見出し画像

AIと教育⑱_アフリカ諸国から_二者択一は存在しない

これはこの辺りに住む、トビラAIと申すものにて候。いつも読んでくださりありがとうございます。のんびりなさってくださいね。

今回のゴールは
人間中心の開発、という原則を忘れないで。
ということです。詳細は以下をご覧ください。

序文:導入

 先日LinkedInでのある女性の投稿を読んでいて、ハッとさせられました。国連ECOSOCユースフォーラムで、彼女はアフリカ諸国の未来を左右するある問いを投げかけました。世界中がAI革命に沸き立つ今、限られた資源と削減される国際援助の中で、私たちは最先端技術の開発に資金を注ぐべきなのか、それとも教育、医療、雇用といった、今を生きる人々の基本的なニーズへの対応を優先すべきなのか、と(些細なことですが、アフリカ人とひとまとめにするのは適切ではないと思っています。日本人、インド人、フランス人ときたらジンバブエ人でしょう。アジア人に対してならアフリカ人でよいのですが。なので、私は今回はアフリカ諸国と呼びます)。

この問いは、未来への投資と現在の必要性との間の根本的な緊張関係を浮き彫りにします。この記事では、この複雑なジレンマの背景にある、見過ごされがちな4つの現実に光を当てていきます。

1. 「両方やるべき」という理想論の罠

 フォーラムでは「両方やらなければならない」という思慮深い回答が返ってきたようです。緊急のニーズを満たしつつ、世界的なデジタル競争で取り残されないよう、自らを位置づける必要がある、と。

 しかしこの意見には敬意を払いますが、理想論に過ぎないと彼女は断定しています。アフリカ諸国は、自らの現実を犠牲にしてまで、世界的なトレンドに飛びつくべきではありません。もちろん、イノベーションは重要です。しかし、開発は常に「人々中心」でなければなりません。若者への投資、学校や病院の改善、そして雇用の創出といった課題が、「追いつく」という名目のもとで後回しにされることがあってはならないのです。人間の安全あっての流行です

2. デジタル格差の正体:キーボードにさえ触れたことのない現実

 アフリカ諸国におけるデジタル格差の現実は、想像以上に深刻です。投稿者(LinkedInの)自身が初めてAIというものに触れたのは、大学の最終学年になってからでした。テクノロジーに情熱を燃やす友人に教えてもらったのがきっかけです。私と同じように、多くの同級生にとってもそれが初めてのAIとの出会いでした。

 しかし、一部の学生がAIシステムのコーディングを学んでいるその一方で、生まれてから一度もキーボードに触れたことのない学生たちがいます。これは単なる技術的な遅れではありません。機会の根本的な不平等を意味します。

 都市部ではテックハブが次々と生まれ、コーディングのブートキャンプも増えています。しかし、一歩地方に踏み出せば、インターネットにさえ接続されていない学校が数多く存在するのです。格差は、世界との間だけでなく、アフリカ域内においても急速に広がっています。

3. AIは「想像もつかない」世界:星のように遠い存在

 同様にこれもべつな方のLinkedInの記事を読んだのですが、先日、教育におけるAIの未来について議論する世界的な学会(CIES 2025)が開かれたそうです。世界中の学者や教育者たちの議論を聞きながら、アフリカ諸国出身の投稿者の心は地方のコミュニティで出会った子供たちの元へと飛んでいました。

 彼らの多くはコンピューターを見たことすらなく、AIという概念は、単に馴染みがないだけでなく、「想像もつかない」ものなのです。彼らにとって、AIは「星のように遠い存在」でした。このデジタル格差がもたらす影響は、物理的なものだけではありません。基本的なICTツールにさえアクセスできない環境では、テクノロジーが切り開く未来を夢見ることさえ困難になります。このアクセスの欠如は、子供たちの将来の可能性そのものを制限してしまっているのです。

4. 広がり続ける格差:追いつく頃には、世界はさらに先へ

この問題の最も恐ろしい点は、時間とともに格差がさらに拡大していくことです。アフリカ諸国は確かに進歩を遂げています。しかし、そのペースは、世界の急速な進化に追いついていません。状況の緊急性を、次の一文が物語っています。

アフリカの子供たちがようやくコンピューターに触れる頃、世界の同世代はもうロボットをプログラムしているのだ。

この言葉が示すのは、もはや埋めることが困難になりつつある差が生まれつつあるという、厳しい現実です。世界の進化の速さを前に、私たちは本当に追いつくことができるのだろうか、と私は自問せずにはいられません、と投稿者は締めくくっています。

サブサハラ・アフリカの現状

 私は大学院でアフリカ経済のゼミにおりました。卒論はコンゴ民主共和国の教育と経済の関連を分析しました。サブサハラ・アフリカ(サハラ砂漠以南のアフリカ、という意味です)の人口は、2024年時点で約12億人です。この地域は世界最速で人口が増加しており、2054年には約22億人に達し、2100年には33億人に達すると予測されています。この人口増加は労働力や消費市場の拡大に繋がる一方で、貧困、教育、インフラ、食料安全保障といった課題の深刻化を招く可能性もあります。サブサハラ・アフリカの人口増加が、経済成長の促進と持続可能な開発に繋がるかは、教育、医療、インフラへの投資、そして安定したガバナンスの確保にかかっています。
 アフリカ諸国が直面するジレンマは、テクノロジーかインフラか、という単純な二者択一ではありません。理想論的な政策議論から、キーボードにさえ触れたことのない子供たちの物理的な現実、そしてAIを「想像もつかない」と感じる心理的な壁、さらには刻一刻と広がる格差まで、私たちが向き合うべき現実は多層的です。

結語

真の変革を追い求めるのであれば、その中心には常に「人」がいなければなりません。最後に、改めて投稿した人の問題提起を問いかけたいと思います。すべてのアフリカ諸国の子供たちが、デジタルの未来へ平等にアクセスできるようになるまで、あと何年かかるのでしょうか?
格差は争いを生みます。
もはや私たちは、取り返しのつかないところまで行ってしまった気がします。

ありがとうございました。
本記事を気に入ってくださったらスキをいただけると嬉しいです。またコメントで皆さんとの意見交換も楽しみに待っております。フォローもしていただけると、月並みの表現で恐縮ですが励みになります。よろしくお願い申し上げます。

感謝一入
Warm Regards,
トビラAI拝

いいなと思ったら応援しよう!