見出し画像

【Sunoミキシング:ダブリング】立体感のあるステレオボーカルを作る方法

Tokii(トッキー)です。

Sunoのボーカルって、
「歌唱力も表現力も完璧なんだけど、プロの音源と比べると、、」

・迫力に欠ける
・ハモりをもっと厚くしたい
・ステレオで立体感のあるボーカルにしたい

なんて思うことありませんか?

これはプロンプトとかセンスというよりも、
現在のSunoの特徴として、

生成するボーカルの「レイヤー数」が少なく(メイン+バッキングの2層になりがち)、「定位(音の位置)」が整いすぎている(ボーカルがセンターに寄りがち)ことが原因であるケースが多いです。

今回は、楽曲制作の定番テク「ダブリング」を使って、Sunoボーカルを劇的に太く、アツく、立体感のあるステレオサウンドにする方法を解説します。

めっちゃ簡単効果大アリな手法ですので、ぜひ試してみてください♫

📝執筆者
Tokii (aka Tokima Tokio)|大阪芸術大学美術学科卒
・音楽家(2009〜2021)
・動画クリエイター/ディレクター(2022〜)
代表作:Avicii - Without You (Tokima Tokio Remix)(2017)


まずは結果を♫

元曲のボーカル(トラック1)は中央から聴こえますが、
8秒〜追加のボーカル(トラック2と3)は両サイドから聴こえます

イヤホンorヘッドホン推奨👂️

いかがでしょうか?

やり方はとてもシンプルで、追加のボーカルを左右に配置するだけで、このようなステレオ効果が得られます。

【トラック1】メインボーカルの定位はセンター(真ん中から聞こえる)
【トラック2】追加のボーカルのPANを(L)に振る
【トラック3】追加のボーカルのPANを(R)に振る

※追加のボーカルが同じ素材の場合は、トラック2と3のタイミングを前後に少し(10〜30ms程度)ズラす


実践:Sunoボーカルをステレオにする2つの方法

え・みっどじゃーにー

まず、「ダブリング」とは同じメロディをもう1本重ねる(=ダブルにする)ことで音に厚みを出す手法です。

そして、「ダブリング」した上で、その音を左右に置けば(=パンニング)ステレオ感が出ます。

ダブリング:同じメロディをもう1本重ねる ※モノラル/ステレオ関係ない
パンニング:音を左右どこに配置するか決める

以下で、この2つを組み合わせてSunoボーカルをステレオにする2つの方法を紹介します。

方法1:別テイクのパンを左右に振る(自然に広がる)

おすすめケース:主役メロディを厚くしたい

Vo1(ピンク)→PAN:C(センター)、Vo2(緑)→PAN:100L、Vo3(青)→PAN:100R

【方法1の手順】
1. Sunoの「Cover」機能等で同じボーカルをもう2本用意する
→同じ歌詞、同じメロディの別テイクであれば1曲の中から抽出してもOK👍
2. Suno Studio(or DAW)で別テイクを並べる
3. 片方のパンをL(80〜100目安)、もう片方をR(80〜100目安)に振る

メリット】
・実際に歌っているような自然な厚みが出る
・モノラル再生時も音が消えにくい ※後述します

【デメリット】
・素材を複数準備する必要がある
・別テイク素材の質感にバラつきがあると、逆に散らかりやすい

ちなみに、冒頭の動画はこちらの方法1のものです。

方法2:複製して“わずかに”ズラす(時短・調整しやすい)

おすすめケース:センター主役+外側に空気を足したい

同じ素材を複製して、左右にパンを振り、片方を少し遅らせる

【方法2の手順】
1. 追加のボーカルを複製して2本にする
2. Suno Studio(or DAW)で複製したボーカルを並べる
3. 片方のパンをL(80〜100目安)、もう片方をR(80〜100目安)に振る
4. 片方を少し(10〜30ms目安)遅らせる
5. 早い方を少し(-1〜-3dB目安)下げる(寄り対策)※後述します

【メリット

・素材の準備が1つで済む
・正確に定位をコントロールできる

デメリット
・位相ズレによる「打ち消し(位相キャンセル)」が起きることがある
※後述します

♫:方法2の結果はこんな感じ↓

方法2の方が遅らせる時間の調整ができるのでコントロールしやすく、
左右で同じ音が鳴っているので散らかりにくく、スッキリしやすいです。

ただし注意点として、位相ズレによる音の「打ち消し(位相キャンセル)」が挙げられます。

重要:失敗しないチェックポイント

下記2点は、必ず確認しておきたいポイントです。

✅️1:ハース効果による「寄り」を防ぐ

耳は「先に聞こえる音」が強く聞こえる性質があるため、
早い方の音量を若干小さく(-1〜-3dB)するとバランスが取れます。

ハース効果(先行音効果)は、ほぼ同じ音を複数の方向から聞いた際、時間的に早く到達した方向から音が聞こえるという音響心理学上の現象。通常30〜40ミリ秒(ms)以内の遅延であれば、脳は音を結合して1つの音として認識し、音像が先着音側(早い方)へ移動・定位する。

✅️2:位相ズレによる「打ち消し(位相キャンセル)」に注意 ※特に方法2

左右の音が重なった時に、特定の帯域の音が消えて「急にスカスカ」になることがあります。

位相キャンセル(フェイズ・キャンセル)は、音波の「山」と「谷」が重なることで音が相殺され、特定の周波数が消えたり、音全体が薄くなったりする現象です。

同位相の音が重なると音は大きくなる、逆位相の音が重なると音は打ち消される

位相ズレによる「打ち消し」はモノラル再生時に顕著になりますが、制作時のステレオ環境では気づけないことがあります。

なので、必ずモノラル環境で聴いてみて、音が極端に薄くなっている箇所がないか確認しましょう。

☝️モノラル確認のやり方(どれか1つでOK)
・端末側で一時的にモノラルにして確認する
・DAWなどでモノラルにして確認する
・スマホのスピーカーで聴く(モノラルではないが、薄さに気づきやすい)

音が薄くなった場合は、音のズラしを短くすると安定しやすいです。

低域が濁る場合や、バッキング・ボーカルとしてうっすら被せたい場合は、重ねる側にハイパスフィルターを入れて、低域をカット(150〜300Hz目安)することでスッキリした仕上がりにすることができます。

ハイパスフィルター(HPF)で低域をカット
今回はスッキリさせたかったので"多め"にカットした


応用例:アドリブボーカルを重ねて大合唱にする

この手法を応用して、メインボーカルを左右に配置し、中央に歌い上げるアドリブを入れることもできます。(現状、1回の生成では難しい、、)


おわりに:

ミキシングってそもそも奥が深く、拘りだすとキリがありません。

ですが、こういった基本を知っていると「聴こえ方」は一段変わります。
結果、表現の幅、AIへの指示出しの幅も広がるんじゃないでしょうか。

AIでできることが増えすぎて、わざわざ人間がやることは減っていくかもしれない。それでも、意図を持って“手を加える”ことが、作品の"差"となり、作る"意味"にもなるのかなと思います。

ぜひ、今回の手法をあなたの曲でも試してみてください。
お役に立てたら幸いです!

Tokii

いいなと思ったら応援しよう!