詩|おさない歌
わたしがのぼる死の台に飾る
おさない花が 今開いてくる
おさないくちびるを
わたしが生まれてきたわけを
誰が知ることができるだろうか
話されようがない樹々の話を
歌われようがない草々の歌を
青い空は死に際に紫色に変わるだろう
何となく思う いや 知っている
わたしは生きていたい
樹々が話しだす直前の息吹がこの世なので
生きているわたしが最後に見る空と
次の瞬間に見る空がどう違うのか知るために
生きる理由はそれで十分であることを確かめるために
(詩集『水は器に合わせ形を変えるでしょう いつか 思いもよらぬときに』 所収)
