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時間軸の上で利益は反転する

地方では高齢化が進んでいます。
これに伴い、地方の企業経営者の高齢化が進むと近視眼的な意思決定を行うため、これが地域経済の更なる縮小を招く恐れが現実となっています。
今回は、「時間軸の上で利益は反転する」をテーマに地方経済が抱える課題について見ていきます。

時間軸の上で利益は反転する

1年後にプラスになると思われることが、10年後のマイナスになることになることや、1年後にはマイナスであると思われることが、10年後のプラスになることが起こります。
時間軸の上で利益は反転する可能性があるのです。

「厳しい上司であの時辛い思いをしたけど、あの上司の下で鍛えられたから今の自分がある」
「あの時、思い切って設備投資をしたから、しばらく償却負担や資金繰りが厳しかったけれど、あの時無理して実施した設備投資のお蔭で今の業績好調がある」

このように時間軸のどの場所を見るかによって、利益の捉え方が変わり、意思決定の在り方も変わります。
だからこそ、リーダーは、現時点では厳しい決断を未来の利益のために断行することが求められます。

今、地方で起こっていること

地方では高齢化か進んでおり、経営者、従業員ともに高齢となっています。
後継者がなく、従業員も高齢となっている場合、自分らの世代が生活できればいい、未来に向けて無理をしない、このような考えで経営の意思決定を行います。
そのような考えの下、

  • 新規採用は無理して行わない

  • 新規設備投資は無理して行わない

  • 経営者自らへの教育投資、従業員への教育投資は行わない

  • 今の商売のやり方は変えない(IT化など理解できないものに手を出さない)

  • 人材の高齢化に伴い従業員が少なくなるため、先行して事業規模は縮小していく

ということが常態化しています。

若い従業員を雇用している場合、高齢の経営者は、若手従業員の将来について、多少考えてはいるものの、経営者未満の幹部層については、定年で辞める立場であるため、若手の育成など、ほとんど考えていません。

正直なところ、40代未満の方にとって、65歳以上の高齢社長が経営する後継者がいない会社に就業することは、自分が後継者を目指すという考えの方以外は、お勧めできない状況です。

地方においてはコミュニティーを維持するコストが上がっていく

地方において、雇用の場が失われていくとすれば、人口減に歯止めがかからなくなり、公共インフラを維持することの一人あたりのコストが上がることになります。
高齢者は転居の選択肢を取りずらい一方、若年層は、雇用の場を求め、生活の利便性を求め、都心部へ転居していくこととなるでしょう。
2030年、今から8年後、地方の景色は大きく変わることが想定されます。

若手経営者はどこにチャンスを見出すべきか

地方の多くの企業は縮小傾向にあるため、地方の若手経営者にとって残存者利益を得られる可能性が高まります。

周りの事業者が縮小する中、一定のサービスを提供し続けられる企業は、競争環境がより緩やかになるため、価格を上げることや、サービスの品質を落とすことを実施しても、競合他社に乗り換えられることがなくなり、縮小する市場ではありますが、利益を残しやすい環境となります。

市場動向を見極めつつ、残存者利益を得られるよう、サービス提供の在り方を変化させ、得られた残存者利益を使って、新規事業(都心部への進出、新規分野への進出)に投資し、次の成長への道筋を描くことです。

地方においては、サービス価格が単純に値上げされるというよりも、サービス価格は競合他社と比べて優位性を持ちつつ、オペレーションにかかるコストを出来る限り落とす方向に進むことが想定されます。

  • 無料で実施していた配送を配送距離に応じて有料化するケース

  • 少量注文を受けず一定量の注文からしか対応しないケース

  • 少量多品種ではなく、少品種の標準品にのみ対応するケース

  • サービス提供時間が限定されるケース

  • 電話、FAXでの注文を受けず、ネットからの注文のみに対応するケース

等により、企業側から見た生産性改善=利益改善の取り組みを行うことが出来れば、しばらくは利益を残せる状況を作り出すことができます。

また、上記のように生産性改善が図られると、対応エリアを広げることが出来るため、残存者利益を、より広いエリアから得ることも可能となります。

ここで得られた利益を、次の投資に回す場合、新規事業展開の拠点は、地方の中核都市で比較的採用難易度が低いエリアで行うことが賢明な判断でしょう。

どこまで先の未来を見るか

経営者は未来の利益を最大化するための意思決定をすべきです。

しかしながら、経営者の年齢によって、どこまで先の未来を見るかが異なることも事実でしょう。

地方の60歳未満の経営者の方であれば、10年先を見据えた上で、残存者利益をどのように獲得すべきか、そして得られた残存者利益をどこに投資すべきか検討頂く必要があるのではないでしょうか。

上記を検討頂いた上で、まずは、オペレーションにかかるコストを低減させるため、顧客対応を見直していくところから始めてみてはいかがでしょうか。

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