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“人が育つまち”をつくる人。〜岡崎正信さんの紹介〜

9月10日、茨木市・おにクルで「“人が育つまち”を考えるシンポジウム」を開催します。今回から、このシンポジウムに来てくださる3人のことを、私の視点から少しずつ紹介しています。

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今日は、岡崎正信さん。岡崎さんといえば、岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」。公民連携やまちづくりの世界では、知らない人の方が少ないんじゃないかと思うくらい、ずっと最前線を走り続けている人です。

でも、今回のシンポジウムで私が岡崎さんに聞きたいのは、公民連携の手法や事業のつくり方だけではありません。私にとって岡崎さんは、まさに「人が育つまち」そのものをつくってきた実践者と思っているからです。

「お前はどうしたいんだ」と問い続けてくれた人

岡崎さんとちゃんと出会ったのは、2024年に私が都市経営プロフェッショナルスクールを受講したときでした。そのとき、私のチームのコーチを担当していたのが岡崎さんです。

最初は正直、ちょっと怖いのかなと思っていました。厳しい人だという話もなんとなく聞いていたし、会ったこともなければどんな人なのかもよく分からなかったので、少し身構えていました。

私は当時、若者向けのシェアハウスのプロジェクトをマイプロジェクトとして持ち込んでいました。当然、事業としてどう成立させるのか、どうやったら稼げるのか、どう継続できるのか。そんなことを必死で考えていました。

でも岡崎さんから繰り返し投げられたのは、もっと根っこの問いでした。

「それ、本当にやりたいの?」
「なんでお前がやるの?」

「お前はどうしたいんだ?」

正しい答えを教えてもらうというより、何をどう言っても、ひたすらに自分自身に向き合わされるという感じ。
「こうすべきだ」と言われるのではなく、私が本当にやりたいのか、そこに全力で取り組めるのか。そこをずっと問われ続けた一年でした。

そして、やりたいなら止めない。そのうえで、必要なアドバイスはたくさんくれる。振り返ると、私はあの時間の中で、事業のつくり方以上に、自分の意志を持ってプロジェクトに立つことを教えてもらったんだと思います。

翌年の2025年には、ありがたいことに岡崎さんのチームでアシスタントのOBコーチとして関わらせてもらいました。その後も何かあるたびに紫波町へ行ったり、岡崎さんの話を聞いたりしてきて、私にとっては、まちづくりの師匠であり、心の面でも大切な師匠です。

紫波町で、私は泣いた

2024年、プロフェッショナルスクールの合宿で、初めて岩手県紫波町のオガールを訪れました。駅を降りて、まちを歩いて、そこで過ごしている人たちを見たとき、私はかなり衝撃を受けました。

みんな、あまりにも幸せそうだったんです。 子どもたちがのびのびしていて、家族が自然に過ごしていて、人がちゃんとその場所を大切に思い過ごしている様子を見ました。私は震えたし、涙が出ました。

もちろん、オガールについて調べれば、公民連携の仕組みやランドスケープ、テナントを先に決めて賃料から建築費を逆算する考え方など、たくさんの「手法」が出てきます。でも、現地に行って私が感じたのは、それだけではありませんでした。

何もないところから、たくさんの壁にぶつかりながら、少人数で0から1をつくってきたこと。そして、完成したから終わりでも、成功したから終わりでもなく、どうすればこの場所が良い形で続き続けるのかを、今も考え続けていること。

その積み重ねの先に、目の前で人が生き生きと過ごしている風景がある。「まちをつくる」って、こういうことなのかもしれない。そう思いました。

バレーボールを通じて、人を育てる

さらに強く印象に残っているのが、オガールにあるバレーボール専用体育館です。経営の文脈で見れば、これは地方だからこそ成立するピンホールマーケットを狙ったニッチな戦略でもあります。

でも、現地でその周辺にいる人たちの話を聞いていると、どうもそれだけではない。みなさんが共通して話していたのは、「バレーボールを通じて、人を育てる」ということでした。

バレーボールが上手い選手を育てることだけが目的ではない。チームで考えること、瞬時に判断すること、仲間とコミュニケーションを取ること、失敗してまた立て直すこと。競技を通して、人として育っていく。

そして、そこで育った人たちが、大人になり、バレーボール選手ではない形でもいろんな場所で活躍している。それでも紫波町や、そこで育ったバレーボールの文化を大切にしている。私はその話を聞きながら、「ああ、これが“人が育つまち”なんだ」と思ったんです。

まちづくりは、人づくりなのかもしれない

都市経営は大事です。事業を持続させることも、税収や公共投資を考えることも、とても大事ですし、私自身、そこはもっと学びたいし、できるようになりたいと思っています。

でも、まちを経営の数字だけで捉えるのも、長い視点で見たときには何か大事なものを落としてしまう気もしています。("都市経営"という言葉は時にこの点が誤解されて伝わっている気もします。スクールに行って思いましたが、そこも十分に大切にしているスクールだとも感じました。)

私は普段、子どもや若者と関わっていますが、その子たちを見ていると、いつも思うんです。

この子たちが20年後、30年後、このまちや社会をつくっていくんだよな。

今いる大人がどれだけ頑張っても、40年後、50年後まで同じように動けるわけではありません。未来のまちをつくるのは、これから育っていく人たちです。

だとしたら、土地や建物や事業への投資だけではなく、人が育つことそのものに、まちを挙げてエネルギーを注ぐことも、ものすごく重要なんじゃないか。そう考えると、まちづくりって、ある意味では「人づくり」なのかもしれません。

そして私は、岡崎さんがつくってきたものの中に、それを強く感じています。

「人が育つ」を、岡崎さんに聞いてみたい

岡崎さんが講演に呼ばれるとき、テーマになるのは公民連携や都市経営、事業のつくり方であることが多いと思います。もちろん、それは今回も昼の部でたっぷり聞きたい。

でも夜のシンポジウムでは、あえてそこから少し角度を変えて、「人が育つとは、どういうことなのか」「人が育つまちとは、どんなまちなのか」を聞いてみたいと思っています。

きっと、岡崎さんの実践の中には、その問いへのヒントがたくさんある。そして今回は、岡崎さんにとっても大きな存在である(と私が思っている)日笠智之先生や、小林めぐみさんと一緒に、このテーマを掘っていきます。私自身、この3人の対話をとても楽しみにしています。

厳しさの奥にある「愛」

最後に、私が岡崎さんという人をどう感じているか。「優しい人」という言葉とは、少し違う気がしています。

たぶん、愛のある人なんだと思います。相手にちゃんと向き合う。簡単に答えを渡さない。でも、本気でやる人から逃げない。

だから厳しいし、だからこそ信頼できる。私が岡崎さんを好きなのは、たぶんそういうところです。

9月10日。ぜひ、ネットの記事や動画だけではなく、その場で岡崎さんの言葉を聞いてほしいと思っています。情報として「知る」だけではなく、同じ場にいて、同じ空気を感じて、一緒に考える時間にしたい。

“人が育つまち”って、どんなまちなんだろう。

私もまだ答えを持っていません。だからこそ、一緒に考えたいと思っています。


「“人が育つまち”を考えるシンポジウム」
2026年9月10日(木)/茨木市・おにクル

昼の部:14:30〜15:30
岡崎正信さん講演「公民連携によるまちづくり 〜まちの未来をこの手でつくる〜」

夜の部:18:30〜21:30
“人が育つまち”を考えるシンポジウム

詳細は、こちらから!


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