看護に活かせる胸痛の臨床推論 ― 5 Killer Chest Pain を軸に考える ―
胸痛は日常診療でも、救急でも入院中の患者さんでも遭遇頻度が高い症候です。
しかし本質は「よくある原因を当てること」ではありません。
“命に関わる疾患を除外できるか”
ここが臨床推論の勝負どころです。
◆推論の基本フレーム
1. バイタルは安定しているか?
2. 突然発症か?
3. 痛みの性質
4. 呼吸で悪化するか?(増悪因子)
5. リスク因子は?
1.まず最初に考える:Critical(クリティカル)
◆5 Killer Chest Pain(致死的胸痛)
①急性冠症候群
◆特徴
・圧迫感・締め付け感・放散痛
・冷汗・悪心
・リスク因子(糖尿病・高血圧・喫煙など)
◆評価
・心電図:ST変化
・採血:トロポニン、CK-MB
②大動脈解離
◆特徴
・突然の激痛
・裂けるような痛み
・血圧左右差
・解離の場所により症状は様々
◆評価
・造影CT
③肺塞栓
◆特徴
・呼吸苦+胸痛
・頻脈
・長期臥床・手術後
◆評価
・採血:D-dimer
・造影CT
④緊張性気胸
◆特徴
・片側呼吸音減弱
・低血圧、頻脈
・頸静脈怒張
◆評価
・胸部X線
⑤突発性食道破裂
◆特徴
・嘔吐後の激痛
・皮下気腫
・縦隔気腫
◆評価
・造影CT
2.次に考える:Common(頻度が高い)
実際の外来ではこちらの方が多い。
・筋骨格性胸痛(圧痛あり)
・逆流性食道炎
・肋間神経痛
・心因性胸痛
・帯状疱疹初期
◆まとめ
臨床推論の本質は頻度ではなく重症度で優先順位をつけること。
これらを知っていると、ベッドサイドのでの初動や医師への報告、提案が変わるかも。
こういったことを特定行為研修では学んでいます!
