夕暮れの第2野球場にて【10/12 対オイシックス戦◯】
5番手で登板した津田淳哉が最終回を0点に抑え、試合はタイガースが8対3で勝利した。試合内容もさることながら、とにかく暑い日だった。この日の宮崎市の最高気温は31.8℃。そして、夏の季節と変わらぬくらいの日差しの鋭さ。暑い時期もプレーしている選手たちとはいえ、今日の気温はさすがに大変だったかもしれない。試合を見に来た観客も、球場内の日陰を見つけては席を離れて観戦している人が目立った。
試合が終わってしばらくしたあと、工藤隆人2軍コーチが1人で歩いているのを見かけた。向かう先はさっきまで試合をしていたSOKKENスタジアムの隣りにある第2野球場。その手にはノックバットを持っている。外野手のノック練習をするようだ。
この期間の試合はあくまで「やっていることを試す場」でしかない。むしろ、その前後の練習が大事かつ濃密な時間であることを、フェニックスリーグに見に行くたびに痛感させられる。
程なくして外野手の福島圭音と井坪陽生がやってきた。準備が整い、試合後のノックが始まった。

センター付近にいる福島と井坪のところに、工藤コーチがノックを打っていく。その打球を2人が捕る。近くで待ち構えるスタッフにボールを渡したら、また次の打球が飛んでくる。実にシンプルな練習だ。
だがこの練習を、彼らは「試合後」にやっている。井坪にいたってはこの日センターでフル出場しているというのに。しかも工藤コーチの打球は2人が守っている位置の前や後ろに飛び、常に異なる動作を要求される。
言うならば、短い距離のダッシュをほんの少しの休憩を挟みながら行っている状態だ。打球を追い終わった後、福島も井坪も膝に手を当ててへばっている。無理もない。見ているこっちの乳酸がたまりそうになる。






「さあ頑張ろう!」
「圭音(福島)、いつものクセ出なくなってるよ~」
グラウンドではバットにボールが当たる音と、工藤コーチの溌剌とした声だけが響いている。ノックを打つたびに1つずつ丁寧に声をかけていたのが印象的だった。僕のほかに練習を見ている人が数人いたが、全員が固唾を呑んで2人の練習を見守っていた。
30分くらい経っただろうか。ようやくノックが終わった。これで引き上げるのかと思いきや、まだ終わらない。最後に走塁でスタートを切る練習。工藤コーチの合図に従って、帰塁とスタートの判断をする練習が始まった。動き回って疲れ切っているなか、こんな練習もするのか。


日がだいぶ傾いてきた頃、全ての練習がようやく終わった。僕が練習をしているわけではないのに「ようやく終わった……」と思ってしまった。
軽くストレッチをしながら、今日の試合や練習の振り返りをしている。工藤コーチは2人の目線に合わせながら、じっくりと語りかけていた。

こういった練習は何もこの日に限ったものではない。試合後の練習はフェニックスリーグでよく見る光景だ。約3週間続くこの期間中、選手たちは必死に鍛錬を重ねている。僕はただ見ていることしかできないのだけれど、この光景を見るたび「また来よう」という気持ちにさせられる。
