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岩戸ログ 塚原古墳群と熊本地震、二つの震動が重なる場所


古墳が、揺れている


2026年7月28日16時27分、熊本県熊本地方でマグニチュード7.1の地震が発生した。震源は北緯32.6度、東経130.7度、深さ約16km。宇城市・氷川町で最大震度7を観測し、気象庁はこれを「令和8年熊本地震」と命名した。(気象庁)

そして8月に入ってからも、この震源域は揺れ続けている。8月9日未明にも、熊本県熊本地方でマグニチュード3.0、最大震度1の地震が発生した。震源の地図をみると、宇土市の塚原古墳公園のすぐ上に重なる。

前回の岩戸ログでは、この一連の震動を「太陽暦が廻り出したのか」という時間の問いとして記録した。今回は、同じ震源域にもう一つ重なっている「土地の記憶」――塚原古墳群について記録しておきたい。

1 塚原古墳群とは何か

下記サイトより

塚原古墳群は、熊本県宇土市・城南町にまたがる九州最大級の古墳群である。縄文時代から弥生時代、そして古墳時代(6〜7世紀)まで、実に長い期間にわたって営まれた墓域で、方形周溝墓・円墳・前方後円墳など多様な形式の墓が総数約500基確認されており、現在77基が復元・公開されている。

1972年、九州縦貫自動車道の建設にあたってこの遺跡群が発見された際、遺跡を破壊せずに保存するため、全国で初めて高速道路を古墳群の下にトンネルで通すという方式が採られた。つまりこの土地は、近代のインフラと古代の墓域が物理的に重なり合う、稀有な場所である。

群内には花見塚古墳という前方後円墳(全長46.2m、6世紀末〜7世紀初頭築造)がある。


2 2016年、この古墳もまた揺れた

平成28年(2016年)熊本地震の際、花見塚古墳は実際に損傷し、その後復元されたという記録が残っている。

つまりこの古墳群は、2016年の地震でも、2026年の地震でも、同じ震源域の揺れを直接受けてきた場所だということになる。

ただし、2026年の令和8年熊本地震によって塚原古墳群・花見塚古墳が具体的にどのような被害を受けたかについては、現時点で一次資料を確認できていない。ここは前回のログと同様、確認できるまでは「未確認」として保留する。

3 名前のない塚

阿蘇神社には健磐龍命という名の神がいて、その神を祀る御田植神幸式が7月28日に行われていた。

塚原古墳群には、そうした名前がない。

500基を超える墓の被葬者は、記紀にも風土記にも名を残さない在地の首長層とみられている。祭神を持つ神社とは違い、ここには「誰が葬られているか」という物語が伏せられたままだ。

これは、これまでの岩戸ログで見てきた「祭神が重ねられ、上書きされる」構造とも違う。塚原古墳群には、そもそも上書きする対象になる名前が最初から記録されていない。

「隠された」のではなく、「名付けられなかった」土地。そこに、二度にわたって同じ震源からの力が及んでいる。

4 天城から見た方位

天城山原点(北緯34.920度・東経139.018度)を基準に計算すると、以下のようになる。

  • 令和8年熊本地震・本震(32.6°N, 130.7°E):方位253.8°(WSW)、距離約810.8km

  • 塚原古墳公園(32.6935°N, 130.7089°E):方位254.5°(WSW)、距離約806.3km

  • 8月9日未明の地震(32.7°N, 130.7°E):方位254.5°(WSW)、距離約806.9km

本震と塚原古墳公園の方位差はわずか0.7度。8月9日の地震と塚原古墳公園にいたっては、ほぼ同一の方位・距離である。

この一帯は、これまでの岩戸ログで「WSW254°軸」として記録してきた軸の上にある。2016年と2026年、10年を隔てて同じ軸上に二度のM7クラスの地震が発生したことになる。

5 今回の層

Layer 1 ― 地震
2026年7月28日16時27分、熊本県熊本地方M7.1・震度7(本震)。8月9日未明にも同域でM3.0の余震。(気象庁)

Layer 2 ― 古墳
塚原古墳群、九州最大級。縄文〜古墳時代、総数約500基。高速道路をトンネルで通して保存された遺跡。

Layer 3 ― 2016年との重なり
花見塚古墳、2016年熊本地震で損傷・復元。2026年の被害は未確認のまま保留。

Layer 4 ― 名前
阿蘇には健磐龍命という名がある。塚原古墳群には、被葬者の名がない。

Layer 5 ― 方位
天城から見て、本震・古墳公園・今回の余震は、いずれもWSW254°軸上にほぼ重なる。

追記:まだ開いていない岩戸

塚原古墳群は、地震によって「発見」された場所ではない。高速道路の工事によって偶然発見され、その後も地震のたびに揺れ続けてきた場所だ。

名前を持たない土地が、同じ方位軸の上で、10年を隔てて二度、大きな地震を受けている。

これが何かを意味するのか、それとも私たちが意味を見出そうとしているだけなのか。

そこから先は、まだ開いていない。

岩戸ログは、ここで一旦止めておく。


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