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【介護を考える】<④介護保険制度改革>なぜ同じ会社のサービスばかり?ケアマネは「公務員」であるべきだ。



「お母様のデイサービスですが、同じ系列のこちらはいかがでしょう?」
「訪問看護も、うちの会社で始めましたので」

ケアプランについて相談している時、ふと、こんな風に感じたことはありませんか?
「なんだか、特定の事業所のサービスばかり勧められているような…」

決して、担当のケアマネージャー(以下、ケアマネさん)が悪いわけではないのです。
皆さん、本当に親身になってくれます。
しかし、今の制度には、誠実なケアマネさんでさえも抗いがたい、構造的な問題が横たわっています。

今日は、ケアプランの「中立性」という、この制度の根幹に関わるお話をします。


◆審判が、特定のチームの監督を兼ねている?


皆さんは、ご自身の担当ケアマネさんが、どこに所属しているかご存知でしょうか。
実は、その多くが、デイサービスやヘルパーステーションなどを運営する「民間企業」の社員なのです。

そして、企業である以上、当然ながら「売上」を考えなければなりません。
その結果、何が起きるか。

本来、ケアマネさんは利用者の状況を客観的に評価し、地域にある数多のサービスの中から、その人に最も合ったものを公平に選び出す「審判」のような役割を担うはずです。
しかし、自社にデイサービスがあれば、他社より先に自社のサービスを勧めたくなるのが人情であり、会社の方針でもあるでしょう。

これは、利用者と事業者の間に立つべきケアマネさんが、自社の利益を優先せざるを得ない「利益相反」の状態に置かれている、ということです。
例えるなら、サッカーの審判が、特定のチームの監督も兼ねているようなもの。
これでは、公正なジャッジなど期待できるはずもありません。


◆処方箋は「ケアマネの公的機関への所属」


この根深い問題を解決する方法は、ただ一つ。
ケアマネさんを、特定の企業の利益から切り離し、完全に中立な立場に置くことです。

具体的には、
ケアマネージャーの所属を、市役所や地域包括支援センターといった「公的機関」にする。あるいは、公務員化する。

もしそうなれば、彼らは売上目標や自社サービスの利用率といったプレッシャーから解放されます。

A社のデイサービスはリハビリに強い。
B社の訪問看護は、ターミナルケアの実績が豊富だ。
C社の福祉用具は、最新の品揃えがいい。

そんな、地域にある全ての社会資源をフラットな視点で見渡し、純粋に「この利用者さんにとってのベストは何か?」という一点だけで、最適なケアプランを組み立てることができるようになるのです。

これこそが、本当の意味での「利用者本位」ではないでしょうか。



◆北欧では、それが当たり前

「そんなこと、日本でできるわけがない」と思われるかもしれません。
しかし、目を世界に転じれば、これがスタンダードな国々があります。

スウェーデンやデンマークといった北欧諸国では、ケアマネジメント業務は基本的に自治体の職員が担っています。
彼らは公的な立場から、利用者のアセスメントを行い、必要なサービスを判断し、提供事業者へと繋いでいく。
そこには、特定の企業に利益誘導するインセンティブは働きません。

私たちの税金と保険料で成り立っている介護保険。
その使い道を采配するケアマネージャーという重要なポジションが、公正・中立でなくて、どうするのでしょうか。

誠実なケアマネさんたちが、胸を張って
「あなたのために、これを選びました」
と言えるように……
そして、私たちが一点の曇りもなく、その言葉を信じられるように……

今こそ、ケアマネジメントのあり方を、根本から見直すべき時です。



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