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冬芽と春の足音 絵本「ふゆめがっしょうだん」

 三月に入り、暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続いています。朝の冷え込みに、厚手のコートを手放せずにいる人も多いのではないでしょうか。それでも、木々の枝先に目を向けると、小さな春の気配を見つけることができます。

 木の枝にぽつぽつと並ぶ、小さなふくらみ。それが「冬芽(ふゆめ)」です。冬芽とは、春に向けて新しい葉や花を準備している芽のこと。寒い冬の間、じっと耐えながら、成長の時を待っています。

 たとえば、桜の冬芽は硬く閉じていますが、春が近づくと少しずつほころび、やがて淡いピンクの花を咲かせます。ケヤキやトチノキの冬芽は樹脂で覆われていて、まるでロウ細工のようにツヤツヤと光っています。冬芽の形や質感は樹木ごとに異なり、その姿や形も様々です。

 たとえば、こんな感じです。

左から 「イチジク」 「カナクギノキ」
「キウイフルーツ」


左から 「クズ」 「コナラ」 「トチノキ」


左から 「ニガキ」 「ネコヤナギ」 「ノグルミ」


 そんな「冬芽」を題材にした絵本が、『ふゆめがっしょうだん』です。35年程前に発行されたものですが、隠れたベストセラーのようです。

 この絵本は、冬の森で静かに春を待つ木々の冬芽を、美しい写真と優しい言葉で紹介しています。

 タイトルの「ふゆめがっしょうだん」とは、冬芽たちが集まって合唱団のように見えることからつけられたものです。よく見ると、冬芽にはまるで顔のような形をしたものがあり、笑っているようだったり、驚いた表情をしていたりします。

 こうした冬芽の表情を通じて、森の木々が春に向けて息をひそめながらも、確かに生きていることを感じられる一冊です。

 冬の木々は、一見すると何も変化がないように見えます。でも、冬芽たちはちゃんと春の準備を進めています。それは、私たちの日々の暮らしにも通じるものがあるのではないでしょうか。

 寒い日が続き、春が待ち遠しく感じられる今こそ、小さな冬芽の姿に目を向けてみませんか。彼らの静かながらも力強い成長を思えば、寒さの中にも希望が感じられるかもしれません。

 もうすぐは〜るですねぇ、、、

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ふゆめがっしょうだん
 長 新太 (著)、冨成 忠夫/ 茂木 透 (写真)
 福音館書店 (1990/1/31)
 冬の公園や雑木林で、木の芽を見てごらん。ほら、ウサギさんがいたりコアラ君がいたり・・・・冬芽って動物たちの顔に見えるんだね。木の芽の冬姿を撮影、拡大した愉快な写真絵本です。
( ※ 書籍の解説等は原則としてリンク先(Amazon)における解説をベースに記載しています。詳細内容はリンク先を参照願います。)



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