「10人の怒れるお母さん」の殿語り
10人の怒れるお母さん
──始まりと、お母さんたちの話
<始まりのお母さん>
本当に、たわいもない雑談から始まりました。
その時は『異界渡り』の撮影中で、
1人30分ほどの一人芝居を25〜26人分撮っていた現場。
当然、早く終わる人もいて、
ぽつぽつと、ゆっくり話す時間が生まれていました。
そこに現れたのが、藤原絵里さん。
「お母さん役って、オーディションでは
いっぱい会うけど、
現場で一緒になることってあんまりないですよね」
そんな話をしていて。
僕は脚本を書きながら、ふと口にしました。
「お母さんだらけで撮ったら、面白いですよね」
一緒に話していた勝又絢子さんも乗り気になって、
僕は軽い気持ちで、
「藤原さんが人集めるなら、いいですよ〜」
と言ってしまったわけです。
そして、あれよあれよという間に企画は進み、
『10人の怒かれるお母さん』は
くらげフィルム年越し30話・第二弾として実現しました。
最初は、
「コメディテイストでいこうかな」
くらいの気持ちだったのですが。
気がつけば、
虚飾と虚構が入り混じって、
何が本当かわからなくなる話を書いていました。
途中でさすがに、
「10人は多いだろ……8人くらいにするか!」
と思った、その矢先。
藤原絵里さんから
「10人目、どうしましょう〜?」
という連絡が届きまして。
僕はそっと、
10人の話を書き始めたのでした。
<役者さんと、お母さんたち>
ここからは、登場するお母さんたちの紹介を。
阿竹香織:若狭ひろみさん
割と不憫なお母さん。
コンビニオーナーの奥さん、という設定が先にあって、
そこからキャラクターを作っていきました。
少し気弱な感じも相まって、
物語の中でいいアクセントになっています。
★制服姿のひろみさん、キュート。
須崎千尋:森りささん
噂を流すお母さん。
次に出てくる右京さんとセットで、
この2人がいないと話が全然こんがらがらない。
正直、好きなコンビです。
できれば、この2人だけの話も書きたい。
★SNSの「いいね」が早くて、地味に嬉しい。
右京愛:永岡みゆきさん
SNSで噂を広げるお母さん。
「こういう人、一定数いるよなぁ」と思いながら書いていました。
聞いたこと、思ったことを、
さも事実のように語ってしまう人。
噂コンビ、やっぱり良き。
★もう少し、ゆっくりお話ししたかったなぁ。
昼河月子:板倉愛実さん
美容・セクシー系のお母さん。
事なかれ主義で、
ダイエットメニューを組んでくれるタイプ。
恋愛に奔放なので、
いつか痛い目を見るだろうなと思っていました。
★軽さの演技が絶妙で、感心してました。
世古口古都:荒井まいさん
いわゆる「正義側」のお母さん。
陥れられた旦那の真相を確かめたい人。
行方不明の旦那さん絡みで、
まだ何か書けそうだなと思っています。
★声が好き。なぜか現場以外で偶然会う率が高い(笑)
近津恵:鈴木はるかさん
強いて言うなら、ヒロイン枠。
儚い雰囲気だけど、
「お母さん」という立場がとても良いバランス。
★舞台を拝見しましたが、本当に素敵でした。
今井崎順子:勝又絢子さん
探偵役。
役的に本当はやりたくてやっているわけじゃなく、
後悔と、ほんの少しの義憤で立っている気がしています。
★近々また一緒に何かやります。乞うご期待。
上之郷明日香:土田有希さん
弐郷さんの取り巻き。
ジャイアンにおけるスネ夫枠。
金髪でヤンキー感の強いこの役が、
とてもハマっていました。
★別現場で全然違う役を見て「凄い役者さんだ…!」と再認識。
弐郷麻衣:荒木里佳さん
ボス。
「ボスだなぁ」と思いながら書いた役ですが、
びっくりするくらいハマっていて素敵でした。
★別現場でもご一緒しましたが、いまだに緊張します。
牛江美穂:藤原絵里さん
この話に、あんまり関係ないけど自己主張する人。
このキャラがいるおかげで、
物語が重くなりすぎない。
★とはいえ、そろそろ全然違う役も振りたいところ。
<今後のお母さんは?>
実は、スピンオフをいくつか考えています。
プロットも、すでに何本か。
今年中に撮れたらいいな、と思いつつ。
……思いつつ。
<現場のお母さん>
初めましての方が8人。
当日の朝は、
「がんばろ〜」
という、いつもの空気から始まりました。
皆さんベテランで、現場はとてもスムーズ。
バタバタしていたのは、だいたい僕らです。
優しいお母さんたちで、
本当に良かったなと思っています。
やっぱりベテランさん達と撮ると楽しいんですよねぇ
<殿の雑感>
半年経ってから見返すと、
「あ、まだやれたな」
「ここ、こうすればよかったな」
そんなことが、たくさん浮かびます。
またいつか、
お母さんをたくさんお呼びして撮りたい。
先にお父さんか、スピンオフか。
それでも、
くらげフィルム2ndシーズンの1作目として、
良いスタートを切れたな、と思っています。
楽しかったし、
良いお母さんたちとの出会いでした。
皆さま、ありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いします。
くらげフィルム
監督と呼ばれるより「殿」と呼ばれたい
藤堂信長
