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オフィスのリチウムイオン電池、保管ルールは大丈夫?総務が知るべき火災リスクと対策

こんにちは!

ノートパソコン、スマートフォン、モバイルバッテリー、電動工具——。
気づけばオフィスの中は、リチウムイオン電池を搭載した製品であふれています。

「保管に法的なルールってあるの?」
「万が一発火したら、会社の責任になる?」

そんな不安を感じている総務担当の方が、ここ数年で急増しています。

私は元京都市消防局の消防士として、10年以上にわたり火災予防の現場に立ってきました。
リチウムイオン電池による火災の相談も、年々増えていたのを肌で感じています。

この記事では、オフィスにおけるリチウムイオン電池の保管リスクと、総務担当者が今日から取り組める具体的な対策をわかりやすく解説します。


リチウムイオン電池の火災、なぜ怖いのか

リチウムイオン電池は、小さな体積で大きなエネルギーを蓄えられる優秀な電池です。
しかしその反面、取り扱いを誤ると「熱暴走」と呼ばれる連鎖的な発熱反応を起こします。

熱暴走とは、電池内部が異常発熱し、それがさらなる発熱を引き起こす現象です。
一度始まると外部からの消火が難しく、有毒ガスも発生します。

東京消防庁の統計によると、リチウムイオン電池関連の火災件数はこの10年で約4倍に増加しています。
オフィスも例外ではありません。

よくある発火の原因

  • 過充電・過放電:劣化したバッテリーを使い続ける

  • 物理的な衝撃:落下や圧迫で内部がショートする

  • 高温環境での放置:直射日光が当たる窓際や暖房器具の近くに保管する

  • 非純正の充電器を使用:電圧や電流が合わず電池に負荷がかかる

どれもオフィスで起こりうるシチュエーションばかりです。


消防法上、オフィスの電池保管はどう扱われるか

「リチウムイオン電池の保管に消防法の届出は必要なの?」という質問をよくいただきます。

結論から言うと、一般的なオフィス用途の電池製品であれば、消防法上の届出が直接必要になるケースは多くありません。

ただし、注意すべきポイントがあります。

大量保管は「指定可燃物」に該当する可能性

消防法では、リチウムイオン電池そのものを危険物に分類していません。
しかし、各自治体の火災予防条例では、「合成樹脂類」や「可燃性固体類」として一定量以上の保管に届出を求める場合があります。

たとえば、倉庫やバックヤードに大量の予備バッテリーを保管している場合は要注意です。
管轄の消防署に確認しておくと安心です。

防火管理者の責任範囲に含まれる

オフィスビルの防火管理者(建物や事業所の防火責任者)は、消防計画の中で電気火災への対策を盛り込む必要があります。
リチウムイオン電池の保管場所や充電ルールも、この計画に含めるべき項目です。


今日からできる!オフィスの電池保管5つのルール

難しい法律の話はここまでにして、実務で使える対策を紹介します。
どれも特別な設備投資は不要です。

ルール1:充電場所を決めて集約する

デスクの上やロッカーの中など、あちこちで充電するのはリスクの分散ではなく拡散です。
充電専用のエリアを設け、不燃性の棚や金属トレーの上で充電するルールを作りましょう。

ルール2:退社時は充電ケーブルを抜く

夜間の無人オフィスで過充電による発火が起きると、発見が遅れて被害が拡大します。
「帰るときはコンセントを抜く」。これだけで夜間火災のリスクは大幅に下がります。

ルール3:膨張・変形した電池は即座に隔離する

バッテリーが膨らんでいたり、異臭がしたりする場合は劣化のサインです。
金属製の容器に入れて、可燃物から離れた場所に隔離してください。
廃棄方法は自治体のルールに従いましょう。

ルール4:保管場所の温度管理を意識する

理想的な保管温度は15〜25℃程度です。
サーバールームの排熱が当たる場所や、夏場の窓際は避けてください。

ルール5:社内ルールを明文化して周知する

口頭の注意だけでは定着しません。
「リチウムイオン電池取扱いルール」を1枚にまとめ、充電エリアに掲示するのが効果的です。
新入社員の研修項目にも加えておくと、属人化を防げます。


消防計画への反映も忘れずに

上記のルールを定めたら、防火管理者が作成する消防計画にも反映しましょう。

具体的には、以下の項目を追記するだけでOKです。

  • リチウムイオン電池の保管場所と数量の把握方法

  • 充電時のルール(場所・時間帯・使用機器)

  • 異常が見つかった場合の対応フロー

  • 廃棄電池の一時保管場所と処分方法

消防計画の変更届は、管轄の消防署に提出します。
届出そのものは難しくありませんが、「何をどこまで書けばいいか」で迷う方が多い部分です。


まとめ

リチウムイオン電池の火災リスクは、「知っているかどうか」で対策の差が大きく開くテーマです。

ポイントをおさらいします。

  • オフィスのリチウムイオン電池製品は年々増加し、火災リスクも高まっている

  • 大量保管の場合は火災予防条例上の届出が必要になることがある

  • 充電場所の集約、退社時の抜線、劣化電池の隔離が基本対策

  • 社内ルールを明文化し、消防計画に反映することで組織的に対応できる

まずは今日、オフィスの充電スポットをひとつ点検してみてください。
その小さな一歩が、大きな火災事故を防ぐ第一歩になります。


「うちのオフィス、電池の保管ルールはこれで合ってる?」「消防計画にどう書けばいい?」
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この記事の監修・執筆者

丸岡 峻 / Shun Maruoka
MeHer株式会社 代表取締役

京都市消防局に10年以上勤務し、火災予防業務に携わる中で、多くの事業者が複雑な消防手続きに頭を悩ませている現状を目の当たりにしました。
「本来の業務に集中できるよう、その手助けがしたい」
その一心で、消防手続きをデジタルの力で簡素化する「トドケデ」を世に送り出しました。
今では業種を問わず、上場企業様から個人事業主様まで全国の事業者様からご依頼をいただき、実績100件を突破。(2026年2月時点)

保有資格・実績

  • 元京都市消防局 消防吏員(消防司令)|防災士|消防設備士|危険物取扱者|甲種防火管理者

  • 消防防災機器等の開発・改良、消防防災科学論文及び原因調査事例報告に関する表彰(優秀賞)

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