決めポーズは機関銃。圧倒的成果で私を飛び越えていった新卒女性営業!
初めて、我が営業所に「新卒の女性総合職」が配属された。
「トミセンス、お前がチューター役をしてくれ」 営業所長から軽いタッチで指令が下る。日頃からガサツな突撃営業を繰り広げていた私だ。
若い女性社員にどう接していいのやら、全く見当がつかない。
業務の大半は車での同行営業となる。となれば、まずは営業車の掃除だ。
さっそくガソリンスタンドへ乗り込み、洗車と車内清掃を徹底的に行った。
それにしても車内の汚いこと。
シートの隙間からマックのポテトの欠片が出てきた時は、あまりのずぼらさに気が滅入った。
ともあれ車はピカピカになり、いざ同行営業がスタートした。
しかし始まってみると、常に後輩の視線を感じてどこか落ち着かない。まるで自分が監視されているかのようだ。
格好悪い姿は見せられないと張り切った結果、気づけば訪問件数は跳ね上がり、商談内容も充実。売上まで伸びていった。
(もしや営業所長は、最初からこの「監視効果」を狙っていたのだろうか?)
一番頭を悩ませたのはランチの場所だ。
これまではコンビニのおにぎり、吉野家の牛丼、車内でかぶりつくハンバーガーで済ませていたが、新卒の彼女にはしっかり昼休憩を取らせてあげねばならない。
訪問先周辺で「オシャレなランチが食べられる店」を事前にリサーチするのが、いつしか私の新たな日課となった。
ぎこちなかった昼食の時間も、世間話から始まって次第に打ち解けていく。
それどころか「女性目線での営業提案」について、こちらがレクチャーを受けるまでに立場が逆転していった。
そんなこんなで3ヶ月が経過し、彼女は無事に独り立ちを果たした。
そして営業として単独デビューした最初の月、なんと彼女は営業所トップの達成率を叩き出したのだ。
全体会議の席上、営業所長から最大の賛辞を贈られ「一言コメントを」と振られた彼女。
すると、おもむろに立ち上がり、両手で機関銃を構えるしぐさをしながら一言。
「カ・イ・カ・ン」(快感)
昭和の名作映画(薬師丸ひろ子主演『セーラー服と機関銃』)を彷彿とさせる決めポーズに、静まり返る会議室。
圧倒的な結果と強烈なインパクトを残し、彼女はチューターである私をあっさりと飛び越えて、出世階段を駆け上がっていったのだった。
