5組が結婚までゴールインするという、驚異の「成婚率50%」を叩き出した。
信頼関係が爆発的に深まった結果、市場全体が冷え込む逆風の中、その代理店の売上は前年比「3倍」にまで跳ね上がったのだ。
私は年間優秀賞を獲得し、全社の式典で成果発表をする栄誉を手に入れた。 壇上のスクリーンに映し出された1枚目のスライド。そこには大文字で、
私の信念のすべてが表現されていた。 ――『愛は勝つ』
最高の業績を引っ提げた、最高に熱いプレゼン。
会場は大盛り上がりだったが、私の直属の上司は、さらにその上の上司に呼び出され、「なぜ事前に資料を確認しなかったんだ!」と大目玉を食らったそうだ(上司には本当に申し訳ないことをした)。
売上が伸びただけでなく、社内の女性陣からも感謝され、その後の仕事ははかどる、はかどる。
さらに、営業所には合コンセッティングの依頼がジャンジャン舞い込むようになった。
みんな幸せになりたいけれど、あと一歩の勇気が出ない。 その架け橋になることで、自分の周りに幸せな笑顔が増えていく。
これぞ、現代の世話焼き人トミセンスの、一番誇らしい仕事の記録である。
