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平均的な人間は存在しない

平均的な人間は存在しないという。

かつて一万五千人の若い成人女性から集めた体の各部位のサイズを平均値にし、その体型で作られた彫刻ノーマがあった。そしてノーマにもっとも近い体型の女性を選ぶコンテストが行われた。すると四千人弱の参加者のうち、すべての部位で平均の範囲内だった女性は一人もいなかったのだ。


ノーマ『ハーバードの個性学入門』p.18

ところで平均と言われると俺は東京FM発『NISSAN あ、安部礼司 ~BEYOND THE AVERAGE~』を連想する。日曜日の夕方ドライブ中によく聴く。
公式サイトには「この物語は、ごくごく普通のサラリーマン・安部礼司がトレンドの荒波に揉まれる姿と、それでも前向きに生きる姿を描いた勇気と成長のコメディである」とある。
文字通り「平均」という名前の主人公が「揉まれながら前向きに」生きる姿がコメディタッチで描かれる。物語は一話完結だがつながっていて、会社での出来事とプライベートでの出来事が程よく交差・ブレンドされ展開していく。率直に言って面白い。毎回翌週が楽しみになる。

公式サイトを訪れて驚いたのが、主人公安部礼司の誕生日が10月10日だったことだ。
「オレと一日違いじゃねーか!」
俺の誕生日は10月11日なのだ。
さらに安部礼司の生誕地は静岡市だ。
俺のそれは静岡市隣接の藤枝市なのだ。
何かの巡り合わせが違っていたら俺は安部礼司だったかもしれない!

そう思うのにも理由がある。
俺には小学校中学年の頃に「オレって平均的な人間なんだ」と思った時期があったのだ。なぜそう思ったかというと成績がほぼオール3だったからだ。一つ4があった。その成績表を見て、自分は優秀ではないがかといってひどく頭が悪いわけでもないのだな、と子供心に思ったというわけだ。

安部礼司は日本人の平均値だ。誕生日が10月10日で生誕地が静岡市。
俺はかなりこの平均値に近かったが微妙に違っていた。平均値そのもの=安部礼司にはなれなかった。しかも成績は「ほぼ」オール3でオール3ではなかった。
これはまさに「平均的な人間は存在しない」ことの証左ではないか(笑)

(826字)


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