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組織と個人がともに輝くために

私たちは自分たちが作ったものに支配され、縛られることがよくあります。

 国家という概念を作ることで国家間紛争が起きたり、
 宗教という概念を作ることで迫害が生まれたり、
 お金という概念を作って、お金に縛られたり、
 人権という概念を作って、互いの人権を侵しあう。

組織もこれと同じように、私たちが作った目に見えない概念であるにも関わらず、組織に抑圧される個人が出てきます。

個人が組織に抑圧されている理由があるとすれば、それはなぜか?そしてどうすればそれが解決されるのか?
今回はこれについて考えてみます。

個人が組織に抑圧される理由

個人が組織に抑圧される理由は、以下のケースが考えられます。

  1. 組織の目的・価値観が個人と合致していない。価値観の押し付けがある。

  2. 組織内の上下関係が個人の意見や主張を抑圧する。

  3. 上位の管理者やリーダーが、個人に一方的に命令し、個人を支配する。

  4. 組織が個人の成果や能力を適正に評価せず、組織が個人を搾取している。

  5. 組織が持つ特定の尺度で個人を評価し、多様な尺度で個人を測れない

これらについては、組織側も個人側も、組織に関する理解を深めれば、双方にとっていい形で解決できる課題です。
どのようにこれらの課題を解決すべきか見ていきましょう。

組織と個人がともに輝けるために

個人が組織に抑圧されることなく、個人が組織の中で輝けるための5つのポイントについて考えてみました。

1.組織が、理念・価値観を発信し続けること

全ての人に合致する目的や価値観を持つ組織は存在しません。
多様な目的や価値観を持つ個人がいるからこそ、組織は、価値観が合った個人に参画してもらうため、組織が持つ目的や価値観を発信することが大切です。
組織が個人に対して価値観を押し付けるのではなく、価値観が合っている個人が組織に参画する流れを作ることが必要ですし、個人も自らの価値観に合った組織を選択することが、組織と個人の関係性の第一歩となります。

また、組織と個人の目的や価値観が100%合致することもあり得ません。
だからこそ、それぞれが大切にしている価値観、価値観の優先度について、組織側が明確にすることで、個人が譲れる部分、譲れない部分を考えられる土台を作ることが求められます。

2.組織が、ルールとゴールを明確に設定すること

「普通そんなことしないだろ・・・」
「なんでこんな当たり前のことも分からないの・・・」
「最近の若い奴は、常識外れで困る・・・」
こんな発言で部下を詰める上司がいるとすれば、それは組織内の上下関係で上司が部下を抑圧してしまっている状態です。

常識や普通といった組織における暗黙のルールが、暗黙のルールを知っている人と知らない人という力関係を作り、組織における機能とは別の所で、マウントし合う上下関係を作ってしまいます。

だからこそ、組織には、『何がOKで、何がNGか』明確にするためのルールが必要ですし、『どこを目指せばOKなのか』明確にするためのゴールが必要です。
ルールとゴールが明確だからこそ、ルールの範囲内で、ゴールに向かうための発言を自由に交わすことが可能になります。
動くことが出来るフィールドとルール(広義のルール)を明確にして、どのような状況が勝利なのか、これを定義するからこそ、個人は、その中で、自由に自分の強みを発揮する方法を考え、実行に移すことが出来ます。

3.組織も個人も、事実と未来を見ること

「こんなミスをするなんて、君は無能だな・・・」
「なんでそんなことになっているんだ・・・」
「こんなことをしでかして、申し訳ないと思っているのか・・・」

こんな会話が上司からあるとすれば、その上司は、問題の原因を部下「個人」に求め、問題が起こってしまった「過去」に視点を当てています。

あるべき姿は、起こってしまった問題が、「いつまでに、どのような状態になっていれば解決されたと言えるのか」、事実と未来に視点を向けて、個人の行動を促していくことです。

「起こってしまった問題」「個人の現時点での能力や経験」は誰にもコントロールすることが出来ません。
コントロール出来ないことに視点を当ててしまうと、個人としても、思考停止し、未来に向けた思考と行動が機能しなくなります。

人は「事実」と「未来」を見るからこそ、率直に意見を交換し合い、組織と個人をよりよいものにしようとする思考が働きます。

4.上司は、ゴール設定を調整しつつ、部下のプロセスに介入しないこと

「自分だったらこうするけどね・・・」
「もっとこういうやり方をすればいいんじゃないの・・・」
「なんでそんなやり方で進めてるの・・・」

よかれと思って部下のプロセスに介入する上司がいます。
上司のやり方を部下に押し付けることで、部下がパフォーマンスを発揮できないことはよくあることでしょう。

人の強みは異なりますし、環境が変化する中で上司のやり方が、いつも、誰にとっても、正しいとは限りません。

個人の強みを発揮できる環境を作るためにも、上司はゴールは明確に設定しますが、部下のプロセスについては、出来る限り介入しないことが望ましいです。
上司が部下のプロセスに介入しないからこそ、部下は自分で考え、失敗を経験として次に活かし、自身の強みを発揮することができるのです。

勿論、上司がプロセスに介入しないと迷ってしまう部下もいることでしょう。
その場合、上司は部下のプロセスに介入するのではなく、大きなゴールの手前に、小さなゴールを設定して上げて、そのゴールに対して、自分で考えて向かうよう部下に促していくことが望まれます。

また、上司のプロセス介入なく自走するためには、組織が求める最低限のスキルを部下側が持つことも重要です。

手取り足取り、やり方にまで事細かく口をはさむ上司が、個人の強いの発揮を阻害し、個人の考える機会と力を奪っていきます。

5.組織としての意識上の区切りを作ること

個人が自らの強みを知り、発揮する上で、他者との対話と内省が必要不可欠だと考えます。
これまでに起こった事実についてのフィードバックを他者と自身の間で行うことがこれにあたります。
組織は個人が作っている意識上の形のないものです。
組織においてもフィードバックを行う機会を作ることで、組織の理念・価値観が実現されているか、組織のゴールに対する進捗がどうなっているか、確認することが求められます。

組織に属する個人は、組織の理念・価値観の実現、ゴールへの進捗に対して、自身が貢献できているか感じることで、組織への一体感、帰属意識や、更なる貢献意識が醸成されます。

組織として、四半期毎、半年毎、1年毎、等、意識上の区切りを付けながら、組織の全構成員に向かって、組織の理念・価値観の実現度合い、ゴールへの進捗を発表し、共有することで、組織と個人の社会に対する貢献の接続、個人がこの組織に所属することの意味・意義の再点検が出来る場を作っていくことが求められます。

誰にとって働きやすい職場なのか

すべての人にとって働きやすい職場を作ることは出来ません。
だからこそ、組織は、どのような人にとって働きやすい場を作っているのかを明確に言語化し、発信すべきです。
一方で、個人は、自分自身にとって働きやすい場、力を発揮できる場はどのようなものなのか言語化し、組織に対してアピールできる状態にしておくことが望まれるでしょう。

また、経営者については、組織の目的や目標に向かう上で、組織における分業と調整のメカニズムに対する解像度を上げることで、自社の価値観を組織の機能に落とし込むための方法論について試行錯誤を続けることが大切です。

国家、宗教、お金、人権、組織、などなど、人が作り出した概念に人が支配・抑圧されないためにも、それぞれのものが、どのようなメカニズムで動いているのかを理解し、その上で、関わる個人との間で、それぞれとの調和をどのように築いていくのか。

「組織が悪い」と安易に決めつけるのではなく、なぜ問題が起こり、どのようにすれば解決するのか、ここについても、事実と未来を見ることが求められています。

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