14歳にも分かる ゲーム理論入門
ゲーム理論ってなに?
ゲーム理論は、「自分以外の人の行動を予想して、自分にとって一番良い結果を選ぶための考え方」のことです。なんだか難しそうに聞こえるかもしれないけど、普段の生活にもゲーム理論を使っている場面はたくさんあるんですよ。
例えば、
・友達とじゃんけんをする時、相手が出しそうな手を予想して、自分の手を決める。
・お店でバーゲンセールをしている時に、他の人が買いたい商品をどれくらい欲しがっているか考えて、自分が買うかどうかを決める。
・サッカーの試合で、相手チームの動きを読んで、どの場所にパスを出すか決める。
これらも、広い意味ではゲーム理論を使っていると言えます。
ゲーム理論では、こういった「お互いに影響しあう状況」を、数学を使って分析するんです。
1.ゲーム理論のポイント
ゲーム理論を考える上で大切なポイントは、次の2つです。
(1)みんな自分にとって一番良い結果を求めている
ゲームに参加している人はみんな、自分にとって一番得になる選択をしようとします。
(2)相手も自分と同じように考えている
相手もまた、自分にとって一番良い結果を求めて行動している、ということを考えに入れて選択をします。
この2つのポイントを考えて、自分にとって最適な選択を見つけ出すのがゲーム理論なんです。
2.ゲーム理論に含まれるいろいろなアルゴリズム
ゲーム理論には、たくさんの「アルゴリズム(問題を解くための手順や方法)」があります。
ここでは、いくつか代表的なものをご紹介しますね。
(1)ナッシュ均衡 (Nash Equilibrium)
相手がどんな行動をとったとしても、これ以上自分の選択を変えても得にならない(今が最高の)状態のことです。
つまり、「相手の行動を予想した上で、自分にとってこれ以上良い選択がない(悪くならない)」という状態ですね。
みんながナッシュ均衡にたどり着くと、その状況は安定すると考えられています。
【主な利用分野】
・経済学
企業が価格競争をしたり、商品の生産量を決めたりする時に、他の企業の行動を予想して最適な戦略を立てるのに使われます。
・政治学
国と国との交渉や、選挙での戦略などを分析するのに使われます。
【実際の例】
・囚人のジレンマ
有名な例で、2人の犯罪者が捕まった時に、それぞれが自白するか黙秘するかで、お互いにとって一番良い結果にならない場合があることを示します。
両方が自白した方が、実は悪い結果になったりします。
・チキンゲーム
2台の車が向かい合って走り、どちらが先にハンドルを切るか競うゲームです。
どちらもハンドルを切らないと衝突してしまいますが、先にハンドルを切ると負けという状況で、ナッシュ均衡を考えることができます。
(2)ミニマックス法 (Minimax Algorithm)
最悪の状況を考えて、その中で最も良い結果を得られるように行動するアルゴリズムです。
「相手は必ず自分にとって一番不利になるように動いてくるだろう」と考えて、それでも自分が一番損をしないように選択する方法です。
【主な利用分野】
・コンピュータゲーム(特にボードゲーム)
チェスや将棋などのコンピュータプログラムで、相手の次の手を予測して、自分が負けないような手を打つために使われます。
・意思決定
災害対策やリスク管理など、最悪の事態を想定して計画を立てる時に使われます。
【実際の例】
・三目並べ(まるばつゲーム)のAI
コンピュータが三目並べをするとき、次に相手がどこにマルやバツを置くかをすべて計算して、自分が負けないようなマスに置くためにミニマックス法が使われています。
(3)部分ゲーム完全均衡 (Subgame Perfect Equilibrium)
ゲームがいくつかの段階に分かれている時に、それぞれの段階(「部分ゲーム」と呼びます)でナッシュ均衡になっている状態のことです。
未来の行動まで見越して、今、一番良い選択をするという考え方です。
【主な利用分野】
・国際交渉
長期的な視点で、複数の段階を経て行われる交渉の戦略を分析するのに使われます。
・企業戦略
新しい商品の開発から販売まで、複数のステップがあるビジネス戦略を立てる時に使われます。
【実際の例】
・新商品の市場投入
ある企業が新しい商品を市場に出すかどうかを考える時、競合他社がどう反応するか、そしてその次の段階で自分たちがどう行動するかまで含めて、戦略を立てるような場合に当てはまります。
(4)フォーク定理 (Folk Theorem)
ゲームが何度も繰り返される場合、協力すればみんなにとって良い結果になることがたくさんある、ということを示す定理です。
一度きりのゲームではナッシュ均衡にならなかったとしても、繰り返しゲームをする中で、お互いに協力し合うことでより良い結果が得られることがあります。
【主な利用分野】
・繰り返し行われる取引や交渉
企業間の長期的な取引や、国同士の外交交渉など、何度も関係性が続くような場面で協力関係がどのように生まれるかを分析するのに使われます。
・社会契約
人々が社会の中で協力し合ってルールを守ることの重要性を説明するのに使われることがあります。
【実際の例】
・漁業資源の管理
漁師たちがみんなで魚を獲りすぎないように協力すれば、未来も魚を獲り続けられる、という状況を考えることができます。
もしみんなが自分のことだけを考えて獲りすぎてしまうと、魚がいなくなってしまう可能性があります。
おわりに
ゲーム理論は、自分や相手の行動をよく考えて、どうすれば一番良い結果になるかを分析する、とても面白い学問です。
普段の生活の中にも、ゲーム理論の考え方を使う場面はたくさんあるので、ぜひ周りの出来事を「ゲーム理論」の視点から見てみてくださいね!
PS
『AIとゲームをやって勝つ方法』
「相手もまた、自分にとって一番良い結果を求めて行動している」を基本としてAIは差し手を考えています。
そこで「裏」をかいて「悪手」を打つと、以外と「慌てて」変な手を打つかもしれませんよ。
まあ、大抵はボロ負けするのがオチですが。
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