去る者は追わず

僕の前から誰もいなくなった

去る者は追わずって言うけど

あんまりだよ

もともと僕には親も兄弟もいない

両親の残してくれた莫大な遺産で引きこもり生活をエンジョイしていた

食事や洗濯や掃除などは三人の家政婦さんがやってくれていたのだが

三日前から三人とも来なくなった

連絡しようにも僕はスマホも持ってない

仕方なく10年ぶりに外へと出た

街には誰もいない

そしていたる所に張り紙が

地球最後の日?

巨大隕石来襲?

惑星ナッツ移住計画?

映画のポスターかな

僕はテレビも見ないしラジオも聞かないしインターネットもやらない

だから外の事は何も知らない

どこまで歩いても誰とも出会わない

その時、僕の周りの空気が震えた

そしてもの凄い轟音

見上げると巨大なロケットが上昇してゆく

もしかして・・・

ある思いが僕を捉えた

僕は息を切らして駆け出していた

誰もいない

ポスター

ポスター

ポスター

惑星ナッツへ12月2日出発

今日だ

2026年1月1日地球最後の日

巨大隕石来襲

さらば地球

これらのポスターを見て僕はすべてを理解した

約一ヶ月後地球はなくなる

そしてほとんどすべての人間と動物がさっきのロケットで地球を脱出した

そして僕は残された

去る者は追わずって言うけど

追いたいよ

でも追えない

去る者は追えずってか

一ヶ月後

僕は地球の最期に立ち会う




こちらの企画に参加させて頂きました。よろしくお願いします。

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