【第6話】『息子の奇跡の軌跡』〜不安よりも信頼を胸に、小さな命と歩んだ日々〜

小学校6年生のときの突然の不整脈発作など、何度もヒヤヒヤするような壁にぶつかりながらも、息子は自分の未来に向かって、本当にがむしゃらに努力を続けていました。

そして迎えた、2017年1月。中学受験の本番です。

息子が目指したのは、京都大学(京大)への進学という大きな夢。その夢に向かって必死に勉強を重ねた結果、第一志望であった超難関の「大阪星光学院中学校」をはじめ、「東大寺学園中学校」「帝塚山泉ヶ丘中学校」「清風南海中学校」という、受験した4校全てで、見事に合格を勝ち取ることができたのです✨️

合格通知を並べたときのあの感動と、息子の努力が最高の形で実を結んだ喜びは、今でも忘れられません。

「ここから、あの子の新しい輝かしい未来が始まるんだ」

そう信じて疑わなかった素晴らしい門出だったのですが、現実はまたしても、私たちに思いもよらない試練を突きつけてきました。

念願の大阪星光学院中学校に入学して間もなく、息子の体にまた異変が起き始めました。朝どうしても起きられなくなったり、激しい体調不良に襲われたり。 のちに分かった病名は「起立性調節障害(OD)」というものでした。

この病気はなかなか診断が難しく、専門医の先生に診てもらえるまでに、本当に長い時間がかかりました。時には入院を余儀なくされることもあり、あんなにがんばって入った中学校なのに、学校へ通うことすらままならない日々が始まったのです。

何より辛かったのは、息子自身の悔し涙でした。 せっかく新しくできたお友達と「今度遊ぼうね!」って約束をしても、病気のせいで体調が追いつかず、どうしても約束を守ることができない。 自分の思い通りに動かない体ともどかしさの間で、息子がポロポロと悔し涙を流していた姿は、母親として見ていて本当に胸が張り裂けそうに痛む記憶です。

けれど、そんな孤独な戦いの中にあっても、息子の周りにはやっぱり温かい光がありました。

学校の大きな行事である運動会や文化祭の日。体調を万全に整えて、なんとか一緒に会場へ連れていくと、本当にありがたいことに、クラスのお友達たちが「あ!きた!」って、息子のところへ一斉に笑顔で駆け寄ってきてくれたのです。

「あぁ、学校へ行けない日々の中でも、この子を忘れないで、待っていてくれる友達がいるんだな……」

その光景を少し離れたところから見守りながら、私はお友達の優しさに、心の底から感謝が湧き上がっていました。

最終的に、この起立性調節障害にはこれといった特効薬がなく、私たちは良いと言われることを色々とし尽くしてみましたが、結局、思い描いていたような楽しい中学生活は、ほぼ送ることができませんでした。

京大を目指してあれほどがんばった中学受験だったのに、病気のせいで通うことすら叶わなくなってしまった現実は、息子にとっても本当に残念で悔しい結果となり、見守る私たち家族にとっても、本当に辛く長い時間でした。

それでも、息子は最後の最後まで諦めませんでした。 中学生活の本当に最後、校外学習で行くことになった京都へ、お友達の手を借りながら、がんばって参加することができたのです。

「最後に、大好きなみんなと最高の思い出を作りたい」

その一心で踏み出した一歩は、息子にとって、そして私たち家族にとっても、中学生活の苦しさを全て包み込んでくれるような、かけがえのない宝物の時間となりました。

(第7話へつづく)

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